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インタビュー

レビー小体型認知症の症状、原因、薬、専門医などのQ&A

レビー小体型認知症の症状、原因、薬、専門医などのQ&A
内門 大丈 先生

湘南いなほクリニック 院長、横浜市立大学医学部 臨床准教授

内門 大丈 先生

NPネットワーク研究会

NPネットワーク研究会

レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies:DLB)は、横浜市立大学医学部名誉教授の小阪憲司先生が初めて発見した認知症のひとつです。アルツハイマー型認知症・血管性認知症に次いで多くの患者数が報告されており、新しい認知症のタイプとして注目を集めました。
しかし、「レビー小体型認知症」という言葉は知っていても、具体的にどのような病気なのか、原因は何なのか、どこで診てもらえば良いのかなど、あまりこの病気について詳しくご存じでない方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「レビー小体型認知症のよくある質問」について、湘南いなほクリニックの内門大丈先生に詳しくご解説していただきました。

レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies:DLB)の発症年齢は、60~80代の初老期・老年期に多く、90歳以上の超高齢期にもみられます。また、稀に40代以下の若年・中年期でも発症します。
男女別には明らかな性差はありませんが、男性にやや多いとされています。また多くは孤発性(遺伝性ではないこと)で、家族や近親者に同じ病気の経験があるケースは稀です。

レビー小体型認知症(DLB)は、老年期の変性性認知症の中でもアルツハイマー病(Alzheimer’s disease:AD)に次いで頻度が高く、日本では血管性認知症(vascular dementia:VD)を加えて「三大認知症」と呼ばれます。なお、認知症患者のうちアルツハイマー病の割合が50~60%に対して、レビー小体型認知症(DLB)は10~20%程度と報告されています。

繰り返し現れる「幻視(そこにはないものが見えること)」は、レビー小体型認知症(DLB)の症状で最も特徴的なものです。具体的には、「人物や小動物が家の中に入ってくる」などの幻視を訴えることが多くあります。

また、転びやすい・歩行が不安定・手が震えるなどのパーキンソン症状もこの病期の特徴です。同じ認知症疾患であるADとの最大の違いは、病初期には「もの忘れ」が目立たないことです。

平均罹病期間(病気にかかる期間)は3.3年~7.3年と報告されていますが、一般的にアルツハイマー病よりは短いとされ、全体としての発病後の経過もアルツハイマー病よりよくないといえます。
発病後の経過を悪化させる要因には、高齢・認知機能障害・パーキンソニズム(振戦・筋固縮・無動・姿勢反射障害(姿勢保持障害)などの症状が現れる障害)があります。

現在、認知症は脳神経内科・精神科・脳神経外科・高齢内科など様々な科が診療を行っていますが、すべての先生がご専門というわけではありません。ただしレビー小体型認知症(DLB)の専門医でなくても、日本認知症学会の専門医であればレビー小体型認知症(DLB)の診断および治療は可能です。ご自宅の近くで受診したい場合は、居住地域の認知症専門医を日本認知症学会ウェブサイトから探すことができます。

末期になると、認知機能障害もアルツハイマー病と大差なくなります。また、レビー小体型認知症(DLB)のパーキンソン症状では、四肢・体幹の筋固縮が急速に進行する場合も多いため、拘縮を起こして歩行困難となり、寝たきり状態となりやすい傾向があります。
さらに、嚥下機能が低下することで、誤嚥性肺炎(唾液や食物、胃液などが気管に入ってしまうことで細菌に感染しておこる肺炎)を起こすリスクも高まります。

レビー小体型認知症(DLB)は転倒のリスクが高くなるため、その原因であるパーキンソニズムという症状の予防やリハビリの一環として、バランス・耐久性・筋力そして柔軟性の向上を目的とした運動のリハビリプログラムは効果が期待できます。
また、生活習慣病認知症発症の危険因子のひとつであるため、この対策となる適度な運動などもすぐに始められる認知症の予防といえます。いずれにしても、日ごろから体調を整えておくことが大切です。

2014年9月にレビー小体型認知症(DLB)の認知機能障害の進行抑制に対してアリセプト®が初めて保険適応となりました。アリセプトは、すでにアルツハイマー病(AD)に対しては保険適応となっている抗認知症薬のひとつで、「アセチルコリンエステラーゼ阻害薬」という薬に分類されます。
この薬は認知症の進行を抑制するのみではなく、幻視を中心とした認知症に伴う行動・心理症状にも有効性があると報告されています。

レビー小体型認知症(DLB)はα-シヌクレインという物質を構成成分とする「レビー小体」が脳に出現するために発症することが分かっています。Q1でお答えした通り、レビー小体型認知症(DLB)はほとんどが孤発性であって(家族性パーキンソン病家系の遺伝子変異の報告はありますがレビー小体型認知症(DLB)そのものには直接関係しないといえるでしょう)、遺伝することは非常に稀です。また、脳梗塞などが原因となってレビー小体型認知症(DLB)を発症する確率に影響することはありません。しかし、生活習慣病などを基盤とした脳血管性変化がレビー小体型認知症(DLB)の症状を増悪させる可能性はありますので、日ごろから生活習慣病に対して注意を払っておくことが必要です。

記事1:大脳皮質基底核変性症とはどんな病気?わかりやすく説明します
記事2:レビー小体型認知症の症状、原因、薬、専門医などのQ&A

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  • 湘南いなほクリニック 院長、横浜市立大学医学部 臨床准教授

    日本精神神経学会 精神科専門医・精神科指導医

    内門 大丈 先生

    1996年横浜市立大学医学部卒業。2004年横浜市立大学大学院博士課程(精神医学専攻)修了。大学院在学中に東京都精神医学総合研究所(現東京都医学総合研究所)で神経病理学の研究を行い、2004年より2年間、米国ジャクソンビルのメイヨークリニックに研究留学。2006年医療法人積愛会横浜舞岡病院を経て、2008年横浜南共済病院神経科部長に就任。現在はいなほクリニックグループ共同代表として認知症在宅医療を推進する一方、NPネットワーク研究会代表世話人として認知症診療の充実ならびに認知症情報のアウトリーチ活動に精力的に取り組んでいる。

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