院長インタビュー

地域に安心を提供し続ける三原城町病院の取り組みと今後の展望

地域に安心を提供し続ける三原城町病院の取り組みと今後の展望
中山 泰典 先生

医療法人清幸会 三原城町病院 院長

中山 泰典 先生

目次
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この記事の最終更新は2019年03月20日です。

2015年4月に病院名を医療法人 清幸会 三原城町病院(以下、三原城町病院)へ改称されて以来、「私たちは医療を通して身近なまちの安心を提供します」の理念のもと、地域の方々に安心していただける医療を提供してきました。現在では安心を与えるだけでなく、地域の方々からの声に耳を傾け、地域的背景に特化した医療を提供しています。今回は三原城町病院の病院長である中山泰典先生にお話を伺いました。

三原城町病院の外観
三原城町病院の外観

当院は、1911年に開院された土肥医院を前身としています。同院は100年以上もの間、地域の患者さんに安心を提供してきました。2015年4月に病院名を三原城町病院へ改称して以来、地域包括ケア病床や2016年7月には回復期リハビリテーション病棟の開設など、地域の方々のニーズに耳を傾けながら地域的背景に特化した医療を提供しています。

当院では循環器内科、整形外科、血液内科、人工透析に特に力を入れて取り組んでいます。循環器内科では、狭心症心筋梗塞などのさまざま循環器疾患に関する幅広い治療を行っています。循環器分野では、カテーテルを使用した手術などを行う医師が在籍しているため、緊急時においても可能な限り迅速な対応に努めています。

近年の整形外科分野では大腿骨頚部骨折や大腿骨転子部骨折で来院される患者さんが増えており、自宅で寝たきりになってしまう患者さんが増えつつあります。当院の整形外科では、手術から術後のリハビリテーションまで安心して受けていただける環境がそろっています。

血液内科は、これまで広島市など遠方へ治療に行っていただいていた患者さんでも当院でほとんどの治療を行うことができます。2015年9月に無菌治療室を2室設置、2018年11月1室増設し計3室となり、血液疾患治療の拠点として診療に励んでいます。

当院の透析センターでは、透析中の患者さんにみられるトラブルや透析中のケアまで、透析に必要な治療を一貫して対応しています。透析中のトラブルとしては、シャントの詰まりや、末梢神経障害で痛みを感じないことから足の傷などが悪化してしまう場合があります。当院ではそれらのトラブルを防止するために、定期的に検査を行い、早期発見に努めています。定期検査で評価を行った際に、異常が見受けられた場合には、より精密な検査を行ったうえで早期の段階から治療を行っています。

今後は地域の声をより大切にしながら、得意分野を今まで以上に充実させていきたいです。

さらに、回復期リハビリテーション病棟で、今まで以上に受け入れ体制の充実を図るため、スタッフの増員や優秀なスタッフの育成にも取り組んでいきたいと思います。

また、近年では高齢化が進んでいるため、今後はさらに訪問診療に関する要望も増えていくと考えます。そのニーズに応えるため、今後はスタッフの数を増やすなど体制を整え、訪問診療にも携わっていきたいです。

地域の中学生によるコンサートの様子
地域の中学生によるコンサートの様子

当院では地域の方々や地域の医療機関との連携を大切にし、日頃よりさまざまな活動を行っています。たとえば、地元の中学校から吹奏楽部の生徒をお呼びしてコンサートを開いたり、JA三原のスタッフの方々と当院の栄養科のスタッフで献立を考える機会を設けたりしています。

地域の医療機関とは、当院で力を入れている血液内科、循環器内科、整形外科、人工透析の分野で患者さんを紹介していただいたり、当院からも他院への紹介を行うなど、患者さんにとって適切な医療を提供できるよう連携を強化しています。血液内科に関しては、より詳しい状態を把握するために他院で検査を受けていただくなど、地域の医療機関との関わりを密にしています。

取材の様子
取材の様子

当院では、患者さんに安心して来院していただけるよう、医療を通して身近な街の安全を提供しています。救急外来では夜間の場合でも断らない救急を目指し、当院で対応が難しい病気であった場合には、患者さんの状態に合わせた病院や地域の診療所に迅速に搬送しています。また、当院はこれからも地域のための病院として存在し続けることが大切だと考えているため、患者さんや地域の方々に信頼され、選ばれ続ける病院を目指していきます。

当院では、自ら考え行動に移すことができる医師には多くのことを学べる環境が整っています。

当院だけに限らず、幅広い病気に対応していくためには、それだけ症例数をこなすことが重要です。特に外科医を目指す場合には、手術の症例数を重ねることが医師として大切な経験になります。自分で裁量を決め、必要だと思うことには積極的に取り組んでほしいです。また、自らが経験するだけでなく、周りの先生がどのような治療を行っているのかを見ることも自らの経験につながると思います。