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初めての学術集会参加―若手看護師の場合

初めての学術集会参加―若手看護師の場合
橋本 悟 先生

京都府立医科大学 集中治療部

橋本 悟 先生

目次
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2019年3月1日~3月3日、第46回日本集中治療医学会学術集会が開催されました。本学術集会には医師をはじめ、看護師や理学療法士などの多職種が参加し、ベテランから新人まで幅広い世代の方々が集まりました。今回は、初めて学会に参加する津山中央病院の松本愛菜さんに密着し、学術集会初参加のきっかけや感想をお伺いしました。

第46回日本集中治療医学会学術集会への参加を決めたきっかけ

最初のきっかけは、2018年にICU・CCU看護教育セミナーを受講したことです。

私は2019年4月より、看護師として4年目に入ります。看護師1年目は一般内科病棟に配属されましたが、2年目から救命救急センターに異動となりました。

救命救急センターで約2年間救急看護に務め、通常業務にも慣れてきたこともあり、もっと集中治療看護や看護業務に関する新しい情報を知りたいと考えるようになりました。また、3年間看護師として働いてきて、これから自分がしたいことや学びたいことが少しずつ定まってきました。

医師や先輩看護師の動きに遅れることなくついていきたい、そのために新しい情報を知ってより深く学びたいという思いから、2018年にICU・CCU看護教育セミナーを受講しました。そこで講師を務められていたのが、今も付き添っていただいている芹田久美子さんでした。そのときから、芹田さんにはずっとお世話になっています。

同じ救命救急センターの看護師でも、私はICUチーム、芹田さんはHCUチームにいたので、それまでほとんどお話ししたことはありませんでしたが、このセミナーに参加したことで話すきっかけができ、この学術集会があることも教えていただきました。

初めての学術集会参加はやはり緊張しますが、芹田さんや先輩方が背中を押してくれたからこそ、参加する勇気が出たのだと思います。

松本愛菜さん(津山中央病院看護部)、芹田久美子さん(津山中央病院看護部)
写真左:松本愛菜さん(津山中央病院看護部)、写真右:芹田久美子さん(津山中央病院看護部)

学術集会初参加においてわかりづらかったこと・難しかったこと

基本的なことですが、まず服装に迷いました。学術集会は暗黙のルールで成り立っている部分が多いように感じました。たとえば、服装や受付の手順、質問の仕方、抄録の読み方などといった「お作法」についてはどこにも示されていません。そのため、フォーマルウェアで参加すべきか、普段の服装でも構わないのかが判断できませんでした。事前に芹田さんから「そこまで固い雰囲気の服装である必要はない」とは聞いていましたが、程度がわからず、結局スーツを着用してきました。

【先輩看護師からのアドバイス―学会参加時の服装】

日本集中治療医学会学術集会に参加する際は、基本的に普段通りの格好で問題ありません。ヒールが苦手な方の場合は、清潔なものであればスニーカーを履いてきても構わないと思います。ただし、発表を行うなどの場合はセミフォーマルな服装が望ましいでしょう。

学術集会のセッションに参加した感想・学び

午前―ジョイントシンポジウム

1日目の午前中は、第1会場で開かれたジョイントシンポジウム1「ARDS:病態からみた患者管理の組み立て方(日本集中治療医学会・日本呼吸器学会)」、シンポジウム2「最新の心不全診療ガイドラインを知る(日本集中治療医学会・日本循環器学会)」に参加してきました。

シンポジウムは、現在の業務では使用しない単語やグラフがたくさん用いられていたので、私には難しい内容でした。配布資料がなかったので、メモを取ることもできませんでした。ただ、全体的に事前に想像していたほど固い雰囲気ではありませんでした。実際にシンポジウムに参加してみて、改めて集中治療やICUにおける看護に対する興味が深まったと感じています。

午後―ICU看護教育に活かすリフレクションに関する講演

午後は、「ICU看護師教育に活かすリフレクション」を聴講してきました。会場は非常に混みあっており、500人ほど収容可能な会場は満席で、立ち見の方も150人程度はいらしたのではないでしょうか。

専門的な内容を含むにもかかわらず、この講演はとても理解しやすかったことが印象に残っています。難しい専門用語を極力使わずに、聴講者が受け入れやすい優しい言葉を選んでいると感じましたし、ところどころ冗談を交えながら話されていたので、講演中に笑いも起こっていました。演者の先生が、聴講者の心に届きやすいように説明の仕方を工夫なさっているのだろうと感銘を受けました。

この講演に参加して、発表を行うときは「雰囲気作り」も大切なのだと実感しました。難しい単語が飛び交う固い雰囲気の会場よりも、分かりやすい説明をしてくれる柔らかい雰囲気の会場のほうが聞き手は受け入れやすいですし、内容を理解できればそのテーマへの関心も高まって、もっとこの話を聞いてみたいという意欲がわいてきます。私が今後学術集会で発表者の立場になる際には、会場の雰囲気作りも意識したいと思いました。

学術集会会場を見学して感じた魅力・楽しさ・学び

企業ブースにおける体験

会場内では医療関連のさまざまな企業がブースを出展しているので、普段は医師だけが使用している医療機器を実際に使ったり、触ったりすることができました。自分の所属病院にある医療機器やベッド以外に触れる機会はほとんどないので、とても新鮮でした。

また、企業のブースを回ることで、所属病院にも設置されている機械の新しい機能について知るきっかけにもなりました。こうした情報は現場でも役立つので、勤務先の同僚や先輩、後輩に共有したいと考えています。

医療従事者が使用する機械以外には、自動体位変換機能付きの患者さんのベッドなども展示されていました。

基本的に看護師が患者さん用のベッドに寝ることはありませんが、このような場を積極的に利用すれば、患者さんの気持ちも体験することができます。ベッドに寝て実際の患者さんの立場になることで、医療従事者の立場からはみえなかったことがみえてくるかもしれません。

懇親会や同期との交流も楽しみのひとつ

最終日は、懇親会にも参加しようと思っています。学術集会では毎年面白い企画が用意されていて、今年はマグロの解体ショーが行われる予定です。なお、これまでに演奏会、芸能人を招聘してのイベント開催、提灯祭なども開催されたことがあるそうです。懇親会後は、同期の看護師との飲み会も予定しています。

【先輩看護師からのアドバイス―学術集会に参加する際の注意点は?】

まずはビジネスマナーとして、事前に職場の看護師長に相談することが大切だと思います。学術集会参加予定日の2~3か月前には相談して、あらかじめ数日間職場を離れる許可をいただきましょう。許可をいただけたら、なるべく早めに宿泊と交通の手配をすることをおすすめします。特に今回の京都のように観光地が会場である場合、ある程度余裕を持って予約しなければほとんどのホテルが満室になってしまいます。

自分のしたいこと・学びたいことを考えて参加演題を選択する

松本愛菜さん

私は今回の学術集会で、看護教育に関するセミナーを中心にピックアップしました。今後プリセプター*として新人看護師を指導する立場になったときに備えて、教育について勉強したいという気持ちがあるからです。

2019年4月より看護師4年目に入るので、今後は新人看護師を教える役割も少しずつ担っていくことになると思います。そのため、新人看護師にさまざまなことを教える力を今から身につけていきたいです。

プリセプター…プリセプターシップ(先輩看護師が新人看護師にマンツーマンで指導を行う教育方法)において、新人看護師の指導役となる先輩看護師のこと。新人看護師1人に対して1人がプリセプターとなり、一定期間マンツーマンで指導を行う。

看護師のなかには、興味はあっても学術集会への参加までには至らない方もいます。そうした方にも「学術集会に行ってみたい」と思っていただけるように、初めて学術集会に参加したことで得た学びや楽しみを周囲に共有していきたいです。

(記事2「密着!学術集会初参加の若手看護師の1日―受付から聴講まで」に続く)

 

第46回日本集中治療医学会学術集会については下記の記事も併せてご覧ください。

会長インタビュー「第46回日本集中治療医学会学術集会を終えて」

日本集中治療医学会学術集会レポート「会長講演と優秀論文賞講演・表彰式」

日本集中治療医学会広報委員会企画「臨床工学技士座談会―多職種連携としての学術集会のあり方」