院長インタビュー

100周年を迎えられるような病院でありたい―橋本病院の取り組み

100周年を迎えられるような病院でありたい―橋本病院の取り組み
橋本 忠通 先生

医療法人 橋本病院 院長

橋本 忠通 先生

目次
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和歌山県和歌山市に位置する橋本病院は、現在の院長先生である橋本忠通先生の祖父が開設した病院です。橋本先生は、同院を「100周年を迎えられるような病院でありたい」とおっしゃいます。この言葉を実現するため、同院では施設の建て替えや医療機器の導入などさまざまな取り組みを行ってきました。今回は、これからも長く地域医療に貢献するために行っている橋本病院での取り組みや将来像について、病院長である橋本忠通先生にお話を伺いました。

橋本病院の外観
橋本病院の外観

当院は、和歌山城の南にあり、国道42号線沿いの和歌山市堀止に位置します。和歌山県立医科大学病院と日本赤十字社和歌山医療センターの2大高度急性期病院の間でアクセスのよい環境にあり、急性期・回復期機能の病床を合わせ持つ病院です。1952年に胃腸科・外科を中心に橋本医院としてスタートし、1955年には医療法人 橋本病院を設立しました。2019年3月で病院組織となり64周年を迎え、民間病院としては和歌山市内でも歴史のある病院です。

救急指定病院として、消化器外科・整形外科を中心に救急医療体制の充実を図っており、2017年度は421件の救急患者さんの受け入れを行いました。さらに、当院で行っている消化器外科・整形外科の年間手術件数は、2017年度は611件、2018年度は640件と年々増加傾向にあります。今後さらに地域医療に貢献するために、2017年に増改築工事及び全館リニューアル工事を行いアメニティの整備を実施するとともに、先進医療分野では、MRI、80列CT・ハイビジョン電子内視鏡などの医療機器の新規導入ならびに入替えをはじめ、クリーンルーム清浄度クラス1,000の手術室2部屋を完備、マキシマル・バリアプリコーション(高度無菌遮断予防策)による徹底した感染症予防を施し、医療レベルの保持に努めています。

外科領域では、各種手術を実施し、化学療法、腹水濾過濃縮再静注法(CART)、CVポート設置、胃ろう造設などへの対応も可能なため、地域の病院やクリニックなどの医療機関、介護福祉施設などとも連携を図っています。また、当院では腹腔鏡を用いた、腹腔鏡下結腸切除術、腹腔鏡下直腸切除術、腹腔鏡下胆のう摘出術などを行っています。腹腔鏡手術は開腹手術に比べて体にかかる負担が少ない手術です。現在、当院の手術は麻酔科医*が麻酔を担当しており、患者さんに安心して手術を受けていただける環境が整っています。

整形外科においては、現在2名の日本整形外科学会から認定されている整形外科の専門医が常勤医として勤務しており、各種手術を実施し、早期手術(当日も可)、早期リハビリを行い、入院・手術・リハビリ・退院支援まで一貫した医療の提供が可能となっています(2019年4月11日現在)。外来診療においては、外傷一般、骨折関節リウマチ脊椎圧迫骨折、腰痛、関節痛の治療に加え、麻酔科医による神経ブロック療法や薬物療法にも対応しています。

橋本病院で実施している手術は次の通りです。

消化器外科

  • 腹腔鏡下悪性腫瘍手術
  • 腹腔鏡下胆嚢摘出術
  • 核手術/痔ろう根治手術
  • ヘルニア根治術
  • 胃全摘術/胃切除術
  • 胆嚢摘出術
  • 内視鏡的ポリープ・粘膜切除術(胃・大腸)
  • 化学療法
  • 腹水濾過濃縮再静注法(CART)
  • CVポート設置
  • 胃ろう造設(PEG)

整形外科

  • 人工関節置換術(膝関節・股関節)
  • 人工骨頭置換術
  • 骨折観血的手術
  • 関節鏡下半月板縫合術
  • 関節鏡下靭帯断裂形成術
  • MED:内視鏡下椎間板摘出術
  • 脊椎圧迫骨折偽関節に対する後方固定術
  • ばね指・各種手外科手術
  • 手根骨開放手術等
  • アキレス腱断裂手術

*麻酔科標榜医:直川里香先生

腹腔鏡を使用した手術中の様子
腹腔鏡を使用した手術中の様子

現在では一般的になっていますが、当院では患者さんの負担を軽減するために、2011年から経鼻内視鏡システムを導入しています。口から入れる経口内視鏡に比べ管が細いため、患者さんへの負担を軽減することが可能です。特に人間ドックなどでは威力を発揮しています。

当院は、2019年で開院から67周年を迎えます。目標のひとつとして、開院100周年を迎えても地域医療に貢献できる病院でありたいというのが私の目標です。

今後、医療制度問題や地域医療構想など、目まぐるしく変化する医療界において33年後には、当院も変化する事を余儀なくされるとは思います。しかし、提供する医療の質は変わることなく、これからも地域医療の貢献に努めて参ります。

当院は患者さんにとってのコンビニのような病院を目指しています。コンビニのような病院とは、来院していただければ、ある程度の問題が解決できる病院のことです。近年問題となっているコンビニ受診とは違い、コンビニエンスストアに行くように、気軽に立ち寄れるような病院でありたいと考えています。それを実現するため、今後も医療環境を整えていきます。

診察の様子
診察の様子

当院は地域の皆さんにとって、来院しにくいという印象を感じることなく、気軽に来院していただける地域に密着した病院であるように努めていきます。

当院では診察だけでなく、検査も少ない待ち時間で受けていただくことができます。ぜひ、何か不安なことがある場合には、お気軽にご相談いただければと思います。

これからご活躍をされる皆さんには、さまざまな経験を積みながら地域に貢献することのできる医師を目指してほしいです。そのためにも、「自分は常に学んでいる立場であり、修行の身である」という謙虚な気持ちで学習を進めてほしいと思います。

また、どのような外科手術であっても、基礎となる技術や知識の土台をきちんと作ることが、今後はさらに大切になってくると思います。近年では、ロボットなどを使用する機会も増えていますが、まずは自らの手で手術を問題なく行えるような土台をきちんと作ることが大切です。ロボットを使用する手術にも、誤差を修正したり、3D表示で確認したりできるなどの利点がありますが、土台を積んだうえで経験を活かしてほしいと思います。

和歌山県立医科大学病院や日本赤十字社に属している和歌山医療センターをはじめ、共に地域の医療提供体制を支えている皆さんに日頃より手を差し伸べていただけることは、大

変ありがたいことだと感じています。また、当院へ紹介してくださる医療機関の先生方も増え、病院同士あるいは病院と診療所間の連携の強化が図れ、地域医療が活発化してきていると感じています。

近年では、地域の医療機関の先生方とも今まで以上に連携を取れる機会が増えており、今後さらに地域医療に貢献する所存です。

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