院長インタビュー

急性期から慢性期まで、地域の患者さんにずっと寄り添う流山中央病院

急性期から慢性期まで、地域の患者さんにずっと寄り添う流山中央病院
国吉 昇 先生

流山中央病院 理事長

国吉 昇 先生

目次
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医療法人社団曙会 流山中央病院(以下、流山中央病院)は1978年3月に外科系の病院として開業しました。ベッドタウンとして多くの住民が暮らす千葉県流山市ですが、同院開業当時は周囲に医療機関が少なかったそうです。そんな地域の医療状況を改善すべく開院した同院は現在、急性期から慢性期にいたるまで、さまざまな患者さんをサポートしています。同院の強みや特徴について、理事長である国吉 昇(くによし のぼる)先生にお話を伺いました。

流山中央病院の外観
流山中央病院の外観

部長の金澤 隆三郎(かなざわ りゅうざぶろう)医師(日本脳神経血管内治療学会認定脳血管内治療専門医・指導医)を中心に診療を行っています。

脳腫瘍などに対する開頭手術、脳動脈瘤などに対して開頭せずにカテーテルを用いる脳血管内治療をはじめ、一人ひとりの患者さんに適した治療を実施します。当院では可能な限り、頭部の切開をしなくてすむ血管内治療を行うことが多いですが、合併症のリスクや術中の状況を慎重に判断したうえで治療法を選択します。適切な診断を行うための脳血管専用造影装置や核医学(RI)検査装置などをはじめ、設備の拡充も図っています。

アイソトープ検査装置
アイソトープ検査装置
X線アンギオ装置
X線アンギオ装置

2013年4月には日本脳神経血管内治療学会より日本脳神経血管内治療学会研修施設の認定を受けました。さらに2019年9月に日本脳卒中学会から一次脳卒中センターとして認定されたことを受け、現在脳卒中センターを開設すべく準備中です(2020年2月時点)。当院の強みの1つである脳神経外科部門につきましては、これからも拡充を図っていく予定です。

脳卒中センター
脳卒中センター

当院では2018年4月に手外科・上肢外科センターを開設しました。上肢(手、指、腕、肘)は日常生活において非常に多用する部位ですから、しびれや違和感などの症状を早期に発見し治療することで、重症化を未然に防ぐ必要があります。

日本手外科学会認定手外科専門医が3名所属していますが(2020年2月時点)、今後はさらに医師数を増やし、緊急性の高い患者さんを24時間体制で診療できるようにしたいと考えております。

当院での急性期治療を終えた患者さんに対して、訪問診療(往診)、訪問看護、訪問リハビリテーション、服薬指導といった在宅医療の支援サービスを設けています。慢性期に入った患者さんをかかりつけ医に戻す、いわゆる“逆紹介”も積極的に行っています。

当院の敷地内に併設された居宅介護支援事業所では、病気や障害などで介護が必要になった方やそのご家族の方の負担を少しでも減らすため、対面やお電話で介護支援専門員(ケアマネジャー)による相談を受け付けています。介護保険が使えるサービスのご紹介も行っておりますので、必要に応じてお声がけいただければと思います。

2019年9月、当院の附属病院として泉リハビリテーション病院を開院しました。これまで流山中央病院のリハビリ病棟は40床でしたが、泉リハビリテーション病院では70床へ増床し、回復期のリハビリテーションへさらに注力できるようになりました(2020年2月時点)。

流山中央病院の待合室
流山中央病院の待合室

当院には4つの特別養護老人ホームをはじめ、通所リハビリテーションやケアハウスといった関連施設があります。また、先ほどお話しさせていただいた通り在宅療養の患者さんに対してさまざまな支援を行っております。

リハビリを終えた患者さんたちの退院後に在宅療養でも施設入所でも対応できるよう、設備を整えてまいりました。当院では国主導で地域包括ケアシステムが稼働する以前から行っていたこうした取り組みを中心に、医療と福祉を一体化させて考えながら活動しています。

当院は、入院を要する患者さんの救急医療を行う二次救急医療機関として千葉県から指定されています。地域の皆さんの救急窓口として、内科医、外科医各1名が24時間体制で対応を行っています。

特に脳神経外科は、救急隊員の方々と医師が直接やり取りできるホットラインを設けており、脳神経外科専門医が連日対応いたします。

脳神経外科疾患のうち、突発性正常圧水頭症脳脊髄液減少症といった髄液(脳内を満たす液体)の異常により生じると考えられる疾患は、正常圧水頭症センターにて治療を行っています。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医の髙木 清(たかぎ きよし)医師が担当し、診療は完全予約制となっております。

当院では2016年4月1日から2018年3月31日まで、女性が活躍できる職場を目指して“女性躍進推進法 行動計画”に取り組みました。再雇用を含む女性医師の積極的採用、スタッフ育成のための研修機能整備や労働時間の見直しなど多方面から職場環境の改善を図りました。

当院の関連施設には、預かり保育を行う“あけぼの保育園”もあります。子育て中のスタッフが安心して勤務できるよう、原則として24時間体制(年末年始を除く)で受け入れを行っています。

カンファレンスの様子
カンファレンスの様子

福利厚生の一環として、国内、海外の宿泊施設やスポーツクラブなどを会員価格で利用できるサービスを設けています。

育児や介護に際する補助、資格取得の助成、各種お祝いなど、ライフイベントを応援する制度も充実していますので、スタッフ一人ひとりに適したサービスを活用していただけます。

國吉先生

当院は急性期から慢性期まで、さまざまな患者さんの診療を行っています。特に脳神経外科や上肢の外科を専門にしたいと考えている先生にとって、しっかりと勉強できる環境が整っていると思います。

ぜひ当院にお越しいただき、我々と一緒に地域の皆さんの健康のお手伝いをしていただけたら幸いです。そして、患者さんを診察することが好きで、常に前向きに勉強していく先生になっていただけるよう願っております。

当院を開業する以前、流山地域の医療状況はしばしば“陸の孤島”などと表現されていました。その状況を打開しようと開院したのが、この流山中央病院です。

開院当初から現在まで一貫して、当院は地域の皆さんが安心してずっとかかれる病院を目指しています。職員一同、常に“敬意奉仕の心”を持ち、急性期から慢性期まで、患者さんの状況に応じた診療を心がけます。

当院での治療を終えた後、ご自宅での療養が難しい患者さんには当院関連施設、在宅で過ごす患者さんには往診や定期巡回サービスなど、各種フォローアップも充実しています。お気軽に何でもご相談いただければと思います。