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眼精疲労が治らないのはなぜ? 長引く目の疲れや痛みには病気が隠れていることも

眼精疲労が治らないのはなぜ? 長引く目の疲れや痛みには病気が隠れていることも
猪俣 武範 先生

順天堂大学 医学部 眼科学教室 准教授

猪俣 武範 先生

目次
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眼精疲労とは、目を酷使し続けることで目の痛みやかすみ、充血などの症状が現れ、休憩や睡眠だけでは改善されない状態を指します。さらに、肩こりや頭痛、吐き気などの症状が現れることもあり、治らない症状に悩んでいる方もいるでしょう。

本記事では、眼精疲労が治らない原因を中心に、対処法などについても詳しくご説明します。

眼精疲労の原因はさまざまですが、まず挙げられるのが不適切な環境での作業などです。具体的には以下のとおりです。

  1. 眼鏡やコンタクトの相性が悪い
  2. 長時間にわたるディスプレイ作業をしている

ここまでに解説した原因に当てはまらない、作業環境などを変えても症状が改善されないといった場合は、目に異常が起こっている可能性も考えられます。

ドライアイ老眼(老視)など、目の病気が眼精疲労の原因となっている可能性もあります。これらの場合、原因となっている病気の治療が重要となります。具体的には以下のような病気が挙げられます。

ドライアイとは、通常であれば外部の刺激から目を守るバリアのようなはたらきをしている涙の減少や涙の質が悪化し、目の表面が乾燥することを指します。ドライアイによって涙の減少や質が悪化すると、目の乾燥、かすみ、不快感、充血、ものが霞んで見えるなど、眼精疲労と同様の症状が現れることがあります。

なお、ドライアイが起きる原因としては、主にパソコンや携帯などのディスプレイを長時間凝視していることによるまばたきの減少や、コンタクトレンズの使用、エアコンの風などが挙げられます。

老眼(老視)とは、目のピント調節機能が衰えることで、近くの物がぼやけて見えるようになることを指します。正式名称は老視ですが、老眼と呼ばれることが一般的です。

老眼は主に加齢によって起こります。歳をとるにつれて、毛様体小帯が衰えたり水晶体の弾力性が低下したりすると、水晶体がスムーズに伸縮できなくなります。すると、近くをみようとしても水晶体が厚くならないため、近くの物にピントを合わせることが難しくなります。このような症状は40歳くらいから多くみられます。

老眼鏡などを使用せず無理にものを見ていると眼精疲労を引き起こし、目の疲れだけでなく頭痛、肩こりなどさまざまな症状が生じることがあります。

眼精疲労が治らない場合はさまざまな原因が考えられるため、まずは眼科の受診を検討するとよいでしょう。

受診の結果、遠視乱視、眼鏡の度が合っていないなどの原因が判明すれば、適切な対処によって眼精疲労が比較的早期に改善されることもあります。また、原因となる病気が隠れていた場合も適切な治療につなげることができます。

仮に原因が不明であっても、ビタミン配合の内服薬や目薬などを処方してもらうことで症状が改善されることもあります。また、医師のアドバイスの下、眼精疲労を招く生活環境の改善を行うことも有効です。暗すぎる・明るすぎる部屋や長時間のディスプレイ作業など、目が疲れやすい生活環境や習慣は見直すようにしましょう。

目の痛み、かすみ、充血などが長期間続く場合は、眼精疲労の可能性があります。

眼精疲労の原因は、目の異常(遠視乱視など)、目を使う環境(長時間のディスプレイ作業など)、目の病気(ドライアイ老眼など)に分類でき、病気が原因の場合は原因疾患の治療が重要です。眼精疲労の症状が重い、治らないといった場合は早めに眼科を受診するとよいでしょう。

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