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ドライアイに効果的な目薬とは ~処方薬と市販薬の違いや市販薬を使用するときの注意点~

ドライアイに効果的な目薬とは ~処方薬と市販薬の違いや市販薬を使用するときの注意点~
猪俣 武範 先生

順天堂大学 医学部 眼科学教室 准教授

猪俣 武範 先生

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ドライアイとは涙の異常によって引き起こされる目の病気で、目の乾きや疲れ目、かすみ目など、さまざまな不快な症状を引き起こします。ドライアイの原因は多岐にわたりますが、目を酷使する生活習慣が主な原因であるといわれています。

ドライアイを改善するためには、生活習慣の改善とともに目を潤す治療を行う必要があり、代表的なものに目薬による治療が挙げられます。ドライアイ治療における目薬にはどのような効果があり、どのようなものが用いられるのでしょうか。

ドライアイとは、涙の分泌量が減ったり涙の質が低下したりすることによって、目の表面を潤す力が低下した状態です。

ドライアイ治療には、主に目薬を使用する点眼治療と、涙点プラグと呼ばれる医療器具を用いる外科治療があります。点眼治療はドライアイ治療の中心となる治療です。ドライアイ治療に用いられる目薬には、涙の成分を補充したり産生を促したりする効果があり、症状が軽い場合は、このような点眼治療で不快な症状を緩和させることができます。

またドライアイの改善効果を期待した目薬は、薬局やドラッグストアなどでも購入することができます。自分で目薬を試してみて、効果が不十分な場合に病院を受診する人も多いでしょう。市販薬と病院で処方される目薬の効果は異なり、病院では自分の症状に合った目薬を処方してもらうことができます。

ドライアイ治療に用いられる目薬にはさまざまな種類があり、病院で処方されるものと、市販されているものがあります。

涙は油分、水分に加え、ムチンと呼ばれる成分によって構成されています。ドライアイはこれらの成分が減少したり、バランスが崩れたりすることによって起こる病気です。病院の治療で用いられる目薬には、水分を与えるタイプの目薬と、涙の成分の分泌や産生を促すタイプの目薬があります。

人工涙液

涙に近い成分を配合した点眼薬です。一時的な改善効果はありますが、目に長く留まらないため頻繁に差しなおす必要があります。

ヒアルロン酸製剤

涙の安定性を高めて目に水分を与えるとともに、目の表面の傷(角膜障害)を改善する効果があります。

ジクアホソルナトリウム

涙の成分である油分、水分、ムチンの分泌を促進する効果があります。

レバミピド

ムチンの産生を促したり、目の表面の炎症を抑えたりする効果があります。

ジクアホソルナトリウムやレバミピドは比較的新しい点眼薬で、以前から使われていた人工涙液やヒアルロン酸製剤に比べて目の不快感や眼表面の状態を改善する効果が高いといわれています。

上記のほかに、目の炎症を抑える副腎皮質ステロイド点眼が用いられることもあります。

市販の目薬を使用する場合、“ドライアイ”や“目の乾き”に効果があるものを選びます。涙に似せた成分や角膜を保護する成分が含まれるものが一般的で、塩化ナトリウム、塩化カリウム、コンドロイチン硫酸エステルナトリウムなどが含まれています。

市販の目薬にはさまざまなものがあるため、初めて購入する場合は薬局やドラッグストアの薬剤師に相談するとよいでしょう。

市販の目薬はドラッグストアなどで手軽に手に入れることができ、ドライアイの症状が軽い場合は、生活環境の改善と組み合わせることで十分に効果が得られるでしょう。しかし病院で処方される目薬のように、涙の成分に直接はたらきかけるものはありません。そのためドライアイの自覚症状が強い場合は、市販の目薬では効果が不十分なことがあります。

効果がないからといって目薬を頻繁に差してしまうと涙の成分を洗い流すことになり、かえってドライアイの症状を強くします。また、市販の目薬には防腐剤が含まれているものが多く、長期間の使用でアレルギー症状を引き起こす場合があるので注意が必要です。

目薬はドライアイの中心的な治療法で、さまざまな点眼薬が用いられます。症状が軽い場合には症状の緩和が期待できますが、症状が重い場合は効果が不十分なこともあります。

市販の目薬を使用している場合は、誤った使用を続けていると効果が見られないばかりか症状を悪化させることもあるので、症状が改善しない場合はなるべく早く医療機関を受診するようにしましょう。

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