ドライアイはパソコンやスマートフォンの見過ぎが原因でなる現代病だと考えている方も多いのではないでしょうか。近くを見続けることに加えてブルーLEDも眼精疲労の原因のひとつとして話題となっています。しかし、慶應義塾大学医学部眼科教授の坪田一男先生は、エイジングがドライアイに大きくかかわっているとおっしゃいます。坪田先生にお話をお聞きしました。
ドライアイの原因は、エイジング(加齢)と環境の2種類が主だと考えられます。
眼の乾燥や炎症についてはエイジングが、環境というのはVDTワーカー(パソコンなどの機器を使って仕事に従事している労働者)という職種などが関係しています。VDTワーカーの方は、そうでない職の方と比較してドライアイのリスクファクターが2.5倍にもなるという研究結果が出ています。
また、遺伝要因と環境要因の比較では、環境要因の方が大きいことが分かっています。
現在、日本でコンタクトレンズを使用している人は2000万人を超えるといわれています。コンタクトレンズを装用するとドライアイになりやすくなります。そして、ドライアイになるとコンタクトレンズによる障害が起きるという悪循環があります。
コンタクトレンズは実は涙の上に浮いていて、眼球に直接付着しているわけではありません。ですから、涙がないとコンタクトが眼球に「座礁」してしまいます。そうすると眼球に様々な障害が起こってきます。ゴロゴロするなどの不快感たけでなく、目の表面に傷がついたり、コンタクトレンズを使用することで目が真っ赤になってしまう患者さんもいらっしゃいます。
1週間や2週間の連続装用使い捨てコンタクトレンズは、使用期限を守らないことなどから障害を起こす例が多数報告されています。そのため1dayのコンタクトレンズをきちんと使い捨てで使用するのが最も安全といえます。また、ソフトレンズかハードレンズかでいえば、ハードレンズのほうが目に何らかの障害が起きたときに自覚しやすい傾向があります。
しかし、基本的にドライアイの患者さんはメガネの装用、もしくはレーシック手術を推奨しています。
ドライアイの原因は解明されていないことも数多くありますが、「乾燥」「角結膜の炎症」「ストレス」「化学物質・環境汚染」そして「エイジング(加齢)」が多く関係しているといわれています。
現代人は目にかかる負担が非常に増えてきています。誰もが目を酷使しているといっても過言ではない時代です。
特に目を酷使する要因として、パソコンやスマートフォンに使用されているブルーライトLEDが挙げられます。ブルーLEDは乱反射しやすく、目に負担となります。VDTワーカー(パソコンなどの機器を用いて仕事に従事している人)などはとくにドライアイになりやすい環境下にあります。
また、ストレス社会もドライアイの大きな要因のひとつです。通常、涙は笑ったとき、悲しいとき、ふっと気持ちがゆるんだときなどに出ます。このような状態のとき、ヒトは副交感神経が優位になっています。一方、集中力を高め、生存のために瞬発力を発揮するときや、戦いのモード、緊張しているときは交感神経が優位となります。
現代人は猛獣に襲われるような事態に遭遇することはめったにありませんが、仕事や人間関係など、様々なストレスを受け続けています。そのため交感神経優位な時間が長くなります。涙は副交感神経優位なときに分泌され、交感神経が優位になると減ります。したがって、ストレスを多く受けている方は涙が出にくくなっているといえるでしょう。
その他、空調やエアコンによる空気の乾燥、環境汚染やタバコ、コンタクトレンズの長期装用などもドライアイを誘発します。このように、ドライアイになる要素は日常生活のなかに非常にたくさんあるのです。
*本記事は坪田先生の著書「10秒間まばたきせずにいられますか?」を参考にしています。こちらもご参照してみてください。
慶應義塾大学 医学部眼科学教室 教授・眼科診療部長
坪田 一男 先生の所属医療機関
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