編集部記事

ドライアイを疑うべき症状とは? ~主な自覚症状やドライアイを引き起こす病気について~

ドライアイを疑うべき症状とは? ~主な自覚症状やドライアイを引き起こす病気について~
中矢 家寿宏 先生

岡本石井病院 医療情報部 部長 眼科 科長

中矢 家寿宏 先生

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ドライアイは涙の量や涙の質が低下することで、さまざまな目の不快感を引き起こす病気です。加齢に伴って増加し、日本の疫学調査によると40歳以上では男性の12.5%、女性の21.6%がドライアイに悩まされているとの報告があります。

ドライアイの主な症状は目の乾きで、そのほかにもさまざまなものがあります。どのような症状がある場合にドライアイを疑えばよいのでしょうか。

ドライアイの主な症状は、目の乾燥や異物感・目の痛み・まぶしさ・目の疲れなど慢性的な目の不快感です。ただし、どのような症状が出るかは人によって異なり、その程度もさまざまです。

ドライアイの自覚症状の診断には、以下のようなチェックリストが用いられることがあります。このうち、5つ以上当てはまる場合は、ドライアイの疑いがあるといえるでしょう。

  • 目が疲れる
  • 目が乾いた感じがする
  • 物がかすんで見える
  • 目に不快感がある
  • 目が痛い
  • 目が赤い
  • 目が重たい感じがする
  • 涙っぽい感じがする
  • 目がかゆい
  • 光を見るとまぶしい
  • 目がごろごろする
  • 目ヤニが出る

また、上記の自覚症状のほか、まばたきの頻度がドライアイの有無を判断する目安となることがあります。目を開いたまま10秒間まばたきを我慢できない場合は、ドライアイの疑いがあります。

ドライアイの自覚症状は、眼科医による他覚所見と必ずしも相関しないといわれています。そのため、ドライアイの診断は自覚症状と検査所見の双方から判断します。

眼科で行われるドライアイの検査には、涙の量を調べるシルマー検査や涙の安定性を調べる涙液層破壊時間(BUT)検査と呼ばれるものがあります。一般的につらい検査ではなく外来ですぐに受けられるので、ドライアイの症状に悩んでいる人は医療機関を受診するとよいでしょう。

ドライアイの原因の多くは加齢や生活環境であるといわれていますが、ほかの病気が原因となっていることもあります。このような場合、ドライアイのほかにも特有の症状が現れる場合があります。

通常のドライアイとは異なる治療が必要になることもあるので、ドライアイの症状のほかに気になることがある場合は、医療機関を受診して正しい診断を受けるようにしましょう。

ドライアイの原因となる目の病気のうち、代表的なものは以下のとおりです。

マイボーム腺機能不全

涙の成分には油分が含まれており、水分の蒸発を抑え涙を安定させる効果があります。マイボーム腺はまぶたの縁にある油分を出す器官で、マイボーム腺が詰まると油が出にくくなることがあります。加齢に伴って起こることが多いといわれる病気です。自覚症状はドライアイと似ており、まぶたの縁にでこぼこや赤みなどが見られることが特徴です。

結膜弛緩症

白目部分にあたる結膜が緩んでしまう病気で、主に加齢に伴って起こります。結膜が緩むことで涙が目の表面にとどまりにくくなるほか、緩んだ結膜とまぶたがこすれ合うことで目の表面が傷付きやすくなったり、涙っぽく感じたりします。

特徴的な症状としては目の異物感や流涙感のほか、見た目では白目部分にひだのようなたるみができ、波打ったように見えることがあります。

シェーグレン症候群

免疫機能の異常によって引き起こされ、自身の抗体が涙腺や唾液腺を破壊することで涙や唾液が少なくなる病気(指定難病)です。中年以降の女性に多く見られます。ドライアイの症状のほかに口の乾燥や鼻腔の乾燥が見られることがあり、乾燥の程度が非常に強くなることもあります。

スティーブンス・ジョンソン症候群

はっきりとした原因は分かっておらず、多くは薬剤などがきっかけでまれに起こると考えられている病気(指定難病)です。主な症状として口、鼻、目などの粘膜や全身の皮膚に赤みや水ぶくれ、ただれが生じ高熱やだるさも伴います。原則として入院での治療が必要となり、多くの場合は発症後の治療により回復しますが、場合によっては命を落とす危険性もあります。また、重度のドライアイや視力障害、まぶたと眼球の癒着などの後遺症が残ることも多くあります。早期治療が重要となるため、薬の服用後に目の充血や高熱、口の中のただれなどが生じた場合は早急に医師に相談するようにしましょう。

ドライアイの症状は多岐にわたります。正確な診断のためには病院で検査を受ける必要があるので、自覚症状が複数に及ぶ場合は医療機関の受診を検討するようにしましょう。また、ほかの病気が原因になっていることもあるため、目や全身の症状を軽視しないようにすることが必要です。

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