院長インタビュー

神奈川県西部の医療の要として、地域全ての方に質の高い医療を提供したい

神奈川県西部の医療の要として、地域全ての方に質の高い医療を提供したい
渡辺 雅彦 先生

東海大学医学部付属病院 整形外科 病院長

渡辺 雅彦 先生

神奈川県伊勢原市に位置する東海大学医学部付属病院は、地域の中核病院としてさまざまな医療ニーズに応えてきました。新型コロナウイルス感染症が5類感染症に位置づけられた今、同院は“地域完結型”の医療体制構築と“医療連携の再構築”を掲げた取り組みを始めています。

病院長の渡辺 雅彦(わたなべ まさひこ)先生に、同院の現状や強み、地域医療への思いを伺いました。

当院は湘南西部、県西部、県央部の約250万人を擁する地域に高度な医療を提供する特定機能病院です。また、近隣の開業医の先生方からも患者さんを多くご紹介いただき、他地域に行かずとも住み慣れた地域で医療を完結できる、地域の中核的な病院となっています。

さらに、当院は高度救命救急センターとして緊急を要する患者さんの受け入れ体制を整備しており、この地域の方々が安心して暮らせるよう体制を整えています。

特定機能病院である当院は、開院以来、先進医療をはじめとするさまざまな取り組みを行ってきました。特に再生医療に関しては1976年に日本初となる専門病棟を設置し、その後1982年には同種骨髄移植を成功させるなど、多くの取り組みを進めてきました。現在も新たな研究と臨床の結びつきを重視し、患者さんのための治療の進化を追求しています。
循環器分野においては現在、心血管治療用ガイディングカテーテル(手術用カテーテルを病変部に導くためのカテーテル)として世界中で利用される“IKARI curve(イカリ・カーブ)”を開発した伊苅 裕二(いかり ゆうじ)先生が当院循環器内科で臨床と研究にあたっています。
これらの実績の下、現在当院はがん診療連携拠点病院、造血幹細胞移植推進地域拠点病院、がんゲノム医療拠点病院などに指定されています。

もちろん、当院は新しい治療法の研究も盛んに行っています。たとえば、腎臓泌尿器科の小路 直(しょうじ すなお)先生の指導のもと先進医療Bの認定を受けた“高密度焦点式超音波療法を用いた前立腺癌標的局所療法”や、整形外科の佐藤 正人(さとう まさと)先生らが開発し同じく先進医療Bの認定を受けた“自己細胞シートによる軟骨再生治療”は、多くの患者さんのQOL向上に寄与するものと期待しています。

当院は湘南西部、県西部、県央部の中核的な病院として、医療圏全体をカバーする役割が求められています。そこで当院が特に力を入れてきたのは、各医療機関や関連組織との連携を深化させる“地域完結型”のビジョンです。この地域にお住まいの皆さんが必要とする医療サービスをこの地で完結させる。これは地域外への転院や別の医療機関を探す手間を減らし、患者さんやご家族の負担を軽減することを意味します。

しかし、2020年に始まった新型コロナウイルス感染症の流行は、地域の医療機関の方々との関係も変えてしまったと考えています。お互いに顔の見える関係が減少。この3年間で先生方の入れ替わりもあり、従来の関係性や人と人とのつながりが薄れつつありました。

そこで各診療科長の顔や趣味を地域のクリニックの方々に公開する活動を開始したところ、よりスムーズなコミュニケーションが取れるようになり、「このような症状で東海大学医学部付属病院に紹介してもよいのかな?」といった地域の先生方の心配も随分減ったと感じています。先生方との勉強会も、コロナ禍前に比べてだいぶ増えてきました。これからも地域医療連携をより活性化させるコミュニケーション方法を模索し続けていこうと考えています。

当院は高度救命救急センターとして、専門的な知識、技術、そして何より人命を救う使命感をもって救急医療の要請に応えるための体制を築いています。その一例が2002年から行っているドクターヘリの運用です。これによって広範囲な地域からの緊急患者さんの受け入れが可能となり、特に遠隔地からの重篤な患者さんの救命活動において、その価値を大いに発揮しています。

また、我々は“24時間365日断らない病院を目指す”をモットーとして掲げています。よくニュースで問題になる“患者さんのたらい回し”が起こることがないよう、救急の方々とも意見を交わし、今後も断らない高度救命救急センターであり続けます。

当院のモットーは、“患者さんの精神的な支えとなり、心あたたまる人間性豊かな病院を建設する”です。患者さんとの心の通ったコミュニケーションを通じて築かれた信頼関係があってこそ、よい医療が行われるのではないでしょうか。この考えのもと、スタッフの教育や研修を充実させており、これまで以上に患者さんに優しい病院でありたいと願っています。

また我々は、この地に開院してから約50年、東京や横浜に行かなくともお住まいの近くでどこにも負けない医療を提供してきた自負があります。これからも引き続き新しい治療法の導入、技術の進化に取り組み、お住まいの皆さんが安心して最後まで治療を受けられるような病院であり続けるよう努力していきます。

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  • 東海大学医学部付属病院 整形外科 病院長

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