院長インタビュー

幅広い機能を備える総合病院として地域住民を力強く支える上尾中央総合病院

幅広い機能を備える総合病院として地域住民を力強く支える上尾中央総合病院
徳永 英吉 先生

医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院 院長

徳永 英吉 先生

目次
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上尾中央総合病院は、1964年の開設以来、地域の人々のニーズに応えながら成長を続けてきました。上尾市を含む4市1町で構成される県央保健医療圏(以下、県央医療圏)の医療を力強く支える同院にはどんな特徴があり、どんな取り組みに力を入れているのでしょうか。院長の徳永 英吉(とくなが えいきち)先生にお話を伺いました。

上尾中央総合病院は、1964年12月に埼玉県上尾市柏座の上尾市立病院を引き継ぐ形で上尾中央医院として開設しました。当時は病床数11床の小さな病院でしたが、その後規模を拡大し、上尾中央総合病院として県の地域医療支援病院や災害拠点病院の承認や地域がん診療連携拠点病院の指定も受けるなど、幅広い機能を備える総合病院として日々成長を続けています。今では、病床数733床を備える総合病院となりました。

上尾市、鴻巣市、桶川市、北本市、伊奈町で構成される県央医療圏には3次救急に対応できる救命救急センターが存在しないため、2次救急対応が可能な当院は、県央医療圏における救急医療の中心的な役割を担っております。

2023年度(2023年4月〜2024年3月)には、1日平均で外来患者さん1,476名、入院患者さん601名、救急搬送22.8名を受け入れ、手術も月平均で646件行いました。当院に来られる患者さんは、県央医療圏の中でも上尾市と伊奈町にお住まいの方が多いのですが、埼玉県は医師不足が顕著で開業医も少ない、いわゆる医療過疎が進んでいる地域でもあります。当院にも医師不足の波は押し寄せつつありますが、地域医療を守り続けるため、できるだけ多くの患者さんを受け入れられる体制づくりに努めております。

また「当院の医療の質などを客観的に評価してもらった結果を公表することで、地域の皆さんにより信頼してもらえる病院となりたい」という思いから、当院では病院機能評価やISO 15189(臨床検査室の品質・技術能力評価の国際的規格)をはじめとした第三者機関による機能評価も積極的に受審しております。

先方提供

当院にはさまざまな診療科がありますが、中でも特筆すべき点の1つは、循環器内科や心臓血管外科における急性心疾患への対応です。たとえば、急性心疾患の患者さんが一刻も早く適切な治療を受けられるよう、2018年8月より心臓病専用救急車“モービルCCU”の運用を開始しました。さらに、患者さんが当院に搬送されてくる前に心電図を確認できるよう、心電図伝送システムのSCUNA(スクナ)を活用しております。

循環器内科・心臓血管外科ともに医師が常駐し、救急対応を含めて24時間365日体制で診療にあたってきました。このような取り組みにより、地域の方々が安心して生活できる環境づくりに尽力しています。

消化器外科では、消化器がんを中心に、上部消化管疾患や肝胆膵疾患、下部消化管疾患など幅広い消化器疾患に対応しています。当科では、開腹手術よりも傷あとが小さく入院期間も短期間で済む、体の負担が少ない手術の積極的な実施を心がけてきました。その方針を象徴するように、当科で行う手術の約80%はロボット支援下手術や腹腔鏡下手術(ふくくうきょうかしゅじゅつ)といった体に負担の少ない手術です。

耳鼻いんこう科・頭頸部外科(とうけいぶげか)では救急疾患から頭頸部がんまでの幅広い病気に対応してきました。私自身も当科に在籍しており、臨床の現場で頑張る医師たちの活躍ぶりを見守っています。

2022年12月には、ロボット支援下手術による中咽頭(ちゅういんとう)がんの手術を開始しました(適応には条件あり)。口腔(こうくう)内は狭く複雑な構造のため手術の難易度が高くなりますが、内視鏡を用いたロボット支援下手術ならば口腔内を拡大して立体的に捉えることができ、関節が3次元的に動くロボットアームで微細な動作ができるなど、手術の精度と安全性が向上しました。また従来の一般的な外科手術よりも、患者さんの喉の機能を温存できる可能性があります。頭頸部というのは会話や食事、匂いを感じるといった日常生活の満足度に直結する部位であるため、治療においてその機能をいかに温存できるかは非常に大切な視点です。

一般的に大学病院の機能としての3本柱は医療、教育、研究といわれています。我々は民間の病院ではありますが、3本柱の1つである“研究”の領域にも注力し、医学論文やレポートの作成と発表を積極的に行ってきました。

たとえ日々の業務や研究で重要な知見を得たとしてもそれを論文やレポートとして残さなければ、重要な知見も“当院の今在籍している者のみが知ること”となり、さらには“ほかに知る人が存在せず、なかったも同然の扱い”になってしまうこともあり得るのです。ただ目の前の業務だけを遂行する……もし、全ての医療機関がそんなやり方をすれば、日本の医療の進歩に重大な悪影響を及ぼすことになるでしょう。論文やレポートを発表することは当院のみならず、広く医療業界に有益な情報をもたらすという意義があります。そのため当院では、研究倫理に関するeラーニングプログラム(eAPRIN)を導入して職員に受講を推奨するとともに、患者さんの協力を得ながら臨床研究にも尽力しています。

当院は半世紀以上にわたって、上尾市および近隣の市町村の方々の健康や生命を守ることを使命として運営し、成長を続けてまいりました。今後もさらなる成長を続け、難しい症例や珍しい病気に苦しむ方にも「遠くの大病院に行かずとも、近くに上尾中央総合病院があるから大丈夫」と心から安心して来てもらえる存在になりたいと考えております。どなたにも良質な医療を提供し、地域の皆さんのご期待に応えられるよう努力してまいりますので、今後も変わらず、当院への温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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