おたふくかぜ

おたふく風邪

(流行性耳下腺炎)

最終更新日:
2020年07月03日
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2020/07/03
更新しました
2017/04/25
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症状

ムンプスウイルスに飛沫感染や接触感染で感染した後、2~3週間ほどの潜伏期間を経ておたふく風邪の症状が現れます。

おたふく風邪は、耳下腺の周りに炎症が生じることから発熱が生じることに加えて、突然耳の下が腫れたり同部に痛みを伴ったりするようになります。片側から腫れることが多く、1~2日ほどのタイムラグを経て反対側の耳下腺も腫れるようになります。片側あるいは両側に腫れが見られますが、両側が腫れることが多く、症状は一週間ほどで徐々に治っていきます。また、唾液を作る組織に炎症が起きているため、食事摂取(特に酸っぱいもの)により唾液分泌が亢進すると、耳の下や顎の下の痛みが強くなるという特徴があります。

ムンプスウイルスの周囲への感染力が高い期間は、発症数日前から発症後5日までといわれています。症状が必ず現れるわけではなく、およそ3割の子どもはムンプスウイルスに感染しても症状が現れません 。これを不顕性感染といいます。症状が現れない不顕性感染の人からも感染する可能性があるため注意が必要です。

おたふく風邪の合併症

おたふく風邪にはさまざまな合併症を伴うことがあり、“後遺症として残る”という観点から、難聴と不妊の2つはとても重要です。

難聴

おたふく風邪に伴う難聴はムンプス難聴と呼ばれています。ワクチン接種率が低いためにおたふく風邪の流行が多い日本では見過ごすことのできない合併症のひとつです。毎年、多くの子どもや大人が聴力を失っています。

聴覚障害は、主に片側が多いですが両側に難聴が生じることもあります。両側の耳が聞こえなくなると、言語を習得していない子どもでは、聞くことができないために言葉の発達に影響が及びます。部分的な聴力障害であったとしても日常生活に支障をきたすことがあります。ムンプス難聴の場合、聴力は回復することはなく、程度によって補聴器、人工内耳などが必要になります。主におたふく風邪になる機会が多い子どもで難聴が多いですが、その子育て世代の大人がおたふく風邪にかったことがなかった場合には、子どもから感染して難聴になることがあります。

不妊

成人期に感染したおたふく風邪は、しばしば性腺(精巣や卵巣)に炎症を生じます。発熱に加えて、腹痛や陰嚢(いんのう)の腫れ・痛みを伴います。片方の性腺だけのことが多いですが、両側に炎症が起きることもあります。両側に炎症が起こった場合、まれに委縮して不妊の原因になることがあります。

このほかにも、髄膜炎膵炎などを合併し、それぞれ頭痛や嘔吐、腹痛などを生じることがあります。これらの合併症は、おたふく風邪が治ったと思われる時期(すなわち、耳の腫れが治まりつつある時期)にも生じることがあります。おたふく風邪の経過中数週間は、合併症の発生にも注意を払うことが大切です。

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