びまんせいきょうまくひこう

びまん性胸膜肥厚

最終更新日:
2018年08月22日
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2018/08/22
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概要

びまん性胸膜肥厚(びまんせいきょうまくひこう)とは、肺を包む胸膜(きょうまく)線維化(せんいか)し厚くなっていく病気です。線維化が進行すると呼吸機能が低下します。

通常、肺は柔らかく、呼吸によって膨らみます。しかし、線維化が進行すると胸膜が厚くかつ硬くなり、肺が膨らまなくなってしまいます。その結果、呼吸が難しくなり、息切れなどの症状が現れます。

原因

びまん性胸膜肥厚の原因には、さまざまなものがあります。以下は、びまん性胸膜肥厚を引き起こす主な原因です。

  • アスベスト(石綿)
  • 感染症(細菌性膿胸結核胸膜炎
  • 膠原病(リウマチ性胸膜炎など)
  • 薬剤性線維性胸膜炎
  • 放射線治療後
  • 外傷血胸
  • 冠動脈バイパス術等の開胸手術後
  • 尿毒症性胸膜炎
  • 悪性腫瘍

症状

びまん性胸膜肥厚では、呼吸困難による息切れの症状が現れます。たとえば、歩いただけで息が切れるようになります。重症になると、酸素吸入などの治療を必要とすることが多くなります。

また、胸の痛みや、肺炎などの呼吸器感染が起こることもあります。呼吸器感染が起こると重症化しやすいといわれています。

検査・診断

胸部X線検査・CT検査

びまん性胸膜肥厚の診断では、胸部X線検査とCT検査が行われます。胸部X線検査の結果、両方の肺の側胸壁(肺の側面)の4分の1以上に胸膜肥厚があれば、この病気が疑われます。また、片方の肺のみの場合には、側胸壁の2分の1以上に胸膜肥厚があれば、この病気の可能性があります。

さらに、CT検査によって胸膜の線維化の状態を調べます。このCT検査によって似ている他の病気との鑑別が行われます。

原因を調べる検査

びまん性胸膜肥厚は、アスベストの吸入だけでなく、さまざまな原因で引き起こされます。原因を調べることにより、適切な治療が行われ、重症化を防ぐことも可能になります。

治療

軽症であれば経過観察

現時点では、びまん性胸膜肥厚を根本から治療する方法はみつかっていません。そのため、軽症であれば経過観察となり、風邪に注意するなど生活上の指導が行われます。

薬による治療

また、呼吸機能の低下によって自力で(たん)を出せなくなり、喉に痰がつまることがあります。そのような場合には、痰を出しやすくする薬によって治療が行われます。

在宅酸素療法による酸素吸引

重症化し、自力で酸素を吸うことができなくなると、在宅酸素療法(HOT)による治療が行われます。在宅酸素療法では、酸素供給装置からチューブを通して酸素を吸入します。

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