治療
現時点で、アルポート症候群に対する根本的な治癒療法はありません。しかしながら、蛋白尿を減らし腎障害の進行を遅らせることを目的に、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(リシノプリル、エナラプリルなど)やアンジオテンシン受容体拮抗薬(ロサルタン、カンデサルタンなど)の内服治療が広く行われています。また、これらの治療の腎障害の進行抑制効果がすでに証明されています。
腎障害の進行に伴って貧血、高血圧、骨ミネラル代謝異常、電解質(カリウム、ナトリウムなど)、浮腫などの慢性腎障害としての合併症が生じた場合は、それぞれの症状に対して対症療法を行います。末期腎不全に至った場合には、透析(血液透析・腹膜透析)や腎移植が必要となります。X染色体型の家系において、女性が生体腎移植のドナーになる場合は、その後の腎機能低下が問題になることがあるので、腎移植の専門家に相談するべきです。
医師の方へ
「アルポート症候群」を登録すると、新着の情報をお知らせします