症状
腎障害
幼少期から血尿が出ることが多く、患者の多くは3歳検尿や学校検尿をきっかけに診断されます。風邪をひいたときなどには肉眼的血尿(目で見て分かる血尿のことで赤褐色~緑褐色の尿が多い)が出ることがあります。血尿で発症し、やがて蛋白尿が出現し、次第に腎機能障害が進行します。
もっとも頻度が高く男性に多いX染色体性のタイプは、男性では約90%の患者が40歳までに末期腎不全(腎臓のはたらきが悪くなり透析や腎移植を必要とする状態)に進行します。末期腎不全になる年齢は10歳代と30~40歳代の二峰性を示します。一方、女性の場合でも、X染色体性の場合は40歳までに約10%の患者が末期腎不全に進行します。
常染色体潜性(劣性)型はもっとも予後不良であり、10~20歳で末期腎不全に進行し、常染色体顕性(優性)は比較的予後良好ですが、約20%の患者が50~60歳代で末期腎不全に進行します。
難聴
X染色体性の男性患者は10歳以降に感音性難聴を発症し、40歳代では80%に難聴を認め、難聴が進行した場合は補聴器が必要になります。一方、女性の発症率は20%程度です。常染色潜性(劣性)型では50%以上、常染色顕性(優性)型では、10%程度が難聴を呈します。
発症と進行の評価に定期的な聴力検査が必要です。
眼症状
眼症状としては、円錐水晶体、白内障、角膜変性、網膜病変などがみられ、視力低下や視界の障害をきたします。 X染色体連鎖型の男性患者の3分の1、常染色潜性(劣性)型で半数の患者が眼病変を合併します。
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