症状
ウイルス性髄膜炎を発症すると、髄膜での炎症反応を反映して頭痛や吐き気、嘔吐、易刺激性(ささいなことですぐに不機嫌になる性質)、光に対しての過敏性、意識障害などの症状が現れます。また、発熱や倦怠感、食欲低下、哺乳力の低下なども同時に起こることがあります。こうした症状はウイルス性髄膜炎だけにみられるというわけではなく、髄膜炎に広くみられる症状です。
ウイルス性髄膜炎はさまざまなウイルスが原因で発症するため、髄膜炎症状(頭痛や吐き気など)以外の症状に注目することが大切です。エンテロウイルスに関連したものであれば、下痢や腹痛、皮膚の発疹や口内炎などがみられます。ムンプスウイルスの場合は、流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の原因ウイルスであるため、耳下腺の腫れがみられます。インフルエンザウイルスが原因であれば、全身倦怠感や筋肉痛が全面に出たり、咳や痰などの気道系の症状が現れたりします。水痘帯状疱疹ウイルスが原因であれば、水疱瘡や帯状疱疹特有の皮疹がみられます。
ウイルス性髄膜炎は、一般的には1週間ほどの経過で治癒することの多い病気です。しかし、まれに非常に重い経過を辿ることがあります。単純ヘルペスウイルスに関連する中枢神経感染症では、髄膜炎や脳炎など命にかかわる可能性のある症状がみられることがあり、治癒した後も何かしらの後遺症を残すことがあります。
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