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ソトス症候群
ソトス症候群とは、先天的な遺伝子異常を原因とし発症する症候群の一つであり、年齢と比較して過剰な身長や頭の発達(過成長と呼びます)や発達の遅れを特徴とします。 遺伝子異常に起因する病気は、出...
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ソトス症候群そとすしょうこうぐん

更新日時: 2017年04月25日【更新履歴
更新履歴
2017年04月25日
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概要

ソトス症候群とは、先天的な遺伝子異常を原因とし発症する症候群の一つであり、年齢と比較して過剰な身長や頭の発達(過成長と呼びます)や発達の遅れを特徴とします。

遺伝子異常に起因する病気は、出生後もしくは出生前から診断されるものも多いですが、ソトス症候群の診断は生後数か月や幼児期になってから、過成長や発達の遅れ(首の座りや歩くのが遅い、発語が遅れるなど)をきっかけとして初めて診断されることも多いです。

成長発達面以外にも、ADHDやかんしゃく、けいれんや心臓、腎臓、眼、骨格系などの合併症を併発することも知られており、多角的な側面を通してのアプローチが必要です。過成長は年齢と共に落ち着く傾向があり、発達面もゆっくりながら成長と共に認めます。

ソトス症候群をもっていないご両親のお子さんに認めることもあり、日本においては1〜2万人に1人の発生率と考えられています。

原因

ソトス症候群では、NSD1遺伝子と呼ばれる遺伝子の異常が原因です。正常なNSD1遺伝子は、ある特定の遺伝が必要に応じて適切にはたらくように調整するはたらきをしています。しかしソトス症候群の患者さんでは、NSD1遺伝子の一部分が失われていたり、その機能がなくなるような変異が生じたりしています。

しかしすべての患者さんにおいて同遺伝子異常が認められる訳ではなく、NSD1遺伝子以外の関与がソトス症候群を引き起こしていることも疑われています。多くのソトス症候群は突然発症であり、ご両親がソトス症候群でなくてもソトス症候群のお子さんが出生する可能性があります。

しかし、ご両親がソトス症候群の方の場合、50%の確率でNSD1遺伝子異常がお子さんに伝わりソトス症候群を発症する可能性があります。

症状

ソトス症候群は、過成長、発達面の遅れ、特徴的な顔貌、の三つで特徴付けられます。

過成長

出生時から体つきや頭が大きく、幼少期は特に同じ年齢のお子さんと比較しても身体の大きさが目立ちます。年齢と共に過成長は落ち着く傾向にありますが、最終身長も平均よりは高くなることが多いです。

発達面

発達面の遅れは、運動面・精神面に見られます。お座りが遅れたり、寝返りが遅れたり、歩くのが遅れたりしますが、最終的にはこれらの運動は達成されることが多いです。

また手先の器用さなども遅れることが多く、ものをつかんだり遊んだりするのが苦手であったりします。筋肉の発達がうまくいかずに、哺乳面も遅れることもあります。中には経口哺乳がうまくいかずに、チューブで栄養を取らざるをえないこともあります。

発語面でも遅れることが多く、筋肉の発達と共に徐々に発語も認めるようになります。 そのほか精神面も含めて、日常生活に支障を来しうるものをみることがあります。例えば、ADHDを見ることもあり、衝動性や落ち着きのなさから集団生活になじめない可能性もあります。また、かんしゃくを起こすことがあったり、突発的な感情変化を見ることもあります。

特徴的な顔貌

出生後からの特徴として、頭が大きいこと、前頭部の突出、前頭部の毛髪線の後退などがあります。こうした特徴は幼児期以降も引き続き認められます。

そのほか臓器面の特徴

そのほか、各種全身臓器に関連しての合併症をみることもあります。具体的には、心臓合併症(動脈管開存症、心室中隔欠損症)、腎泌尿器合併症(水腎症、膀胱尿管逆流、尿路感染症、腎形態異常)、けいれん、側弯(背骨の曲がり)などです。

また、耳の合併症(中耳炎、聴覚障害)、眼の合併症(屈折異常、斜視)、歯科的症状(早期萌出、歯肉炎、何本かの永久歯欠損、歯並びの問題)をみることもあります。これらの症状は乳幼児期に問題になるものも確かにありますが、幼児期、学童期、成人になってから問題になるものも多くあります。

検査・診断

ソトス症候群を引き起こすNSD1遺伝子異常は、日本人においてはほかの人種と比較して違いがあることが多いことが知られています。すなわち日本人では遺伝子の一部分が失われている「欠失」というタイプの遺伝子異常が多いです。

このことを反映して日本人には、欠失部位を検索するために、血液を用いた「FISH法」と呼ばれる検査が行われることがあります。一部の方では、遺伝子の欠失がおきていなく、FISH法では確認できないこともあります。その場合は、さらに「シークエンス法」と呼ばれる方法が検討されることもあります。

治療

ソトス症候群の治療は、症状に応じた対症療法が中心になります。乳児期のころは、哺乳障害が問題になることもあります。経口哺乳が取れない場合には、チューブ栄養が行われることもあります。心疾患や腎泌尿器系の異常が乳児期早期に問題になることもあり、内服薬や手術的な治療介入を行うことがあります。

幼児期以降はけいれんが発生することも多く、抗けいれん薬を使用することもあります。歯や骨格、眼に異常をきたすこともあるため、各種診療科と連携の上、治療介入が行われます。

また、運動発達面の遅れに対しては、理学療法や作業療法を取り入れ成長を促します。療育への連携をはかるために、作業療法や言語指導が行われます。ADHDなどを合併することもあるため、周囲の環境も交えたサポート体制が必要とされることもあります。