原因
チアノーゼには中枢性チアノーゼ、末梢性チアノーゼ、血液性チアノーゼの3種類があり、種類によって原因は異なります。
中枢性チアノーゼ
動脈を流れる血液中の酸素量が減ることで引き起こされるチアノーゼです。指先など体の一部ではなく、全身にチアノーゼが現れます。原因としては、呼吸機能障害や生まれつきの循環器疾患、高地環境でのトレーニングなどによる酸素量の不足などが挙げられます。
呼吸機能障害の例
- 乳幼児期の泣き入りひきつけ
- 新生児一過性多呼吸
- 重症な気管支喘息、肺炎
- 呼吸窮迫症候群*
- 気道異物
*呼吸窮迫症候群:肺を膨らませる肺サーファクタントという物質が不足しているために生じる呼吸器疾患。
生まれつきの循環器疾患の例
など。多くはチアノーゼ性心疾患と呼ばれます。
末梢性チアノーゼ
毛細血管の血流が遅くなったり、末端への血液循環量が減ったりすることで引き起こされます。指や爪、鼻先などの末端部のみにチアノーゼが現れるのが特徴です。
具体的な原因としては、低心拍出症候群、低血糖、赤血球増多症、レイノー現象、末梢動脈疾患、血栓性静脈炎などの病気が挙げられます。病気がない場合でも、寒い環境にいると末梢血管の循環が悪くなるため、末梢性チアノーゼが引き起こされることがあります。
血液性チアノーゼ
ヘモグロビンの異常により、チアノーゼが現れるものを血液性チアノーゼといいます。
多くの場合、血液中に酸素を運搬することができない異常なヘモグロビン(メトヘモグロビン)が増加する“メトヘモグロビン血症”が原因となって生じるといわれています。メトヘモグロビン血症は、生まれつき発症している場合もありますが、窒素肥料などに汚染された井戸水や薬の副作用で引き起こされることがあります。また乳児は体質的にメトヘモグロビンが増えやすく、血液性チアノーゼが生じやすいとされています。
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