にきびあと

ニキビ跡

※この用語は、医学的には病名ではない場合、もしくは病名として認められつつある段階である場合があります。また、医療や身体にまつわる一般的な用語を掲載している場合があります。

最終更新日:
2021年03月23日
Icon close
2021/03/23
掲載しました。
この病気の情報を受け取るこの病気は登録中です

処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

医師の方へ

概要

“ニキビ跡”とは、にきびができた部位に残るあとのことです。ニキビ跡は炎症が強いにきびの後にできやすいですが、軽症なにきびでも肌の体質によってできてしまうこともあります。

にきびは、医学的に“尋常性ざ瘡”と呼ばれる皮膚の病気の1つです。皮脂腺のある毛穴が詰まることがきっかけで発症します。発症したばかりのときは、小さな発疹(ほっしん)が生じるのみですが、毛穴内の炎症が強くなると赤みを帯びて痛みを伴ったり、が流出したりするようになります。悪化したにきびは毛穴の周囲の正常な組織にも炎症が波及し、抉られるようにダメージが広がっていきます。このような状態になったにきびはダメージを受けた組織が完全に修復されないため、治った後もクレーターのようなへこみが生じます。また傷あとが残りやすい体質の人は、ニキビ跡が赤く盛り上がりケロイドのような状態になるケースも少なくありません。

ニキビ跡は自然に治ることがほとんどのため、基本的に治療を行う必要はありません。しかし目立つ状態の場合など、美容上の問題となる場合は患者の希望に合わせて治療を行うこともあります。

原因

ニキビ跡は炎症の強いにきびができたり、にきびをつぶしたりすることで皮膚の深層にまでダメージを与えることが原因で引き起こされます。

にきびは、皮脂腺のある毛穴が詰まることで生じる皮膚の病気です。そこでの炎症が軽度な場合は、詰まった毛穴が盛り上がるようにして小さな皮疹が形成されるのみですが、炎症が悪化すると詰まった毛穴内にが溜まるようになります。このような段階にまで進行したにきびは、周囲の正常な皮膚の組織にもダメージを与えながら炎症が広がっていきます。そして、治った後もダメージを受けた組織は完全に修復されず、穴が開いたようないわゆる“クレーター跡”が残るのです。

また、軽度な炎症のにきびであっても、手でつぶしたり、過度な刺激を与えたりすることで皮膚の組織にダメージを与えて、あとを残してしまうことも少なくありません。

そのほか体質的・遺伝的に傷あとが残りやすい人や、傷あとが悪化しやすい人なども、ニキビ跡ができやすいとされています。

症状

多くのニキビ跡は、毛穴とその周囲の皮膚の一部が抉れたようなあととして残ります。時間が経過すれば皮膚のでこぼこ以外に症状はありませんが、早期段階では炎症が続いていることも多く、かゆみ・痛み・発赤などの症状が現れることもあります。また、色素沈着を引き起こすケースも少なくありません。

一方で、傷あとが残りやすい体質の人は、軽度なにきびのあとでも赤く盛り上がった硬い組織が増殖する“肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)”や“ケロイド”が形成されることもあります。

検査・診断

ニキビ跡は、にきびができた状態や重症度、皮膚の“見た目”などから容易に診断することができます。そのため、特別な検査は必要ないことがほとんどです。

しかし、ニキビ跡が炎症を起こしているような場合には、などの分泌液を採取して炎症の原因となっている細菌の種類を調べる検査を行うこともあります。

治療

ニキビ跡は基本的に治療の必要がありません。しかし、顔の目立つ部位に多発するなど美容上の大きな問題となっているケースでは治療を行うケースも少なくありません。

具体的には、重症度などに応じて次のような治療が行われます。

薬物療法

皮膚の一部が抉れるように形成されたニキビ跡の場合、薬のみで改善するのは困難なことがほとんどです。しかし、にきびのあとに硬い組織が増殖することで生じる肥厚性瘢痕ケロイドは炎症を抑える作用のあるステロイドの塗り薬、貼り薬、局所注射、などを行うと改善することがあります。

ケミカルピーリング

皮膚表層の角質層を薬剤で柔らかくして取り除き、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)を促す治療です。古い角質層が除去されることで、肌に弾力性が生まれ、軽度なニキビ跡のへこみであれば目立ちにくくなる可能性があります。また、色素沈着が目立ちにくくなるため、赤みのあるニキビ跡には適した治療です。

レーザー治療

皮膚のターンオーバーを整えたり、赤みや色素沈着を分解したりする作用のレーザーを用いた治療が行われることがあります。軽度なニキビ跡であれば改善する見込みはありますが、へこみが大きいケースでは高周波や炭酸レーザーなど皮膚のリモデリングを必要とする治療が有効です。

手術

薬物療法などを行っても改善しない肥厚性瘢痕やケロイドが形成されたニキビ跡では、手術によって病変を切除する治療が必要になることがあります。

しかし、体質的に傷あとが残りやすい人は手術をしたあとが再び傷あととして目立つようになることもあるため手術を行うか否かは慎重に決定することが必要です。

予防

ニキビ跡を予防するには、にきびの発生自体を予防すること・にきびができた段階で適切な処置を行うことが大切です。

具体的には、日ごろから皮膚を保湿して余分な皮脂の分泌を抑える、睡眠をとる、ストレスや疲れをためずに肌の正常なターンオーバーをキープすることなどを心がけましょう。

また、にきびができたときは気になったとしても潰してしまうのは禁物です。洗顔や保湿を徹底するだけでなく塗り薬などを使用して、にきびの炎症が強くなる前に改善するようにしましょう。

医師の方へ

医師向けの専門的な情報をMedical Note Expertでより詳しく調べることができます。

この病気を検索する

「ニキビ跡」を登録すると、新着の情報をお知らせします

処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

関連の医療相談が6件あります

※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。