まいぼーむせんきのうふぜん

マイボーム腺機能不全

同義語
MGD
最終更新日:
2022年03月30日
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2022/03/30
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概要

マイボーム腺機能不全とは、まぶたの内側にあるマイボーム腺という脂腺がうまく機能しない状態を指します。

マイボーム腺からは脂質が分泌され、涙液の蒸発を防いだり、涙液の安定化を促進したり、涙液が皮膚に流れるのを防いだり、潤滑油としてまばたきの摩擦を減らしたりするはたらきがあります。

そのため、マイボーム腺の機能に異常をきたすとこれらのはたらきがうまく行われず、目の不快感、異物感、圧迫感、乾燥感などの症状がみられるようになります。

マイボーム腺機能不全には“分泌減少型”と“分泌増加型”に大きく分けられ、症例数としては分泌減少型が圧倒的に多く、分泌減少型ではマイボーム腺からの脂質の分泌量が減ることからドライアイの原因となります。

日本におけるドライアイの患者数は約2,200万人といわれ、ドライアイ症状を訴えて眼科を受診する人の多くでマイボーム腺機能不全が原因になっているとされています。

原因

上述のとおり、マイボーム腺機能不全には“分泌減少型”と“分泌増加型”に大別されます。また、さらに“原発性(腺自体の病変によるもの)”と“続発性(病気に続発するもの)”とがあり、それぞれで原因が異なります。

分泌減少型の原発性には閉塞性、萎縮性、先天性があり、これらの中でもっとも多いのが閉塞性です。加齢などによってマイボーム腺の導管内に過剰な角化物が蓄積して詰まってしまい、その結果としてマイボーム腺からの脂質の分泌量が減少します。

分泌減少型の続発性においては、アトピー、スティーブンス・ジョンソン症候群、移植片対宿主病、トラコーマなどの病気を原因として起こります。一方、分泌増加型の続発性では眼感染症や脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)などによって引き起こされると考えられています。

症状

日本人のマイボーム腺機能不全のほとんどを占める分泌減少型では、目の不快感、異物感、圧迫感、乾燥感などの症状がみられることがあります。

また、マイボーム腺はまぶたのまつ毛の生え際より少し内側に点在し(上まぶたに約30〜40個ほど、下まぶたに約20〜30個ほど)、腺の開口部周囲の異常を認めることもあります。

見た目の異常として、開口部周囲の充血、開口部周囲に白いものが付着している、まぶたの縁が所々へこんで不整なラインになるなどが挙げられます。

マイボーム腺の開口部が詰まることで霰粒腫(さんりゅうしゅ)、マイボーム腺の感染によって麦粒腫ものもらい)が生じることがあり、この場合にはまぶたの縁が赤く腫れます。麦粒腫では痛みを伴う場合もあります。

検査・診断

マイボーム腺機能不全では、自覚症状、マイボーム腺開口部周囲の異常所見、開口部の閉塞所見によって診断されます。

開口部の所見は細隙灯(さいげきとう)顕微鏡などを用いて確認します。また、医師がまぶたを指で圧迫してマイボーム腺からの脂質分泌の程度を調べることもあります。

治療

マイボーム腺機能不全の主な治療として、温罨法(おんあんぽう)、抗菌薬の点眼・内服、光線を用いたIPL(Intense pulse light)治療があります。

温罨法ではまぶたを温めることでマイボーム腺の詰まりを緩和させます。温めたタオルなどで簡易的に行う方法のほか、医療機関では専用の機器を用いて行うこともあります。抗菌薬は感染が原因になっている場合に用いられます。

IPLは光源を用いた治療で、特殊な光を照射することでマイボーム腺を刺激します。主に顔のしみやそばかすにきび跡など対して行われている治療ですが、マイボーム腺機能不全に対しても血管の炎症をなくしてマイボーム腺からの脂質の分泌を増やす効果が認められています。

ただし、現在のところマイボーム腺機能不全に対するIPL治療の保険適用はなく、自費診療となります。

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