ろたういるすかんせんしょう

ロタウイルス感染症

別名:ロタウイルス下痢症
大腸・小腸

目次

項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

概要

ロタウイルス感染症とは、ロタウイルスに感染することによって生じる胃腸炎のことです。

ロタウイルスには、ほぼすべての小児が3~5歳になるまでに感染するといわれています。生後3か月以前の感染では無症状のことが多く、それ以降に感染すると何らかの症状を呈します。

何度も感染する可能性もありますが、感染の回数を重ねるごとに症状が軽くなるため、年長児や成人で重症化することはほとんどありません。

原因

ロタウイルスが糞口感染や接触感染によって体内に入ると、小腸の絨毛という部分に感染します。ロタウイルスは感染地となった小腸の絨毛構造を破壊してしまいます。絨毛には、糖を消化したり、アミノ酸や脂肪などを吸収したりするはたらきがあり、この機能が失われることで正常な消化・吸収が行われずに下痢を生じるのです。

また、ロタウイルスが腸管の運動神経を活発化させることで、蠕動運動が異常に亢進する結果、大腸での水分吸収が十分に行われずに下痢になるとの考え方もあります。

症状

感染後、1~3日の潜伏期間を経て下痢が生じます。その後に嘔吐を伴うこともありますが、いずれも突然発症します。便は水様で、白い便が出ることもあります。症状は3~7日で改善することがほとんどです。

39度以上の高熱が出ることも珍しくなく、生後間もない小児は高度の脱水になることがあります。小児の感染性胃腸炎による入院の半数以上はロタウイルス感染症によるものです。

特に急性腎不全や、まれに脳炎やけいれんなどの合併症を生じることがあるため注意が必要です。けいれんは難治性で、後遺症を残すケースが多いというデータもあります。

検査・診断

ロタウイルス感染症の診断は、簡易検査キットを用いて行うことが可能です。これは専門機関で行う便検査よりも、はるかに簡易的に行うことができる検査といえます。

また、脱水などの全身状態を評価するために血液検査が行われることも多いです。血液検査では、炎症反応が有るかどうかということや脱水所見、肝機能などを調べます。

治療

ロタウイルスに対する有効な抗ウイルス薬はなく、脱水症状の改善や解熱などを試みながら症状が治まるのを待つしかありません。抗菌薬には効果がなく、下痢止めはウイルスの排出を妨げ、脳炎などの重い合併症を引き起こすことがあるため禁忌とされています。

重篤な合併症が生じたときには、脱水に注意しながらその症状に合った治療を早期に開始する必要があります。

予防

日本では(2017年現在)、2種類のロタウイルスのワクチン(単価と5価)が承認されています。いずれも任意で接種を受けることが可能です。

対象者はいずれのワクチンも乳児であり、単価ロタウイルスワクチン(2回接種)の場合は生後6~24週の間、5価ロタウイルスワクチン(3回接種)の場合は生後6~32週の間です。ただし、どちらも1回目の接種は14週6日までが推奨されます。

重症化予防効果、脳炎などの重い合併症を防ぐ効果があるとされています。

「ロタウイルス感染症」に関連する他の記事
もっと見る