ていあるぶみんけっしょう

低アルブミン血症

最終更新日:
2023年12月28日
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2023/12/28
更新しました
2018/09/11
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概要

低アルブミン血症とは、血液中に含まれるアルブミンというタンパク質の濃度が低下する病気のことです。血液中のアルブミンは、血管内と血管外の水分バランスを維持し、カルシウムなどの電解質や酵素、ホルモンなどさまざまな物質と結合してこれらを全身に運搬するはたらきを担っています。そのため、アルブミン濃度が低下すると血管外に水分がたまりやすくなり、お腹や胸に水がたまるようになります。

低アルブミン血症は、肝臓や腎臓の機能低下、出血、がんなどさまざまな原因によって引き起こされます。低アルブミン血症を発症した場合は、まず原因となる病気や外傷などの治療を行うことが優先されますが、重症な場合には血管内を流れる水分量を保持するためにアルブミン製剤の投与が必要になることも少なくありません。

原因

低アルブミン血症は血液中のアルブミン濃度が低下する病気です。アルブミンはタンパク質の一種であり、肝臓で作られて腎臓から排出される性質があります。そのため、肝硬変や肝臓がんなど肝機能が低下する病気によって産生量が低下したり、ネフローゼ症候群などによって腎機能が低下し、アルブミンが過剰に排出されたりすることが原因となり発症します。

また、胃炎クローン病潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)などによってタンパク質が胃腸の粘膜から漏れ出す“蛋白漏出性胃腸症”も原因となります。

そのほかにも、大量の出血、大量輸液による血液の希釈(薄まること)、がん敗血症など過剰にタンパク質が消費される病気が原因となることもあり、原因は多岐にわたります。

症状

血液中のアルブミンは血管内と血管外の水分バランスを維持し、電解質やホルモン、酵素などと結合して全身に運搬するはたらきがあります。

アルブミンは水分を引き寄せるはたらきがあるため、低アルブミン血症に陥ると血管内の水分が血管外に移動するため、体内を循環する血液量が減少して血管外に水分がたまるようになります。その結果、むくみを引き起こし、重症の場合にはお腹や胸に水がたまるようになるのです。

また、血液量が減少することで血圧の低下や頻脈などを引き起こすこともあります。重症の場合では呼吸困難やショック状態に陥ることも少なくありません。

一方、アルブミンはさまざまな物質を運搬するはたらきも担うため、低アルブミン血症では電解質異常などの症状が生じます。

検査・診断

低アルブミン血症が疑われる場合には次のような検査が行われます。

血液検査

血中のアルブミン濃度を測定するために血液検査が必須となります。

また、低アルブミン血症は肝臓や腎臓の病気など原因が多岐にわたるため、原因を探るためにも血液検査が必要です。

画像検査

血液検査などで異常がみられた場合は、X線検査(レントゲン検査)、CT検査、超音波検査などによる精密検査が必要となります。

また、低アルブミン血症は重症の場合にはお腹や胸に水がたまるようになるため、病状を把握するためにX線検査や超音波などの画像検査を行うこともあります。

尿検査

低アルブミン血症の原因がネフローゼ症候群など腎臓の病気であると考えられる場合は、尿中のタンパク質やアルブミン量を調べる検査を行います。

治療

低アルブミン血症は多岐にわたる原因によって引き起こされる病気です。治療の第一優先は、原因となる病気や外傷の治療を行って状態を改善することとされています。しかし、原因となる病気や外傷の治療を行っても低アルブミン血症が改善されない場合や、大量出血などによって急激に発症した場合などは血液製剤(献血から作られる薬剤)の一種であるアルブミン製剤や代用血漿薬(だいようけっしょうやく)であるヒドロキシエチルデンプン製剤・デキストラン製剤の投与が検討されます。

予防

低アルブミン血症は原因が多岐にわたりますが、発症を予防するにはそれぞれの病気を予防する対策が必要です。

また、ネフローゼ症候群など予防が困難な病気が原因になることもあるため、何らかの体調の異常を感じた場合は放置せずに医師の診察を受けることも大切です。

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