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ないしきょうかついかんばんてきしゅつじゅつ

内視鏡下椎間板摘出術

同義語
MED
監修:

概要

内視鏡下椎間板摘出術(Micro Endoscopic Discectomy:MED)は、主に腰椎椎間板ヘルニアに対して行われる体への負担が少ない手術(低侵襲手術(ていしんしゅうしゅじゅつ))です。20mm程度の皮膚切開から内視鏡を挿入し、モニターで拡大された視野を確認しながらヘルニアや椎間板の一部を摘出します。従来の手術に比べ筋肉へのダメージが少なく、術後の痛みの軽減や早期の社会復帰が可能と考えられています。

MEDは1997年に海外で開発された方法で、日本でも低侵襲な脊椎内視鏡手術の1つとして広く行われています。入院期間は通常4日~1週間程度であり、手術後3か月ほどコルセットを装着して生活します。

2026年現在、脊椎に対する手術の選択肢としてはMEDのほか、完全内視鏡下脊椎手術(FESS)や2孔式内視鏡下手術(UBE/BESS)などの内視鏡手術が行われており、病気の程度や患者さんの体の状態などに応じて使い分けられています。

目的・効果

腰椎椎間板ヘルニアによって椎間板の一部が脱出し、神経が圧迫されると、脚の痛みやしびれ、麻痺、筋肉の脱力などが引き起こされます。薬物療法や安静、理学療法などの保存的治療では症状が改善しない場合、手術によってこれらの症状の改善を図ります。特に、歩行が困難になっている場合や、排尿・排便に支障をきたしている場合などは早めに手術が検討されます。

MEDの主な目的は、ヘルニアや椎間板の一部を摘出し、圧迫されている神経の通り道を広げる“除圧(じょあつ)”により、症状の原因となっている物理的な圧迫を取り除くことです。MEDによって脚の痛みやしびれなどを解消することが、歩行や排尿・排便などの機能回復につながります。

適応

MEDの適応となるのは、腰椎椎間板ヘルニアです。頭側や尾側に移動(migration)したヘルニアや、椎間孔内~外側に及ぶあらゆるタイプのヘルニアに対して、幅広く対応が可能な術式です。腰椎椎間板ヘルニアは1~3か月で自然治癒することもある病気のため、一般的には保存的治療を行っても改善しない激しい痛みや、歩行困難などの症状がみられ、通常の生活を送ることが難しい場合が対象となります。排尿や排便障害、筋力低下が生じている場合は早期の手術加療が推奨されます。

リスク

MEDは低侵襲な手術のため、一般的に術後の痛みは少ないといわれています。ただし、神経(脊髄(せきずい))を包む膜が傷つく“硬膜損傷”や、神経損傷、術後の血腫による神経圧迫、感染などの合併症が生じる可能性があります。硬膜損傷が生じると、脊髄の中を流れる髄液(ずいえき)が漏れ、術後に頭痛めまいなどが引き起こされます。手術部位に血液がたまる“術後血腫”が神経を圧迫した場合には、脚の痛みや麻痺が生じ、まれに手術が必要となることもあります。手術後に異変を感じた場合は、すぐに医療機関に連絡しましょう。

また、手術後に症状が再発し、再手術となる場合もあります。再発については、椎間板の位置が高い場合や可動性が大きい場合などの骨格的なリスクだけでなく、喫煙糖尿病などもリスク要因のため、術後の生活習慣の改善が重要です。

治療の流れ

一般的な流れは以下のようになりますが、詳細なスケジュールは医療機関に確認しましょう。

手術前日(入院日)

手術前日に入院します。食事は夕食まで可能です。

手術当日

手術前に食事を取ることはできません。手術は全身麻酔下で行われ、背中にあけた20mm程度の皮膚切開から筒状の器具を挿入し、その中を通した内視鏡を見ながら病変を摘出します。手術終了後は数時間安静にし、腸の動きが確認された後は食事や飲水が可能です。

術後1日目

手術翌日からコルセットを装着して歩行訓練や日常生活での姿勢・動作の練習を開始します。

術後2~4日目

多くの場合、術後2~4日程度で退院となります。術後の入院期間中は、理学療法士による立位訓練や歩行訓練のほか、日常生活での注意点、コルセットの着用方法について指導が行われます。

治療後の経過

退院後は、デスクワークなどの軽作業は術後2~3週間以降、スポーツや肉体労働への復帰は、医師の診断のもと術後2~3か月以降が目安となります。

腰椎椎間板ヘルニアの場合は再発予防のため、術後3か月程度はコルセットの着用が推奨されています。椎間板への負担となる動作(長時間座り続けること、重い物の持ち運びなど)や、喫煙を避けましょう。ストレッチや筋力強化訓練などのリハビリテーションも継続して行われます。

費用の目安

MEDは健康保険が適用される治療法です。入院日数や使用する薬、個室利用の有無などによって変動しますが、3割負担の場合に窓口で支払う費用は25~30万円程度となります。

なお、高額療養費制度を利用することで、年齢や所得に応じて1か月(1日~月末まで)の自己負担額を抑えられる可能性があります。ご自身が加入している公的医療保険(健康保険協会や市区町村など)の窓口で確認してみましょう。

最終更新日:
2026年08月27日
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2026/08/27
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