治療
劇症肝炎では、原因に対する治療と、肝臓を守るための治療の2つが重要となります。
劇症肝炎の原因としてもっとも多いB型肝炎の治療では、核酸アナログ製剤であるエンテカビルの経口投与や、インターフェロン アルファを併用した抗ウイルス療法などを行うのが一般的です。薬物性肝障害や自己免疫性肝炎では、点滴により副腎ステロイド薬を短期的に大量投与します。
また、肝臓の機能が低下すると体に必要な物質が十分に合成されず、有害物質を解毒できなくなってしまいます。そのため、原因にかかわらず血漿交換療法や血液透析療法を行い、体外に血液を循環させて、体に必要な物質を補充し有害物質を除去します。劇症肝炎では高い頻度で全身の臓器に障害が起こることから、全身管理や合併症に対する治療も重要です。
このような治療を行っても肝機能が回復しない場合には、肝移植を行います。肝移植は脳死者の肝臓を用いる場合と、近親者の肝臓の一部を用いる場合の2通りがありますが、日本では後者が広く行われています。
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