検査・診断
心筋梗塞が疑われる場合は早急な治療が必要になるため、次のような検査が迅速に行われます。
心電図検査
心臓の電気的な動きを、体表面に装着した電極が読み取って波形として記録する検査です。心筋梗塞による心筋へのダメージが生じると、特徴的な波形の心電図となるため心筋梗塞の可能性も迅速かつ簡便に調べるのに適した検査といえます。
また、心電図検査の結果からは、冠動脈が閉塞した部位を大まかに予測することも可能です。
血液検査
心筋のダメージの程度などを調べるために行う検査です。心筋梗塞が疑われた場合はほぼ全ての例で行われ、治療後も経過を評価するために繰り返し実施されます。
心臓超音波検査
心臓の動きや心臓が血液を送り出す機能の程度などを調べることができる検査です。体に負担をかけずに簡便に行うことができるため、救急搬送時などに迅速に行うことが多々あります。
心筋梗塞では冠動脈が閉塞した部位によって心筋にダメージが生じる部位が異なるため、超音波検査で心臓の動きを観察すればどの部位に閉塞が生じているか予測することが可能です。
冠動脈造影検査
足の付け根や腕などの太い動脈からカテーテル(医療用の細い管)を挿入して心臓まで至らせ、カテーテルから血管を描出しやすくする造影剤を流し込むことで冠動脈の状態を詳しく調べる検査です。閉塞が生じている部位や程度などが分かるため、治療方針を決めるうえでも役立ちます。
また、心筋梗塞の多くはカテーテル治療を行うため検査と治療を同時に行うのが一般的です。
医師の方へ
心筋梗塞の概要、診断方針、治療方針をまとめて確認することができます。
Medical Note Expertでしか読めない、学会や医局の最新医療知見を得ることができます。
【第21回日本再生医療学会レポート】臨床応用段階に入った「心筋球移植」――数々の課題を克服した技術開発(2500字)
約20年にわたり多くの研究者が取り組んできた重症心不全患者に対する培養細胞由来の心筋移植による心臓再生療法が、ついに臨床応用できる段階に到達した。第21回日本再生医療学会総会(2022年3月17~19日)において、慶應義塾大学医学部循環器内科 教授 福田 恵一氏が移植に関する課題を克服した「iPS心
【インタビュー】密接になるがんと心疾患――腫瘍と循環器の専門医 連携が必要(700字)
近年、がんと循環器は非常に密接になってきている。たとえば、近年小児がんは7割以上が治るが、がんを克服した子どもは、大人になると普通の人の10倍から20倍も心筋梗塞や心不全になりやすいことが知られている。したがってがんが治ったからといって安心してはいられず、がんの完治後も心機能が低下していないか、定期
「心筋梗塞」を登録すると、新着の情報をお知らせします