とけいさらつめ

時計皿爪

別名
ヒポクラテス爪,ばち状指
最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

時計皿爪とは、爪がスプーンのように盛り上がった形状をとる状態を指します。

ヒポクラテスによって初めて報告されたことから、「ヒポクラテス爪」とも呼称されます。また、たいこのばちの形状にも類似することから、「ばち状指」とも呼ばれます。

心臓や肺の疾患に関連して生じる爪の変形であり、原因となる疾患を特定することが重要です。

原因

時計皿爪は、慢性的に血液中の酸素が少ない状態を原因として生じることが知られています。そのため、肺や心臓に関連した疾患によって生じることがあります。

具体的な疾患としては、肺であれば間質性肺炎気管支拡張症、嚢胞性線維症、肺がんなどを例に挙げることができます。

心疾患であれば、チアノーゼを呈する先天性心疾患ファロー四徴症肺動脈狭窄、総肺静脈還流異常症など)を例に挙げることができます。

その他、潰瘍性大腸炎クローン病といった炎症性腸疾患甲状腺機能亢進症などと関連して生じることもあります。また、遺伝子異常による骨疾患と関連して生じることもあります。

症状

時計皿爪では、爪の形状に特徴的な変化がみられます。爪がスプーンのように盛り上がり、指がたいこのばちのような形状になります。

また、時計皿爪は内臓の疾患に関連して生じるため、原因疾患に関連した症状をみることもあります。

具体的には、肺疾患や心疾患であれば発熱や息苦しさ、痰、咳、チアノーゼ、喘鳴(ゼーゼーといった呼吸音)などがみられることがあります。

消化器系の疾患であれば下痢や血便、腹痛などが、甲状腺機能亢進症であれば動悸や息切れ、発汗の増加、下痢、体重減少などがみられることがあります。

検査・診断

時計皿爪は、爪の形状を詳細に評価することで診断されます。

時計皿爪がみられる際には、その原因疾患を特定するための検査を行うことが大切です。問診や身体診察から得られる情報をもとに、血液検査や胸部単純レントゲン写真、心電図検査、心臓超音波検査、便検査、下部消化管内視鏡検査などが検討されます。

また、肺がんの前兆であることもあるため、喀痰の細胞診や気管支鏡などの検査が行われることもあります。

治療

時計皿爪では、原因疾患に対応する治療を行うことが重要です。たとえば、肺がんが原因となっている場合には手術や化学療法、放射線療法などが選択されます。

先天性心疾患が原因であれば酸素や内服薬(利尿剤や血管拡張薬など)による治療、カテーテル治療、手術などが行われます。

甲状腺機能亢進症である場合には内服薬による治療やアイソトープ治療、手術などから最適な治療方法が選択されます。

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