症状
肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、初期には自覚症状が乏しいことが多いといわれていますが、進行するにしたがって自覚症状が現れます。
代表的な症状の1つに全身のかゆみが挙げられます。肝臓で作られる胆汁の流れが悪くなると、胆汁の成分が皮膚に蓄積するためかゆみを感じるといわれています。皮膚に変化がなく内面からかゆみを感じる、かいても治まらない、塗り薬を使っても治らないなどの特徴があり、主に慢性の肝臓病でみられます。
肝炎
急性肝炎では、多くのケースで初期に発熱や咽頭痛、頭痛などかぜのような症状が現れ、次第に褐色尿や黄疸、食欲不振、体のだるさ、吐き気・嘔吐などの症状が現れます。
肝炎が6か月以上続くものを慢性肝炎といい、慢性肝炎では体のだるさや黄疸、かゆみなどの症状がみられる場合もありますが、ほとんどは無症状で経過します。
肝硬変
肝硬変でも無症状または軽度の場合がありますが、進行すると体のだるさや疲労感、かゆみ、足のこむらがえり、手掌紅斑(手のひらに赤い斑点ができる)、クモ状血管腫(皮膚にできる赤い糸くず状の発疹)、腹壁静脈怒張(お腹の皮膚の血管が浮き出る)などさまざまな症状が現れます。
さらに進行すると、黄疸、腹水(お腹に水がたまる)、足のむくみ、脳症(行動異常・はばたき振戦・意識障害)、吐血、下血(肛門から血が排泄されること)などがみられることがあります。吐血と下血は食道静脈瘤が破裂した結果として起こることが多く、場合によっては命に関わります。
肝がん
肝がん発症の初期はほとんどが無症状です。がんが大きくなって肝臓のはたらきが悪くなると、食道静脈瘤、黄疸、かゆみ、腹水、足のむくみ、脳症などの症状が現れます。
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