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きょうまくちゅうひしゅ

胸膜中皮腫

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

中皮とは、体の内腔表面を覆う膜のことで、胸腔を覆う胸膜、心臓を覆う心外膜、腹腔を覆う腹膜などがあります。中皮の細胞ががん化したものが中皮腫です。良性中皮腫は厳密には中皮細胞から発生したものではないことがわかってきたため、孤在性胸膜線維性腫瘍と呼ばれるようになりました。そのため中皮腫とは悪性中皮腫を指すようになりました。

ほとんどは胸膜に発生しますが、まれに腹膜や心膜に発生することもあります。中高年以降に発症することがほとんどで、男性に多いことが知られています。
 

原因

胸膜中皮腫の発生には、アスベスト(石綿)の吸引が関係していることが明らかになっています。アスベストはかつて断熱材などに多く用いられ、アスベストを扱う仕事(工場、造船、解体業など)の従事者、関連工場・建築現場などの近隣住民に多く発生しています。アスベストを吸ってから中皮腫が発生するまでには40年程度かかるとされています。
 

症状

胸膜中皮腫では腫瘍の影響により胸水が溜まるため、胸部の圧迫感や肺の圧迫による呼吸困難が出現します。他に胸痛・背部痛や咳嗽(せき)が出現することもあります。

検査・診断

胸膜中皮腫は、レントゲン撮影をしたときに偶然胸水が見つかったことが発見につながることがあります。胸部単純レントゲン写真では胸水貯留を確認できますが、少量であれば判別は困難で、進行例では胸膜の形状変化がわかることもあります。CT検査は病変の詳細な評価が可能です。少量の胸水を捉えることが可能で、胸膜の病変、転移の評価にも有用です。MRIは胸壁に病変が浸潤する場合の評価に有用ですが、必須の検査ではありません。

また胸膜中皮腫の検査では、体の表面から針や管を入れて胸水をとり性質を調べることもあります。胸水中のヒアルロン酸値上昇が比較的特徴的な所見とされていますが、確定診断には病変を採取し病理診断が必要なため、多くの場合胸腔鏡検査(体表面からカメラを挿入し、直接確認しながら病変の一部を採取する方法)が行われます。
 

治療

治療は手術、化学療法、放射線療法が中心です。手術では病変だけでなく、病変が進展しうる中皮の領域を一気に取り除く場合があり、かなり負担の大きい治療となります。

化学療法は全病期で基本となる治療です。放射線治療は術後の再発を減らしたり、病変を縮めることで疼痛などの症状を減らしたりする目的で実施することが一般的です。治療方針は病期、患者さんの全身状態、症状に合わせて総合的に判断されます。
 

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