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じんぞうがん

腎臓がん

同義語
腎がん
最終更新日:
2023年05月22日
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2023/05/22
更新しました
2017/04/25
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概要

腎臓がんとは、腎臓にできる悪性腫瘍(あくせいしゅよう)です。

腎臓は肋骨の下あたりの背中側に左右1つずつある臓器で、血液中の老廃物をろ過して尿を作り出す“腎実質”と腎実質で作られた尿を集める“腎盂(じんう)”と呼ばれる部位に分けられます。腎臓がんは通常、この腎実質の細胞から発生する“腎細胞がん”のことを指します。

腎臓がんは進行するまで症状が現れないことも少なくなく、進行すると肺や肝臓、骨などに転移を起こすこともあります。

原因

喫煙習慣と肥満は腎臓がんの発症リスクを高めることが分かっています。また、遺伝的な要因であるフォン・ヒッペル・リンドウ病などによって引き起こされるものもあります。

症状

腎臓がんは症状が乏しく、健康診断などの超音波検査により腫瘍を発見されることが増えてきました。

進行すると血尿、背中の痛みなどが生じたり、お腹からしこりを触れたりするようになります。また、食欲不振、むくみなどの全身症状を伴うこともあります。さらに、肺、肝臓、骨、脳などに転移すると、呼吸器症状、肝機能異常、病的な骨折、神経症状などが生じることもあります。

検査・診断

腎臓がんが疑われる場合は次のような検査が行われます。

画像検査

腎臓に腫瘍があるか確認し、大きさや位置などを評価するために画像検査が必要です。もっとも簡便に行えるのは腹部超音波検査ですが、造影剤を用いたCT検査が有用です。MRI検査を行うこともあるほか、転移・再発を確認するためにPET-CT検査を行うこともあります。

血液検査

腎臓がんの確定診断をすることはできませんが、腎機能や全身の状態を把握するために血液検査を行うのが一般的です。

尿検査

尿中に赤血球やがん細胞が含まれているか調べるために尿検査が行われます。また腎盂尿管がんとの鑑別に尿細胞診を提出することがあります。

腎生検

がんの病変部位にめがけて針を刺して組織を採取し、顕微鏡で詳しく調べる検査です。超音波やCTのガイド下で行われます。腫瘍が小さく良性腫瘍と鑑別が困難な場合や、今後の治療のために病理診断が必要な場合に検討されます。

治療

手術

腎臓がんの根本的な治療は、手術によってがんを取り除くことです。

がんの進行度によって手術方法は異なります。がんがある方の腎臓全てを摘出する“腎摘出術”が標準的な手術ですが、早期に発見できればがんの部分のみを切除する“腎部分切除術”を行える場合もあります。また、腹腔鏡下(ふくくうきょうか)手術、ロボット支援手術、開腹手術などが病状によって選択されます。なお、2つある腎臓のうち1つを摘出したとしても、残ったほうの腎臓の機能が正常なら支障なく生活を送ることができます。

薬物療法

手術ができない場合や転移が進行している場合、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などによる薬物療法が検討されます。薬の種類によって多様な副作用が起こるため、不安がある場合は治療前に医師に相談するとよいでしょう。

放射線治療

骨転移や脳転移がある場合、痛みの緩和や進行抑制などを目的として放射線療法が行われることがあります。ただし、腎臓がん自体には放射線療法は効きづらいとされています。

そのほかの治療法

がんが小さく、患者の年齢や合併症などで手術が難しい場合、定期的な画像検査で経過を見ていく“監視療法”や、がんに特殊な針を刺しがんを凍らせ壊死(えし)させる“凍結療法”が行われることがあります。

予防

喫煙習慣や肥満などの生活習慣の乱れが腎臓がんの発症リスクとして報告されています。そのため、生活習慣を整えることが重要です。また、定期的な超音波検査を含む健康診断が有用です。

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