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腎細胞がんの原因、症状、検査方法について

腎細胞がんの原因、症状、検査方法について
田邉 一成 先生

東京女子医科大学病院 病院長/泌尿器科 教授(講座主任)

田邉 一成 先生

目次
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腎細胞がんは、比較的男性に多くみられる悪性腫瘍で、早期段階では自覚症状が少なく、症状が出現したときにはすでに進行している場合が多いといわれています。しかし、近年は画像検査が進歩したために、人間ドックや定期健診などで無症状のうちに偶然発見されるケースが増えてきています。今回は、腎細胞がんの原因や症状、検査方法について、東京女子医科大学病院の病院長である田邉 一成(たなべ かずなり)先生にお話を伺いました。

腎臓は、体内の老廃物をろ過して尿として排泄したり、血圧をコントロールしたりするはたらきをもつ臓器です。この腎臓にできる悪性の腫瘍が、腎臓がんです。さらに腎臓がんのうち、特に腎臓の実質的なはたらきを担う腎実質の細胞ががん化したものを腎細胞がん、腎盂(じんう)にある細胞ががん化したものを腎盂がんとよびます。

腎臓がんとは

腎細胞がんにかかる割合は、10万人に約6人です。これはがん全体の約1%を占めています。比較的男性に多い傾向にあり、50歳頃から増加し始めます。

腎細胞がんの発症リスクを高める主な原因として、以下が挙げられます。

  • 喫煙
  • 肥満
  • 高血圧
  • フォン・ヒッペル・リンドウ(Von Hippel-Lindau:VHL)病
  • バート・ホッグ・デュベ(Birt-Hogg-Dube:BHD)症候群
  • 後天性嚢胞腎(こうてんせいのうほうじん)
  • 透析患者

多くの場合、腎細胞がんの発症早期は無症状です。がんが大きくなると、血尿や腹部、側腹(脇腹)、背中の痛み、体重減少、発熱といった症状が現れることもあります。

最近では画像検査が進歩したために、人間ドックや定期健診、ほかの病気の検査を通して、無症状のうちに偶然発見される腎細胞がんの頻度は高いといえます。また、そのように発見されたがんは腫瘍が小さく、予後も良好となる傾向にあります。一方で、無症状の方を対象にして特定の病気の可能性がある方を見つける目的の、スクリーニング検査においては、腎細胞がんの早期発見を可能とする腫瘍マーカー*は、現在のところありません(2020年2月時点)。

*腫瘍マーカー:がんが発生した際、それぞれのがんに特徴的なたんぱく質や酵素、ホルモンなどの物質が増加する。それらの物質を腫瘍マーカーという。その数値をもとにがんの発生やその種類、進行度などを判断する。

当院で実施している腎細胞がんの検査には、以下のような方法があります。

腹部超音波検査とは、体の表面に超音波を当てた際の臓器からの反射波を利用した検査です。腎細胞がんは、ほかのがんと比較して、この検査で発見される頻度が高いといわれています。

患者さんに対する負担が少なく、手軽に検査を行うことができる一方で、全身の検査をする必要がある場合には、超音波検査のみでは不十分なため、CT検査やMRI検査を追加します。

腹部CT検査とは、X線を用いて体の断面を撮影する検査です。がんの大きさや状態、周囲の臓器への広がりも調べることができます。

腎細胞がんの診断のためには、腎臓や尿管、膀胱などをしっかりと写す必要があるため、一般的には、造影剤を使用したCT検査を行います。また、肺への転移の有無を確認するために、胸部CT検査を行うこともあります。

磁気共鳴断層撮影検査(MRI)とは、強力な磁気を利用して体内の状態を画像にする検査です。がんの大きさや周囲の臓器への広がり、腫瘍が良性か悪性かの診断などが可能です。

超音波検査やCT検査だけでは診断が難しい場合や、CT検査時に使用する造影剤に対するアレルギーがある場合に、MRIによる検査が行われます。

経皮的針生検では、背中から腎臓に向かって細い針を刺して採取した腎臓の組織を、顕微鏡で詳しく調べます。局所麻酔を用いて行われる検査で、画像検査と比較すると患者さんへの負担が大きいです。

画像検査を行っても、がんであるか否か、悪性度はどの程度かなどがはっきりとしない場合、治療方針を決定するために実施することがあります。

造影剤を用いてX線(レントゲン)写真を撮影し、腎臓や尿管、膀胱などの形態を確認する検査です。経静脈的腎盂造影*をIVP、点滴静注腎盂造影**をDIPといいます。

腎盂がんと腎細胞がんを鑑別するために用いられますが、近年はCTなどを用いた画像検査の精度が向上しているため、当院でこの検査を行うことはほとんどありません。また、腎機能に問題がある場合には、この検査を実施することができません。

*経静脈的腎盂造影:腕の静脈から造影剤を注射してX線写真を撮影する。

**点滴静注腎盂造影:腕の静脈から造影剤を点滴してX線写真を撮影する。

血管造影検査は、造影剤を用いて、血管の走行を調べる検査です。この検査も排泄腎盂造影検査と同様、CTなどの検査精度向上により、現在当院ではほとんど行っていません。

通常の腎細胞がんにおいては、早期発見が手術後の予後の改善につながるといわれています。

検尿などには腎細胞がんの早期発見に対する有効性は少ないといわれているため、心配な方は、定期的に画像検査(腹部超音波検査、CT検査)を行うことを検討してもよいかもしれません。ただし、治療を目的としない検査(健康診断目的での検査)は保険適用外となります。

また、今後は、新規テクノロジー技術を用いることで、早期診断ができる可能性も出てくると考えています。今後も腎細胞がんの診療に貢献できるよう、当院一丸となって積極的に研究を進めていきたいと思います。

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