治療
膠原病の治療では、自己免疫とそれによって生じた炎症を抑える治療が行われます。免疫抑制、抗炎症作用のある副腎皮質ホルモンであるステロイドが広く用いられますが、多面的な作用による副作用が必発なため、可能な限り少ない用量、短期間の使用を原則とします。そのため、免疫に特異的に作用する免疫調節薬、免疫抑制薬を組み合わせて、ステロイドの使用を極力減らす試みが行われています。
最近は、病気に直接関わる免疫細胞やサイトカインなどに対してピンポイントで作用する分子標的療法が次々に開発され、治療成績は大幅に向上しています。
膠原病の治療で重要なことが、一度よくなった後も病気が再び悪くなる“再燃”を防ぐことです。そのために、最小限の治療を長期に渡って継続する必要があります。
肺の合併症
提供:日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
監修:北海道大学大学院医学研究院 免疫・代謝内科学教室 教授 渥美 達也先生
膠原病の方が注意すべき間質性肺疾患を知っていますか
膠原病の合併症の1つに、 間質性肺疾患という肺の病気があります。間質性肺疾患が進行すると、肺がだんだん硬くなって(肺の線維化)呼吸機能が低下していく可能性があり、一度線維化した部分は元の状態に戻ることはありません。
初期は無症状でも、進行すると息切れや痰の伴わない咳(空咳)などが現れます。呼吸の苦しさから疲れやすくなり、体重減少がみられることもあります。
“軽い運動でも息切れがする”“坂道や階段を上るだけでも息苦しくなる”などの変化を感じたら医師に相談してみましょう。病気の進行を防ぐためには早期発見・治療が重要です。
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