症状
膠原病の症状は病気の種類によって異なります。しかし、膠原病は体内で免疫反応、炎症が長く続くため発熱、倦怠感、食欲低下、関節痛、筋肉痛などの症状が共通して見られます。また、起床時の手のこわばり感、寒い場所で手指が紫色や白色に変化するレイノー現象、目や口の乾燥、発疹なども膠原病に頻度の高い症状です。そのほか、病気によって障害される部位は異なりますが、皮膚、関節、腎臓、肺、心臓、神経、筋肉、消化管、目、血管、血液などがダメージを受けることにより症状が引き起こされます。
膠原病の初期症状は微熱、倦怠感、こわばりや関節・筋肉の痛み、指先の冷えなど、ほかの病気でよく見られる症状しか現れないことも少なくありません。そのため発見が遅れることもありますが、これら症状が持続する場合や、発疹や関節の腫れが出現する場合は膠原病の可能性が考えられるため、早めに病院を受診して検査・治療を受けることが大切です。
膠原病では、病気に伴ってさまざまな臓器障害が起こります。たとえば、膠原病による肺の変化の中でもっとも頻度が高く注意が必要なのは“間質性肺疾患”です。間質性肺疾患とは、肺の中に複数ある直径0.1mm程の風船状の“肺胞”という部分の壁に炎症が起こることで、本来は柔軟である壁が硬くなり、膨らみづらくなった結果、酸素を取り込みにくくなってしまいます。初期は無症状ですが、病気の進行とともに労作時の息切れや咳などの症状が現れます。
膠原病の中でももっとも頻度の高い関節リウマチは、最近、高齢者の発症が増えています。高齢者では加齢によって筋肉が衰えるサルコペニアや、介護は必要ないものの活動が弱まるフレイル、腎機能の低下、感染症、骨粗鬆症、貧血などの合併症が生じやすいため注意が必要です。また関節リウマチに血管炎による関節以外の臓器障害が現れる病型を “悪性関節リウマチ”と呼び、国の指定難病になっています。
肺の合併症
提供:日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
監修:北海道大学大学院医学研究院 免疫・代謝内科学教室 教授 渥美 達也先生
膠原病の方が注意すべき間質性肺疾患を知っていますか
膠原病の合併症の1つに、 間質性肺疾患という肺の病気があります。間質性肺疾患が進行すると、肺がだんだん硬くなって(肺の線維化)呼吸機能が低下していく可能性があり、一度線維化した部分は元の状態に戻ることはありません。
初期は無症状でも、進行すると息切れや痰の伴わない咳(空咳)などが現れます。呼吸の苦しさから疲れやすくなり、体重減少がみられることもあります。
“軽い運動でも息切れがする”“坂道や階段を上るだけでも息苦しくなる”などの変化を感じたら医師に相談してみましょう。病気の進行を防ぐためには早期発見・治療が重要です。
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