原因
直接的な病気の原因は分かっていませんが、生まれつきの遺伝素因と環境要因が複数関わって発症することが分かっています。同一家系内に膠原病の患者さんが複数見られることはしばしばありますが、膠原病は遺伝病ではなく、がんや糖尿病と同じように膠原病になりやすい体質が存在すると理解されています。病気によって発症と関連する環境要因は異なりますが、喫煙、歯周病、粉塵吸入、ウイルス感染、紫外線への曝露などが知られています。
膠原病では“自己免疫”が病態の中心であることが分かっています。私たちの体には、細菌やウイルスなどの病原体が体内に侵入すると、それを攻撃して排除し体を守る“免疫”という仕組みが備わっています。免疫システムは多くの細胞やサイトカインと呼ばれる物質の複雑なネットワークで制御されています。このシステムに異常が生じることによって、本来は攻撃対象でない自分自身の細胞や組織が攻撃を受けてしまい、その結果さまざまな症状が引き起こされるのが膠原病です。
肺の合併症
提供:日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
監修:北海道大学大学院医学研究院 免疫・代謝内科学教室 教授 渥美 達也先生
膠原病の方が注意すべき間質性肺疾患を知っていますか
膠原病の合併症の1つに、 間質性肺疾患という肺の病気があります。間質性肺疾患が進行すると、肺がだんだん硬くなって(肺の線維化)呼吸機能が低下していく可能性があり、一度線維化した部分は元の状態に戻ることはありません。
初期は無症状でも、進行すると息切れや痰の伴わない咳(空咳)などが現れます。呼吸の苦しさから疲れやすくなり、体重減少がみられることもあります。
“軽い運動でも息切れがする”“坂道や階段を上るだけでも息苦しくなる”などの変化を感じたら医師に相談してみましょう。病気の進行を防ぐためには早期発見・治療が重要です。
間質性肺疾患の相談ができる病院を調べる
エリアから探す
医師の方へ
膠原病の概要、診断方針、治療方針をまとめて確認することができます。
Medical Note Expertでしか読めない、学会や医局の最新医療知見を得ることができます。
国内外のエキスパートが集結・日本リウマチ学会4月末に福岡で現地開催――国内外から約2000演題が集まる
日本リウマチ学会総会・学術集会が、2023年4月24日~26日にかけて福岡国際会議場/福岡サンパレス/福岡国際センターで開催される(現地開催・教育研修講演のみオンデマンド配信予定)。本学術集会には日本のみならず世界中からエキスパートが集まり、多数の英語セッションも用意されている。「国際的な環境に身を
【第7回日本肺高血圧・肺循環学会レポート】肺高血圧症治療の現状――PAH、CTEPHに対する診断・治療、肺移植の現状(4500字)
肺高血圧症(pulmonary hypertension:PH)はかつて予後不良の難治性疾患であったが、ここ20年ほどでさまざまな薬剤が登場し、外科手術も発展したことで治療法は飛躍的に進歩した。その一方で、肺移植のプロセスや治療成績の面では課題も残っている。波多野 将氏(東京大学医学部附属病院 高度
【第7回日本肺高血圧・肺循環学会学術集会レポート】時間経過に伴い複数の病態を合併するCTD-PH――多分野集学的検討の重要性を事例とともに解説(4200字)
結合組織病(膠原病)に合併する肺高血圧症(connective tissue disease-pulmonary hypertension:CTD-PH)では、時間が経つにつれて病態構築因子となり得る合併症が出現する。そのため、病態構築因子ごとに専門診療科と連携してPH診療を行う必要がある。今回、中
「膠原病」を登録すると、新着の情報をお知らせします