原因
離人症性障害の原因や発生のメカニズムについては、現時点では明確にわかっていません(2018年8月時点)。
しかし、トラウマ(心的外傷)体験がある患者さんも多く、幼少期の虐待体験をもつ方も少なくないことが知られています。強い恐怖を感じたり狂乱したりすることを避けるために離人症が形成されるという説があります。
離人症性障害は分類上、離人症状を認め、その他の明らかな病気に合併しないものとされています。離人症は本障害のように解離性障害のひとつの症状として見られるほか、うつ病や不安障害、パニック障害、強迫性障害、境界性人格障害、統合失調症でもみられます。
また、それ以外にも甲状腺や副甲状腺、膵臓のような内分泌障害、てんかんや脳腫瘍、脳外傷または神経外科手術時の電気刺激や一部薬剤によって引き起こされることもあります。
これらの身体疾患・精神疾患に離人症状が合併する場合は離人症性障害ではなく、離人症の原因となっている主疾患による症状といえます。
ただし、これらの鑑別(見分けること)は必ずしも容易ではなく、うつ病の経過中に離人症状を認める場合や、当初は離人症状のみを認めていたものの経過とともに幻覚妄想が出現し、統合失調症と診断されるケースもあります。
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