治療
近年は2型炎症の起こる仕組みなどについて研究が進められており、2型炎症に関連して発症する病気の治療法の開発に役立てられています。
喘息
重症度などによって治療法は異なりますが、主に吸入ステロイド薬による薬物療法が検討されます。そのほかアレルギーの原因物質が分かっている場合はアレルゲンを回避し、喫煙者であれば禁煙がすすめられます。
最近では、重症喘息患者を対象に2型炎症の原因分子(IL-4、IL-5、IL-13、IgEなど)を標的とした生物学的製剤が選択される機会が増えてきました。
好酸球性副鼻腔炎
好酸球性副鼻腔炎は、ステロイド薬を内服することで鼻茸が小さくなるなど症状は軽快します。ステロイド薬による副作用のリスクを回避するため一般的には手術で鼻茸を除去しますが、再発することが多く何回も手術をする必要があるケースもあります。
近年、これらの治療を行ってもなかなか症状が改善しない人を対象に、抗IL-4/13受容体抗体を注射する治療も行われるようになりました。
アレルギー性鼻炎
まずは、室内のこまめな掃除などアレルゲンの除去と回避を心がけます。そのうえで、抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬などを使用した薬物療法や、アレルゲンを少しずつ投与することでアレルギー反応を弱める“アレルゲン免疫療法”などが検討されます。
アトピー性皮膚炎
スキンケア、薬物療法、アレルゲンの除去の3点が大切です。スキンケアでは皮膚を清潔に保つことと保湿が行われます。薬物療法は患者の年齢にもよりますが、ステロイド外用薬をはじめとする塗り薬のほか、ヤヌスキナーゼ阻害薬などの飲み薬も検討します。こうした治療で十分に効果が現れない場合は、生物学的製剤(注射薬)も考慮されることがあります。
蕁麻疹
蕁麻疹の多くは数時間程度、長くて1日ほどで消えますが、症状の度合いによっては原因となるアレルゲンの除去や抗ヒスタミン薬などの薬物療法を行います。
食物アレルギー
これまでは原因となる食品を食べない、量を減らすなどの対策が一般的でした。しかし近年では専門医による指導のもと、原因となる食物をごく少量から摂取して体に慣れさせる“経口免疫療法”を行うこともあります。
そのほか、症状が現れた場合の抗ヒスタミン薬、ステロイド薬などの薬物療法が検討されます。なお中等度以上の症状(アナフィラキシーショックなど)が生じた際は、アドレナリン自己注射薬を用います。
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