症状
院内感染型MRSAによるMRSA感染症
皮膚や粘膜の傷から感染し、初期段階では傷が化膿する、赤みや腫れ、痛みなどの症状が現れることがあります。
MRSAは菌血症(血液中に細菌がいる状態)を起こし、重症の場合は心臓の弁に菌の塊を作って弁を破壊する心内膜炎という病気を起こすことがあります。この場合は高熱や血圧低下など現れ、病状が進むと命に関わることもあります。そのほか、骨や関節に感染して骨髄炎や化膿性関節炎を起こすこともあります。免疫不全など体の抵抗力が弱くなっている人には肺炎を起こすことがあり、高熱や呼吸困難に陥ることがあります。下痢症状など腸炎を起こすことはまれです。
市中感染型によるMRSA感染症
通常の黄色ブドウ球菌による感染症と同様に、皮膚の傷などから感染が起こり、傷が化膿する、赤みや腫れ、痛みなどがみられます。
市中感染型MRSAの一部は、白血球を破壊するPVL(Panton-Valentine Leukocidin)と呼ばれる毒素を産生して、皮膚の下に膿の塊(膿瘍)を作りやすい性質があるため、高病原性*といわれることもあります。治療によって治癒することがほとんどですが、まれに肺炎を引き起こし命に関わることがあります。
*高病原性:病原体に病気を発症させる強い性質があること。
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