ようついついかんばんへるにあ

腰椎椎間板ヘルニア

最終更新日:
2022年09月27日
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2022/09/27
更新しました
2017/04/25
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概要

腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニアとは、腰椎と腰椎の間でクッションのようなはたらきを担う椎間板と呼ばれる組織が加齢などの原因で変性して突出することで腰椎の中を走行している神経を圧迫し、さまざまな神経症状を引き起こす病気のことです。

20~50歳代の男性によくみられる病気ですが、発症するとお尻、太もも、ふくらはぎなどに痛みやしびれが走るようになり、重症化すると歩行が困難になることも少なくありません。また、排尿や排便に関わる神経がダメージを受けると排尿・排便機能の低下を生じることもあります。

一方で、腰椎椎間板ヘルニアは約8割が安静を維持し、コルセット装着やマッサージなどの理学的な治療を行うことで自然に回復するとされています。しかし、痛みやしびれが強く日常生活に支障をきたしている場合は痛み止めなどを用いた薬物療法や神経ブロック注射などを行うこともあり、最終的に手術で突出した椎間板を切除する手術を行うこともあります。

原因

腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎と腰椎の間にある椎間板という柔らかい組織が変性して、突出した一部が腰椎の中を走行している神経を圧迫することで発症する病気です。

椎間板が突出する原因は多岐にわたりますが、椎間板の組織は20歳代から徐々に変性していくことが分かっており、このような加齢による変性の結果として椎間板の外郭(線維輪)の断裂が生じ、椎間板の中身(髄核(ずいかく))がはみ出すことが主な原因とされています。そのほか、腰に負担がかかるような姿勢での長期間の作業や、重い荷物の持ち運びなども発症の要因として知られており、喫煙が発症率を上昇させるとの報告もあります。

症状

腰椎椎間板ヘルニアの症状は、突出した椎間板の位置や大きさによって大きく異なります。

多くは腰やお尻に痛みが生じ、突出した椎間板に圧迫された神経側の太ももやふくらはぎに放散するようなしびれと痛みが引き起こされます。痛みやしびれの程度は神経の圧迫の強さなどによって異なりますが、非常に強いケースも多く、歩行や睡眠に支障をきたすケースも少なくありません。安静にしていると2~3週間ほどで症状が改善していくことが多いとされています。

しかし、神経の圧迫が強い場合は自然に症状が改善することは少なく、脚に力が入りにくくなる、筋力が低下するといった症状が引き起こされ、痛みを避けるために不自然な体勢を続けることで脊椎が横に曲がった状態(疼痛性側弯)になることもあります。

また、突出した椎間板が大きな場合は排便や排尿などをつかさどる馬尾神経と呼ばれる太い神経が圧迫され、頻尿や残尿感、尿閉、便失禁などの症状を引き起こすことがあります。
 

検査・診断

腰椎椎間板ヘルニアが疑われるときは以下のような検査が行われます。

身体所見

腰椎椎間板ヘルニアを発症すると、痛みやしびれのあるほうの脚を伸ばしたまま上にあげるとお尻や腰に痛みやしびれが放散する反応がみられます。このような身体所見を調べる検査を“下肢伸展挙上試験”と呼び、腰椎椎間板ヘルニアを発症しているか否かスクリーニングする際に行われます。

そのほか、足の感覚や筋力低下の有無も調べるのが一般的です。

画像検査

腰椎椎間板ヘルニアの確定診断には、MRI検査で椎間板の突出や神経の圧迫を確認する必要があります。また、そのほかにも骨の異常の有無などを調べるためX線検査(レントゲン検査)やCTなどの画像検査が行われることも少なくありません。
 

治療

腰椎椎間板ヘルニアは、約8割が腰を安静にし、コルセット装着やマッサージなどの理学的な治療を行うことで自然に回復していきます。しかし、痛みやしびれが強い場合は痛み止めや筋弛緩剤、ビタミンB剤などの飲み薬を使用したり、神経に局所麻酔薬を注射して痛みを緩和させる神経ブロック注射が行われたりすることも少なくありません。

また、これらの治療を行っても長期間にわたって症状が続き日常生活に支障をきたしている場合や、排尿・排便障害などの強い神経症状が出ている場合は、突出した椎間板の組織を摘出する手術や不安定になった腰椎を固定する手術が必要になります。

最近では、椎間板内酵素注入療法も普及しています。この方法は椎間板の中身である髄核に特殊な酵素を注入することにより、椎間板の突出を減少させる方法です。
 

予防

腰椎椎間板ヘルニアの大きな原因は加齢ですが、姿勢の悪さや腰に負担がかかる長時間の作業なども発症の原因になります。そのため、発症を予防するには腰に負担がかかる作業は避け、正しい姿勢を保持することが大切です。

また適度な運動を習慣づけて、体幹や四肢の筋力、柔軟性を保つことも効果があります。
 

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