インタビュー

腰椎椎間板ヘルニアの治療 保存療法(保存的な治療)をする期間について

腰椎椎間板ヘルニアの治療 保存療法(保存的な治療)をする期間について
高橋 和久 先生

千葉大学大学院 医学研究院 整形外科 前教授

高橋 和久 先生

この記事の最終更新は2015年08月13日です。

前の記事「腰椎椎間板ヘルニアとは」で説明したように、腰椎椎間板ヘルニアにおいては椎体の間にある椎間板が飛び出し、脊髄の神経を圧迫することによりさまざまな症状が出現します。若年者(20~40代)によく起こるのも1つの特徴です。多くの場合、腰椎椎間板ヘルニアは保存的な治療(手術をしない治療)により改善します。

腰椎椎間板ヘルニアでは保存的な治療はどれくらいまで可能なのでしょうか。腰椎椎間板ヘルニアは典型的にはどのような経過をたどっていくのでしょうか。腰椎椎間板ヘルニアの治療期間について、腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン委員も務められた、千葉大学整形外科学教室主任教授(当時)・高橋和久先生にお話をお聞きしました。

多くの腰椎椎間板ヘルニアにおいて手術は必要ありません。痛み止めなどの保存的な治療で改善します。
まず、腰椎椎間板ヘルニアの典型的な経過について説明していきます。これはすべての方に当てはまるわけではないため、ひとつの例として捉えてください。

腰椎椎間板ヘルニアは急性腰痛症(ぎっくり腰)のようにして発症します。はじめは腰に強い痛みが走り、下肢(特に多いのは後ろ側)からおしりにしびれが走ります。激烈な坐骨神経痛も起こってきます。最初は激烈な痛みがあります。しかし、痛み止めを使いながら治療するとそれがだんだんと1週間くらいですこしずつやわらいできます。そこからさらに1ヶ月経過すると痛みは半分くらいになります。2−3ヶ月すると、痛みはほぼ完全に治ります。

以上が典型的な経過です。人によって差はありますが、8割くらいの方のケースでは手術は必要なく、保存的治療(手術をしない治療)で治っていきます。

保存的治療をする場合には、最低1ヶ月程度は治療期間をとり、経過をみていきます。長いときには3ヶ月程度の治療期間をとり、様子をみていくこともあります。通常はこのように様子を見てから、必要な場合には手術に切り替えます。

もちろん、1ヶ月以内でも絶対に手術を行ってはいけないというわけではありません。経過をみていく上では注意しなければならないことがあります。それは緊急手術が必要なこともあるということです。具体的には膀胱直腸障害(尿や便が出づらくなる)や麻痺による筋力低下が出現したときです。このように深刻な症状が現れた場合には、すぐに手術をすることになります。手術については、以下をご参照ください。
腰椎椎間板ヘルニアの手術 手術の種類と気になる疑問

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