院長インタビュー

信頼と共創で地域医療の未来を拓く――急性期医療の要として千葉メディカルセンターが目指す姿

信頼と共創で地域医療の未来を拓く――急性期医療の要として千葉メディカルセンターが目指す姿
メディカルノート編集部  [取材]

メディカルノート編集部 [取材]

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千葉メディカルセンターは、千葉県千葉市中央区に位置し、約60年の歴史を持つ急性期病院です。同院はかつては川崎製鉄の企業病院として地域を支え、現在は地域医療支援病院として救急医療や専門的な診療機能を担っています。

心臓・脳血管疾患への対応や伝統ある整形外科、さらには小児科・産婦人科の維持など、幅広い世代の健康を守り続ける同院の特徴や地域医療への思いについて、院長の福田 和正(ふくだ かずまさ)先生にお話を伺いました。

当院はもともと川崎製鉄の企業立病院として歴史を歩んできました。私がまだ駆け出しの医師だった30年ほど前、当時は別の病院に勤めていたのですが、川鉄病院を市内の民間病院の中でも中心的な存在として外から眺めていたものです。

2023年に院長として就任し、内側から実際の様子や経営情報に触れるようになると、この規模の病院だからこそ地域のために果たせる役割がまだたくさんあることが分かりました。
約60年続く歴史の中には、30年以上勤務しているベテランから若手まで幅広い層の医師がいます。こうした歴史を大切にしながら、まずは世代交代をシームレスに進めていくことが私の重要な課題であると考えています。

現在は346床全てを一般急性期病床として運用しており、常勤の医師は100名を超え、スタッフの数も非常に充実した体制を整えています(2025年12月時点)。病院運営において大切にしているのは、特定の医師の能力に依存しすぎないチーム医療の確立です。1人の医師がいなくなった途端に実績が落ちてしまうような体制ではなく、病院全体で安定して質の高い医療を維持していくことが重要ですし、現在もそのような医療を提供できるよう努めています。

診療の柱として、心臓血管センターやスポーツ医学センター、消化器センターなど、各領域をセンター化して重点的に取り組んでいます。また、整形外科は川鉄病院時代から当院の看板として、地域の皆さんから信頼を寄せていただいています。さらに当院は日本脳卒中学会が認定する一次脳卒中センターのコア施設となっており、脳卒中の患者さんに急ぎ適切な治療が提供できる体制を整えています。
また、少子化の影響で全国的に減っている産婦人科や小児科についても、この地域の医療を支えるうえで欠かせない存在として、強い信念を持って診療を行っています。

当院の特徴として、新しいことに挑戦し続ける姿勢があります。循環器系ではこの1年でTAVI経カテーテル大動脈弁留置術)やアブレーション治療の新しいデバイスを導入しており、2026年度以降は手術支援ロボットのダビンチ、あるいは整形外科の手術支援ロボットの導入も視野に入れています。

このような当院の取り組みは、患者さんの利益になるだけでなく、志の高い若い医師を惹きつけることにもつながっています。実際、当院の初期研修医の募集には定員7名の枠に対し、昨年(2025年)は60名もの応募が寄せられ、私自身が全員と面接を行いました。
若い力が実際に現場で経験を積める環境を整えていることが、当院の活気にもつながっているのだと考えています。

私が院長になってからの大きな歩みとして、地域医療支援病院の名称承認を受けたことが挙げられます。地域医療支援病院とは、地域のクリニックやかかりつけ医を支援し、紹介患者さんへの医療提供や医療機器の共同利用、24時間体制の救急医療、地域の医療従事者への研修提供などを行う、地域医療の要となる病院のことです。

この承認を機に、当院は現在、地域の医療機関や行政とさらに深く連携し、地域医療の仕組みそのものを共に構築していこうと考えています。
目指しているのは、地域の限りある医療リソースを効率よく使い、より多くの患者さんに、より適切な診療を提供できる仕組みです。そのためには、地域で医療を展開している方々とより緊密な連携をする必要があるでしょう。そのため私自身、近隣の先生方のもとを訪問させていただき、顔の見える関係を築いています。

現在はより緊密で効率的な地域医療の実現のため、入院診療により注力しつつ、治療をさせていただいた患者さんを地域のクリニックへスムーズに引き継ぐ「逆紹介」を推進しています。逆紹介を適切に行うことによって、患者さんは困ったときにはすぐに近くのクリニックの先生を頼れるようになり、さらにお困りのときには当院に来ていただく、という役割分担が明確になるとともに、そのときの患者さんに合った医療がより効率的に受けられるようになるはずです。

地域の要となる病院として、これからも皆さんに頼っていただける存在であり続けるためには、職員がいつも立ち返り、心の拠りどころとなる理念が必要です。
そこで当院は、2023年10月に「信頼と共創」という新しい理念を制定しました。これは、職員や地域の皆さんと共に医療を作っていきたいという願いを込めたもので、職員の間で広く共感を得ることができました。

また、当院に対して地域の皆さんがより親しみやすさを感じていただけるよう、「ちばめ三兄弟」という病院のゆるキャラを私がデザインしました。LINEスタンプとしても展開しており、職員の間で密かな盛り上がりを見せています。こうした取り組みを通じて、病院内の一体感を高めていきたいと考えています。

ちばめ三兄弟のLINEスタンプはこちら
https://store.line.me/stickershop/product/31908605/ja

私が医師の道を歩み始めたのは、1980年代という救急医療が激動の時代を迎えていた頃でした。当時は交通事故による頭部外傷が非常に多く、救急現場では脳神経外科医が主役のような役割を担っていたのです。1分1秒を争う緊迫した現場で、緊急度の高い診療に携わりたいという強い思いがあり、この世界に飛び込みました。

しかし、トレーニングを積むなかで、救急医療の本質は重症な方を救うことだけではないと考えるようになりました。人々の生活により近い場所にも、救急としての課題が数多く存在しているのではないかと気付かされたのです。そうした思いが、現在の地域医療に根差した急性期医療への情熱につながっています。

これから医療を取り巻く環境はより不透明になっていくかと思いますが、私たちは地域の皆さんが安心して健康に生活できる場をしっかりと守り続けてまいります。地域医療に真に貢献できる病院を目指し、職員一丸となって努力してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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