院長インタビュー

急性期医療とがん治療を中心に、スタッフ全員でやさしい医療の提供を目指す−成田記念病院の特色と今後の展望

急性期医療とがん治療を中心に、スタッフ全員でやさしい医療の提供を目指す−成田記念病院の特色と今後の展望
成田 真 先生

社会医療法人 明陽会 理事長、社会医療法人 明陽会 成田記念病院 院長

成田 真 先生

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この記事の最終更新は2019年06月13日です。

社会医療法人 明陽会 成田記念病院(以下、成田記念病院)は、愛知県豊橋市の羽根井本町に位置しています。開設当時から理念としている「やさしさ」のある医療の提供を心がけています。同院は、地域の方々の声を受けて、透析治療を専門的に行う病院からその後急性期治療を行う病院として、地域に貢献してきました。そして、がんの患者さんが増加し続けていることを踏まえ、がんに特化した医療の提供を行うべく、2018年に成田記念陽子線センターを開設しました。

成田記念病院の理事長兼病院長の成田真先生にお話を伺いました。

成田記念病院の外観
成田記念病院の外観

当院は、1947年に初代院長の成田竹蔵が開設しました。当院の法人名である明陽会は、米国のMAYO CLINICを由来としています。MAYO CLINICのような、患者さんに寄り添い、患者さんのニーズを第一に考える病院になりたいという思いが込められています。

その思いの通り、地域の方々や患者さんのニーズに柔軟に対応できる病院づくりを実践してきました。また、当院の基本理念には「やさしさ」という言葉を用いており、これは、開設当時から大切にされている考え方でもあります。これからも当院では、スタッフ全員が優しさを持ち、地域の方々の声に親身に耳を傾けながら、地域に信頼される病院を目指していきます。

当院の透析治療は、1969年に私の父である成田眞康が導入しました。当時、糖尿病や腎臓病に苦しんでいる患者さんがいらっしゃって、三河地区に一刻も早い透析治療の導入が望まれていました。そこで、透析治療を先がけて導入したことにより、その患者さんをはじめ、多くの方を救うことにつながりました。

現在では、当法人の関連施設である明陽クリニックと協力し、血液透析と腹膜透析を実施しています。当院では、透析を必要とする患者さんやこれから透析をはじめる患者さんに対して、一人ひとりに適した治療を提供しています。また、患者さんご自身がセルフケアを実践できるように、チーム体制でサポートを行っています。シャントトラブルなどの緊急時にも、速やかに対応できる体制を整え、安心して透析治療を受けていただける医療環境づくりに努めています。

連携する成田記念陽子線センター
連携する成田記念陽子線センター

社会医療法人明陽会では、2018年に法人の関連施設として成田記念陽子線センターを開設しました。

三大死因のひとつであるがんの患者さんは、1980年代以降増加し続けています。地域にお住まいの患者さんに、より充実したがん治療を提供したいという思いから、当センターの開設に至りました。

当センターでは、粒子線の一種である陽子線を用いて行う、陽子線治療装置を導入しています。複雑な腫瘍に対する治療の場合でも、正常組織への影響を減らし、副作用をなるべく抑えることが期待される治療法です。骨軟部腫瘍や頭頚部腫瘍、小児腫瘍、前立腺がんなどの一部の病気の陽子線治療は、健康保険が適用されるため、1~3割負担で治療を受けられます。それ以外の腫瘍については、先進医療*または自由診療となり、ひとつの治療部位につき、治療費は約300万円となります。

これからも、「人のやさしさと温かさを根源にした先進の医療を目指して」を当法人の基本理念に、がんの患者さんの生活を支え、地域に貢献していきます。

先進医療…保険診療の対象には至らない先進的な医療技術と保険診療との併用が認められた医療のこと。

当院の今後の診療について、緩和ケア病棟の開設を検討しています。緩和ケア病棟を設けることで、治療から看取りまで、がんに対する一貫した医療の提供が可能になるためです。また、急性期医療にも積極的に対応していくために、Intensive Care Unit(ICU:集中治療室)の設置も視野に入れています。

病院の方針面では、地域の方々や患者さんだけでなく、全ての人に心地よいと感じてもらえる病院づくりに努めています。そのために、患者さんだけでなく、当院のスタッフの声にも親身に耳を傾け、地域の全ての方のニーズに対し、可能な限り応えていきたいと考えています。

患者さんが心地よく過ごすための清潔感のある病室
患者さんが心地よく過ごすための清潔感のある病室

患者さんの中には、病院にかかるのは大げさだと感じたり、受診すべき診療科に迷ったりして、病院を受診することに少し抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、体調面で不安なことがある場合には、気軽に受診していただければと思います。

当院は、さまざまな医療機器や関連施設を揃えて、正確な診断を行うことに努めています。また、基本理念としても掲げている通り、地域の皆さんや患者さんに対し、人の温かみや優しさのある医療の提供を心がけています。そのため、ご自身の健康について、気になることがあれば、遠慮なくご相談ください。

若手の医師の皆さんには、コミュニケーションを大切にできる医師を目指してほしいと思います。もちろん、患者さんの病気を治療していくうえで、医療の技術を磨くことは重要です。しかし、治療をスムーズに進めるためには、患者さんやご家族と病院のスタッフとの間で、しっかりとコミュニケーションを取る必要があります。常に患者さんに向き合いながら、一人ひとりに寄り添った医療を提供できる医師を目指してください。

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  • 社会医療法人 明陽会 理事長、社会医療法人 明陽会 成田記念病院 院長

    成田 真 先生

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