院長インタビュー

思いやりの心を持って良質な医療の提供を目指す――国立病院機構 福岡病院

思いやりの心を持って良質な医療の提供を目指す――国立病院機構 福岡病院
𠮷田 誠 先生

独立行政法人 国立病院機構 福岡病院 院長

𠮷田 誠 先生

目次
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独立行政法人 国立病院機構 福岡病院は、2026年に100周年を迎える歴史のある病院です。結核療養所としてスタートした背景から現在も呼吸器疾患の診療に力を入れるとともに、アレルギー、小児、障害者医療の分野に専門性を持っています。

同院が担う役割や今後の展望について、院長である𠮷田 誠(よしだ まこと)先生にお話を伺いました。

先方提供
正面玄関

当院は1926(大正15)年6月に福岡市立屋形原病院として開設されました。その後1947(昭和22)年に国立病院となり、1971(昭和46)年に国立療養所南福岡病院へと名称が変わりました。独立行政法人 国立病院機構に移行し、現在の福岡病院となったのは2004(平成16)年4月です。

地域の方々に長く親しまれた南福岡病院から“南”の文字がなくなり、患者数の減少に伴って結核病棟は全て閉鎖されましたが、開設当初から続く呼吸器疾患に対する専門的な診療は今もなお診療の柱となっています。リハビリテーションや在宅酸素療法を含めた呼吸器の診療、アレルギー、重症心身障害児(者)医療などを通して、引き続き地域医療に貢献してまいります。

大正・昭和・平成・令和と時代は移り変わりましたが、当院の診療の柱である呼吸器疾患への取り組みは一貫して変わりません。私自身も呼吸器内科医であり、気管支喘息COPD慢性閉塞性肺疾患(まんせいへいそくせいはいしっかん))を専門としております。また呼吸器内科にはそれぞれに専門性を持った医師が合計11名在籍しており(2024年7月時点)、急性期から慢性期まで幅広く呼吸器疾患の専門的な治療を行っています。

地域の医療機関と連携して在宅酸素療法を行っている患者さんの病状評価や治療、呼吸リハビリテーションによって残った呼吸機能を最大限に生かすためのサポートをすることも私たちの役割の1つです。実施している医療機関はまだまだ少ないものの、呼吸リハビリテーションによって患者さんのQOL(生活の質)の改善が期待できるとの報告が多く寄せられています。高齢化が進む日本においては、肺の機能が低下して呼吸不全に陥る患者さんが少なくありません。2024年度からは新たに右心カテーテル検査をスタートさせ、肺高血圧症などの合併症の診断や治療にも力を入れてまいります。

当院は重症心身障害児(者)病棟3棟、病床数130床を有します。患者さんの中には病棟開設当初から継続して入院生活を送っておられる方もいらっしゃるなど、病院は患者さんにとって“生活の場”にもなっています。

このため当院では長期にわたり入院生活を送る患者さんのため、当院に隣接する福岡市立屋形原特別支援学校の先生方に病室へ訪問いただき、授業をしてもらっています。入学式や卒業式などの学校行事も院内で開催しています。

先方提供
一般病棟

私が院長に就任したのと同じ2019年4月、当院は福岡県アレルギー疾患医療拠点病院の指定を受けました。これを機にアレルギー診療を行っている7つの診療科(アレルギー科、呼吸器内科、心療内科、リウマチ科*、小児科、耳鼻咽喉科<じびいんこうか>、皮膚科)をセンター化し、診療はもとより、患者さんの治療と就労の両立支援、電話相談窓口の設置、市民公開講座の開催、医療者向け研修会の開催などさまざまな施策を行ってきました。

また2024年2月には日本アレルギー学会 九州・沖縄支部学術集会を主催したほか、臨床研究にも積極的に取り組んでおります。アレルギーの臨床研究においては、患者さんの協力のもと新薬開発に向けた治験にも積極的に参加しています。

*リウマチ科は2024年3月で閉科

MN

当院は2026年に100周年を迎え、地元薬剤師会と行ってきた勉強会も間もなく記念すべき第100回を開催予定です。地域の医療機関はもとより薬剤師の先生方や訪問看護ステーションなど多職種と密にコミュニケーションを取っている点も、当院が地域密着型の病院であることを示しているように思います。

私は呼吸器内科医として経験を積み、患者さんの治療にあたるのはもちろん、新しい治療法や薬を開発するための研究にも尽力しています。院長となった現在はこれらに加えて病院の舵取り役も任されておりますが、今後も引き続き医療技術の向上に努めるとともに、“患者さんに優しい病院”を目指してまいります。

*医師数や病床数、診療科、提供する医療の内容等についての情報は全て、2024年7月時点のものです。

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