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インタビュー

公開日 : 2015 年 10 月 16 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

ストレス社会で働く人たちの現状

独立行政法人労働者健康福祉機構
横浜労災病院 勤労者メンタルヘルスセンター長 兼 治療就労両立支援部長
山本 晴義先生

仕事のストレスが原因となって起こるメンタルヘルス不調やうつを未然に防ぐため、平成27年12月1日から「ストレスチェック制度」が義務付けられることになりました。厚生労働省がいま、ストレス対策に本腰を入れようとしている背景について、横浜労災病院 勤労者メンタルヘルスセンター長の山本晴義先生にお話をうかがいました。

メンタルヘルスにおけるストレス対策

現在、メンタルヘルスが大きく取り上げられている理由は、言うまでもなく働く人たちがストレスをためているからにほかなりません。ストレスはまったくなければいいというものではなく、プラスに働く部分もありますが、ストレスがたまって病気になるということは大きな問題です。

国の調査では仕事をしている人の約6割がストレスを感じているとされています。理由は人間関係や仕事の量や質の問題などさまざまですが、毎年ほぼ同様の数字が報告されています。しかし、産業医として労働現場をみていると、ストレスを感じている人の割合はもっと多く、8割から9割にも達するのではないかと感じます。

いずれにせよ肝要なのは、大多数の方がストレスを感じている中で、何らかのストレス対策が必要であるということです。メンタルヘルスとはストレス対策であると言い換えてもよいでしょう。ストレスがすべて悪というわけではありませんが、それが健康を損なう要因になるのであれば取り除かなくてはなりません。ストレスの原因は労働環境や人間関係などさまざまですが、その原因が何であるかということに気づき、対策を立てるということが必要です。このことが労働衛生行政の中でメンタルヘルスの問題を取り上げている大きな理由のひとつです。

自殺者の問題

もうひとつの大きな問題は自殺者対策です。全国での自殺者の数は最近でこそ年間3万人を下回っていますが、平成10年から14年間連続で3万人以上の方が自ら命を絶っているという厳しい現実があります。そのうち、勤労者の自殺者数は年間8千〜9千人とみられています。この数字には仕事が原因ではなく、病気を苦にしての自殺なども含まれていますが、過重労働やハラスメントが原因でうつになって自殺するなど、仕事が直接の原因となっているケースが2500~2700人程度といわれています。この勤労者の自殺者を少なくしていくこともメンタルヘルスケアを推進する理由のひとつです。