インタビュー

低血糖の症状が発生したときの応急処置

低血糖の症状が発生したときの応急処置
張 日怜 さん

独立行政法人 労働者健康福祉機構 横浜労災病院 栄養管理部

張 日怜 さん

松澤 陽子 先生

松澤内科・糖尿病クリニック 院長

松澤 陽子 先生

この記事の最終更新は2016年04月12日です。

低血糖とは極端な食事制限や過剰な運動、薬の効き過ぎなどによって引き起こされる、血糖値が下がりすぎた状態で、様々な不快症状をあらわします。低血糖が重症化すると、意識を消失し命にかかわることもあるため、早急に血糖値を上げる処置を施さなければなりません。今回は低血糖になってしまったときの応急処置の方法について、横浜労災病院栄養管理部の張 日怜(ちゃん いるりょん)さんにご説明していただきました。

低血糖とは、血液中のブドウ糖が少なくなった状態を指します。具体的には、血糖値が70mg/dl以下の場合をいいます。糖尿病は血糖値が高くなる病気ですが、血糖降下薬の効き過ぎや食事摂取の不足などによって低血糖が引き起こされることがあります。

低血糖になると、下記のような症状が現れます。

  • 空腹
  • 発汗(冷や汗)
  • 不安
  • 動悸
  • 震え
  • あくび      

などが挙げられます。

ただし、症状だけでは本当に低血糖かどうかわからないこともありますので、ご自分で血糖測定ができる方であれば、「低血糖かもしれない」と感じた時点で血糖値を測ることを習慣づけましょう。

低血糖が実際に起こったときには、ただちにブドウ糖を補給する必要があります。

低血糖が起こりやすいのは、食事の量や食事の回数が少ない、食事の時間が不規則、激しい運動をした、アルコールを大量に摂取したなどのときです。

また、前述したように糖尿病の患者さんが血糖降下剤を服用している場合や、普段よりも食事量が少なかったりすると必要以上に血糖値が下がってしまい、低血糖を招くこともあります。ひどい場合は意識レベルが低下したり、昏睡状態に陥ってしまったりと命に関わることもあるため、注意が必要です。

ブドウ糖は、薬局などで市販されています。ゼリー状のものやタブレット状のものなど、さまざまな種類があります。ゼリー状のものやタブレット状のものなど、手軽に補給できて他の添加物が無いものがお勧めです。

なお低血糖が起きたとき、補給するブドウ糖の目安は10g程度です。上記のブドウ糖が入手できない場合は、ゼリー系飲料カップ四分の一、あるいはカップ半杯のジュースなどでも効果が得られます。

低血糖を起こしやすい方はブドウ糖を常に持ち歩くのが最も安心ですが、ブドウ糖を持ち合わせていないときに低血糖が起きた場合、コンビニや自動販売機で買える身近な食べ物や飲み物で代用することもできます。ブドウ糖10gの目安は下記のとおりです。

  • ゼリー系飲料 1/4袋(45ml)
  • 野菜ジュース、果物ジュース、乳酸菌飲料、砂糖入りの紅茶、炭酸飲料など コップ半分(90ml)
  • スポーツドリンク、缶コーヒー コップ1杯(180ml)
  • 粒状のラムネ 10粒

低血糖のときに、とっさに飴やチョコレートを口にする方も多いかもしれません。たしかに甘い飴やチョコレートは効果がありそうに感じますが、実はこれは最善の方法ではないのです。飴やチョコレートは、糖分の吸収が遅いため、即効性に欠けます。そのため効果が感じられず、多くの糖分をとりすぎて、後から高血糖を起こしてしまう原因にもなるのです。手元にそれしかない場合は代用してもよいですが、なるべくブドウ糖を活用しましょう。

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