
高血圧は国民病ともいえるほど日本人に多い病気のひとつです。高血圧の原因は様々であり、はっきりと分かっていない部分もありますが、高血圧症を予防する手段の一つに減塩があります。今回は、高血圧にならないためにできる減塩のポイントについて、横浜労災病院栄養管理部の張 日怜さんにご説明していただきました。
「血圧」とは、血管にかかる圧力のことを指します。この血圧が、正常範囲を超えて高い状態が維持されていると「高血圧症」となり、生活習慣病のひとつとなります。
高血圧症の分類
上記に挙げた血圧の数値は診察室で計測した値です。2014年4月、「高血圧治療ガイドライン」が改訂され、「診察室血圧と家庭血圧の間に診断の差がある場合、家庭血圧による診断を優先する」と記されました。このように、これまで以上に家庭血圧を重要視する方針となっています。
家庭血圧の診断基準は、収縮期135 mmHg以上、拡張期85 mmHg以上です。起床後と就寝前に2回ずつ測定し、朝と夜それぞれの平均値を出します。その値が家庭血圧の診断基準を超えていると高血圧と診断されます。
家庭で血圧を測定するとき大事なポイントは、測定方法や条件を守ることです。血圧の数値は座り方によっても影響を受けるため、原則としては背もたれのある椅子に座り、1~2分安静にした後で測定しましょう。寝たままの状態やあぐら、正座をして測った血圧は正確ではありません。測定のタイミングとしては、朝は起床後1時間以内、排尿後、朝食を摂る前・薬を飲む前に測定します。夜は就寝前に測定し、夕食後や飲酒後、入浴後は避けます。
高血圧になったとしても、自覚症状はあまりありません。高血圧の怖いところは、「動脈硬化」につながるということです。
血圧の高い状態が続くと血管の弾力性が失われ、血液をうまく送り出せなくなります。また血管の壁に異常が起こることによって血管の内側に瘤ができ、血液の通り道がしだいに狭窄します。この状態が続くと最終的に血管が詰まり、心筋梗塞や脳梗塞などの命に関わる病気につながります。もろくなった血管の壁が破れて、脳出血などを起こすこともあります。
高血圧の大きな原因の一つは、塩分の摂りすぎです。塩分を過剰に摂ることで、体は体内の塩分濃度を薄めようとして血液中の水分量を増やすため、血管に圧力がかかります。この結果、血管に負担がかかるようになります。
血圧を下げるためには、日々の食生活の中で減塩を心がけることが重要になってきます。
塩分摂取量の目安
食品を賢く選ぶことで、減塩をうまく成功させることにつながります。
食材は新鮮なもの、旬のものを選ぶようにします。どちらも味わいがよいので、食品本来の味を活かすことができ、調味料を多く使わなくても美味しく食べることができます。
ハム・ベーコン・ソーセージ・チーズ・練り製品・漬物・干物などの加工食品には、塩分が多く含まれています。ですから、鮮魚や精肉などの素材から調理することを意識しましょう。大幅に塩分を控えられ、素材本来の旨味を感じることが出来ます。もしも加工食品を利用する場合は、栄養表示を確認して、食塩含有量の少ないものを選ぶようにします。
調味料には塩分が含まれていますが、調味料の種類によって塩分含有量は大きく異なります。例えば濃口醤油小さじ1杯に含まれる塩分含有量は、減塩醤油、ウスターソース、ポン酢小さじ2杯分と同量(約1.0g)です。濃口醤油の代わりに減塩醤油などを用いることで減塩が可能になります。
献立の中で、全てに減塩調理をすると食事が味気なくなってしまいます。そこで1品はふつうの味付けで調理し、残りの料理は薄味にとどめておくと、味にメリハリが出ます。食事の満足感も得られるのでおすすめです。
調味料の中には、塩分をほぼ含まないものもあります。日々の食卓では、塩分をほぼ含まない調味料を中心にして味付けするとよいでしょう。塩分をほぼ含まない調味料には、下記のようなものがあります。
ただし、かつお節や昆布などの食材からとるだしは基本的に塩分0gですが、顆粒のだしの素には塩分を含むものもあります。食塩相当量、ナトリウム含有量の少ないものを選ぶようにしましょう。
食べ方の工夫は、外食や、コンビニや惣菜でも実践できます。
ラーメンなどの麺類にはスープに塩分が多く含まれるため、スープを残すだけで減塩につながります。
現在では減塩対策のため、味を損なわずに減塩になっている調味料が多く販売されています。
温かい料理は温かいうちに、冷たい料理は冷たいうちに食べることで、正しくその料理の味を感じられ、満足感も大きく得られます。
おかずに調味料を「かける」のではなく、調味料におかずを「つけて」食べるようにすると、塩分の摂りすぎを防ぐことができます。
最近開発されている商品に、スプレータイプの容器があります。少量でもまんべんなく味が行き渡る、スプレータイプの容器は大変便利です。
スーパーやコンビニなどで売られている食品の栄養成分表示では、塩分は食塩相当量もしくはナトリウム(Na) と表示されています。ナトリウム表示しかなかったとしても簡単に食塩相当量に換算することができます。市販の食品を買う際にも、栄養成分表示から食塩相当量を計算してみるとよいでしょう。
食塩相当量の計算方法:ナトリウム 400mg≒塩分 1g
松澤内科・糖尿病クリニック 院長
周辺で高血圧症の実績がある医師
独立行政法人 地域医療機能推進機構東京高輪病院 院長
内科、外科、神経内科、脳神経外科、腎臓内科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、呼吸器内科、循環器内科、感染症内科、消化器内科、糖尿病内科、代謝内科、血管外科、病理診断科、歯科
東京都港区高輪3丁目10-11
都営浅草線「高輪台」A1出口 ちぃばす:高輪ルート(バスナビシステム)東京高輪病院下車2分 都バス:品川93系統(目黒⇔大井競馬場)グランドプリンスホテル新高輪前下車2分 徒歩3分、JR山手線「品川」高輪口 徒歩10分
東京女子医科大学 内分泌内科学講座 教授・講座主任
内科、血液内科、膠原病リウマチ内科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、消化器内科、内視鏡内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、人工透析内科、脳神経内科、内分泌外科、放射線診断科、精神神経科、総合診療科、病理診断科
東京都新宿区河田町8-1
都営大江戸線「若松河田」若松口 徒歩5分、都営大江戸線「牛込柳町」西口 徒歩8分、都営新宿線「曙橋」A2出口 徒歩12分
医療法人財団順和会 山王病院 副院長、国際医療福祉大学臨床医学センター 教授
内科、アレルギー科、血液内科、リウマチ科、心療内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科
東京都港区赤坂8丁目10-16
東京メトロ銀座線「青山一丁目」4番(南)出口 徒歩4分、東京メトロ千代田線「乃木坂」3番出口 徒歩4分
東京医科大学 腎臓内科主任教授
内科、血液内科、リウマチ・膠原病内科、外科、心療内科、神経内科、脳神経外科、呼吸器内科、呼吸器外科、消化器内科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、矯正歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、循環器内科、糖尿病内科、代謝内科、内分泌内科
東京都新宿区西新宿6丁目7-1
東京メトロ丸ノ内線「西新宿」2番出口またはE5出口 徒歩1分、JR山手線「新宿」西口 その他JR複数線、小田急線小田原線、京王電鉄京王線、都営新宿線なども利用可能 徒歩10分
池袋はやし胃腸内科外科内視鏡クリニック 院長
内科から外科まで幅広く対応、頼れる地域のかかりつけ医に
池袋はやし胃腸内科外科内視鏡クリニック(東京都豊島区東池袋3丁目1-1 サンシヤイン60ビル7F:東京メトロ有楽町線「東池袋」徒歩3分)の病院ページ。
胃腸科、内科、整形外科、皮膚科、大腸肛門科、発熱外来、漢方外来
東京都豊島区東池袋3丁目1-1 サンシヤイン60ビル7F
東京メトロ有楽町線「東池袋」 徒歩3分、JR山手線「池袋」東口 徒歩7分
関連の医療相談が10件あります
心臓の辺りに攣ったような痛み
ここ最近、3日に一度くらいの間隔で心臓の辺りが攣ったような締め付けられる痛みが出ます。 痛みは15秒くらいで収まるのですが、心筋梗塞などの疑いはありますか? ちなみに高血圧の薬を飲んでいます。 軽い脂肪肝と言われたことがあります。
奥歯の痛みについて
85歳になる祖母が今日の夕方頃から突然奥歯が痛み始め、噛んだら痛むので何も食べれないと言ってきました。調べたら放散痛というものがあると知り、放散痛の症状の1つに歯の痛みがあり、祖母は心臓の持病も抱えているのでとても心配になりました。祖母が定期受診している歯医者の予約は明後日で、もし痛みが続く場合や歯医者での診断で特に問題がなかった場合は放散痛の可能性を考慮して専門医に検査をしてもらった方がいいでしょうか?ちなみに祖母の心臓病は詳しい病名は分かりませんが、高血圧や不整脈に近いです。祖母は現在歯の痛み以外には肩こりがするみたいでそれ以外は特に身体の不調はありません。奥歯の痛みは何も噛まなければ特にずっと痛みが続く訳ではなさそうです。心配し過ぎかもしれませんが、わたしにも精神的な障害があり、祖母とはずっと一緒に住んでいるので、どうしてもネットで調べた情報で考え過ぎてしまうので医師の意見が聞きたいです。
健康診断で血圧が
昨日健康診断を受けて、血圧をはかったら上が150で下が88でした。昨年は上が110で下が85ぐらいだったのにいきなり上がり出して怖いです。何か病気のサインでしょうか?自分では疲れやすいぐらいで前とあまり変わらないと思うのですが?病院に行った方が良いですか?ちなみに143cm体重79キロです。体重落とさないと駄目ですよね?塩辛いおつまみやお酒、スナック菓子大好きです。これはやめないとまずいですね。
動悸、息苦しさ
心臓の動悸と息苦しさが気になっています。朝起床時、日中、問わず症状が表れ、時折ドクンと鼓動を感じることがあります。循環器内科で心電図をとってもらいましたが異常は見当たらず、現在特に治療は行なっていません。喉に違和感があり、話す時声が震えているような感覚があります。いつからか忘れてしまうくらい前から症状がありこのまま放置しても問題ないものか気にかかっています。
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。
「高血圧症」を登録すると、新着の情報をお知らせします
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。