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高血圧の症状と検査―高血圧は心筋梗塞や脳卒中を引き起こす?
日本人の40歳以上の2人に1人が高血圧であるといわれています。まさに日本の「国民病」ともいえる高血圧ですが、高血圧になるとどのような症状・合併症が出るのでしょうか?また、高血圧の診断はどのように...
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高血圧の症状と検査―高血圧は心筋梗塞や脳卒中を引き起こす?

公開日 2015 年 10 月 08 日 | 更新日 2017 年 05 月 08 日

高血圧の症状と検査―高血圧は心筋梗塞や脳卒中を引き起こす?
上條 由佳 先生

日本赤十字社医療センター腎臓内科

上條 由佳 先生

石橋 由孝 先生

日本赤十字社医療センター 腎臓内科部長

石橋 由孝 [監修]

日本人の40歳以上の2人に1人が高血圧であるといわれています。まさに日本の「国民病」ともいえる高血圧ですが、高血圧になるとどのような症状・合併症が出るのでしょうか? また、高血圧の診断はどのように行なうのでしょうか? 日本赤十字医療センターの上條由佳先生にお聞きしました。

高血圧には自覚症状がない

高血圧には、特有の症状がほとんどありません。そのため、定期的に血圧を測定していなければ発見することは困難です。また、早期に発見されたとしても放置されることが多く、気づかないうちに進行して、脳卒中や心臓病などの合併症を引き起こす(合併症については後にご説明します)ので、高血圧は「サイレント・キラー」とも呼ばれています。

高血圧で怖いのは合併症

高血圧には特有の症状はありませんが、進行したまま放置しておくと様々な合併症を引き起こします。脳出血は有名ですが、それ以外の合併症として以下のとおりです。

動脈硬化

血管が刺激されることにより動脈硬化が起こります。そしてこの動脈硬化により、脳梗塞や脳出血などの脳卒中・狭心症や心筋梗塞などが起こります。

心臓の肥大(心臓の壁が厚くなること)

血液を全身に送り出すため、心臓は強力な筋肉で出来ています。血圧が高いとそれだけ全身に送り出す力が必要なため、心臓は筋トレをしているようなものです。長い間高血圧が続いている患者さんでは、筋肉モリモリの心臓となり、しなやかさが失われます。このような状態を「心肥大」といい、心不全の原因の一つです。

腎臓の機能低下

腎臓は尿を作り、体内の水分量の調整、老廃物の除去、塩分・カリウムの調節などの働きをしていますが、腎臓は細かい血管の塊であるため、血圧が高い状態が長い間続くと腎臓に負担がかかります。高血圧の方は、腎臓の機能が低下して慢性腎臓病、さらには末期腎障害になりやすくなります。長期間収縮期血圧が10mmHg上がるごとに、将来末期腎障害になるリスクが30%前後上昇するといわれています。

また、降圧剤のみで血圧を管理しても減塩を行わないと腎臓への負担が続くことになります。まずは減塩を中心した生活習慣への修正を行いましょう。
参考記事:慢性腎臓病とは

高血圧で怖いのは、これらの合併症です。ふだん自覚症状がなかったとしても、突然これらの合併症が起こることがあるので注意が必要です。

高血圧の診断

では高血圧はどのように検査・診断するのでしょうか?

実は血圧の測定方法には、診察室で測定する「診察室血圧」と、診察室以外の場所で測定する「診察室外血圧」の2種類があります。

診察室血圧について

まずは、診察室血圧についてご説明します。診察室血圧とは診察室で測定される血圧のことで、以下のように測定を行います。

  • 静かで適当な室温の診察室で、脚を組まずに座って数分安静にした後測定します。また、測定前に喫煙、飲酒、カフェイン摂取などを行ってはいけません。
  • 1〜2分の間隔をあけて少なくとも2回測定します。
  • 安定した値(差が5mmHg未満)を示した2回の測定値の平均が最終的な測定値となります。

また、高血圧の診断は、少なくとも2回以上の異なる機会における測定値に基づいて行われます。

診察室血圧

この診察室血圧が収縮期血圧140mmHg・拡張期血圧90mmHg以上であった場合、高血圧と診断されます。

高血圧の基準

診察室外血圧について

次に、診察室外血圧についてご説明します。診察室外血圧とは、診察室以外の場所で測定される血圧のことで、“家庭血圧”と“自由行動下血圧”があります。この診察外血圧は、診察室血圧と同等かそれ以上に大事であるとされています。

家庭血圧について

家庭血圧とは家で測定される血圧のことで、以下のように測定します。

家庭血圧

また、診察室血圧と家庭血圧に診断の差がある場合は、家庭血圧による診断を優先します。例えば、「診察室血圧では高血圧の基準を満たさないが、家庭血圧では高血圧の基準を満たす」といった場合には、家庭血圧による診断が優先されますので、高血圧と診断されます。(家庭血圧の診断基準については後ほどご説明します。)

24時間自由行動下血圧について

24時間自由行動下血圧の測定では、図のような持ち運びができる自動血圧計を身につけて、24時間普通の生活を行いながら、15~30分間隔で血圧を測定します。

自動血圧計

家庭血圧、自由行動下血圧の診断基準は以下の表のようになっています。

家庭血圧、自由行動下血圧の診断基準

家庭血圧では、収縮期血圧135mmHg・拡張期血圧85mmHg以上で高血圧と診断されます。自由行動下血圧は、図のように時間帯によって診断基準が異なります。

日本赤十字社医療センターにおいて石橋由孝部長のもと、全人的総合的腎不全医療(Total Renal Care:TRC)を推進・普及させるためにアウトリーチ活動を行っている。一人ひとりの腎不全患者が自己管理や行動変容を実現するための教育というミクロなアプローチから、腎不全患者自身がさまざまな治療の選択肢を持てるようにするための社会システム全体の構築というマクロなアプローチも積極的に行っている。

日本赤十字社医療センターで腎臓内科部長を務め、腹膜透析における本邦のオピニオンリーダー。末期腎不全医療、特に腎代替療法オプション提示。全人的総合的腎不全医療(Total Renal Care:TRC)を推進・普及させるため積極的にアウトリーチ活動を行っている。

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