「高血圧」「血圧が高い」とよく耳にしますが、なぜ「高血圧」は問題なのでしょうか。
高血圧は血管に動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞などの危険な循環器疾患の要因になります。心筋梗塞は、血管が詰まってしまうことにより心臓が致命的なダメージを受けてしまう病気です。もちろん、この心筋梗塞の治療も最近は進歩してきており、必ずしも死に至る病気ではなくなっていますが、依然として危険な病気です。心筋梗塞を防ぐためには、その大きな要因となる高血圧を適切に管理していく必要があります。
高血圧はどのようにして起こるのでしょうか。九州大学循環器病未来医療研究センター准教授の岸拓弥先生にお話をお聞きしました。
血圧の変化は株価の変動と類似しています。株価は、経済や国際情勢、場合によっては天変地異などさまざまな要因によって変動します。血圧も同じように、一日のうちでも測定するたびに毎回違う値を示します。一瞬たりとも同じ数字はありません。これは、血圧が異なる時間軸を持つ種々の要因により決定されるからです。
歴史を紐解いてみると、すでに1970年代には長期的な血圧を決定するのが腎臓で短期的には種々の反射であると提唱されています。その後の研究で、神経体液性因子や炎症など様々な要因が影響していることがわかってきました。しかし一貫して変わらない重要なことは、循環調節に関わる複数の臓器が連関して維持する恒常性の破綻が高血圧であり、その臓器連関システムの中枢が脳であるということです。たとえ一時的に血圧が上がってしまうことがあっても、血圧が不必要に上昇したことを脳が認識して調節してくれれば、血圧はもとに戻ることができるのです。脳が血圧を感知して血圧を調節するシステム、それが圧受容器反射です。
頸動脈にある圧受容器は、血圧を常に感知することによって血圧を一定に保とうとするためのセンサーです。
たとえば、血圧が上がったことを圧受容器が感知します。すると、脳に「血圧が上がった」という報告が伝わり、神経を通して体内の各臓器に「血圧を下げて一定に保つように」指示をするのです。これを圧受容器反射といいます。圧受容器によって危険を感知し圧受容器反射によってその危険を回避する、つまりこの2つの働きは「血圧を常に監視しながら血圧を決めることのできる生体固有の大事なシステム」といえます。このとき活躍する神経が「交感神経」です。交感神経は血圧を上げるアクセルのような働きをします。
血圧の変動を察知し一定に保とうとすることは「生体の恒常性(生物が外からの影響に左右されず身体を一定の状態に保とうとする習性)」を保つためのしくみのひとつで、とても重要な働きです。それにもかかわらず、これがきちんと機能せず高血圧になってしまうのは、中枢である脳の働きが正常でないからです。
次の記事「高血圧の原因―塩分のとりすぎで脳がきちんと機能しなくなる」では、脳が正常に働かない理由について説明していきます。
国際医療福祉大学 大学院医学研究科(循環器内科学)教授、国際医療福祉大学 福岡薬学部 教授、医療法人社団 高邦会 高木病院 院長補佐、高血圧・心不全センター外来担当
心不全・高血圧治療におけるオピニオンリーダー
九州大学医学部を卒業後、同大学循環器内科学に入局。九州大学循環器病未来医療研究センター部門長を経て、現在は国際医療福祉大学大学院医学研究科(循環器内科学)および福岡薬学部にて教授を務める。循環器内科、特に高血圧や心不全を専門とし、国内ならびに国際学会で評議員やフェローを務め、ガイドライン作成や委員会活動に携わっている。多臓器連関循環動態恒常性維持システムを脳機能から紐解く研究も行っている。
岸 拓弥 先生の所属医療機関
周辺で高血圧症の実績がある医師
独立行政法人 地域医療機能推進機構東京高輪病院 院長
内科、外科、神経内科、脳神経外科、腎臓内科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、呼吸器内科、循環器内科、感染症内科、消化器内科、糖尿病内科、代謝内科、血管外科、病理診断科、歯科
東京都港区高輪3丁目10-11
都営浅草線「高輪台」A1出口 ちぃばす:高輪ルート(バスナビシステム)東京高輪病院下車2分 都バス:品川93系統(目黒⇔大井競馬場)グランドプリンスホテル新高輪前下車2分 徒歩3分、JR山手線「品川」高輪口 徒歩10分
東京女子医科大学 内分泌内科学講座 教授・講座主任
内科、血液内科、膠原病リウマチ内科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、消化器内科、内視鏡内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、人工透析内科、脳神経内科、内分泌外科、放射線診断科、精神神経科、総合診療科、病理診断科
東京都新宿区河田町8-1
都営大江戸線「若松河田」若松口 徒歩5分、都営大江戸線「牛込柳町」西口 徒歩8分、都営新宿線「曙橋」A2出口 徒歩12分
医療法人財団順和会 山王病院 副院長、国際医療福祉大学臨床医学センター 教授
内科、アレルギー科、血液内科、リウマチ科、心療内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科
東京都港区赤坂8丁目10-16
東京メトロ銀座線「青山一丁目」4番(南)出口 徒歩4分、東京メトロ千代田線「乃木坂」3番出口 徒歩4分
東京医科大学 腎臓内科主任教授
内科、血液内科、リウマチ・膠原病内科、外科、心療内科、神経内科、脳神経外科、呼吸器内科、呼吸器外科、消化器内科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、矯正歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、循環器内科、糖尿病内科、代謝内科、内分泌内科
東京都新宿区西新宿6丁目7-1
東京メトロ丸ノ内線「西新宿」2番出口またはE5出口 徒歩1分、JR山手線「新宿」西口 その他JR複数線、小田急線小田原線、京王電鉄京王線、都営新宿線なども利用可能 徒歩10分
医療法人社団平永会 日下診療所 理事長、八丁堀3丁目クリニック 院長
特集コンテンツ
コミュニケーションを大切に、地域に根差したかかりつけ医として
医療法人社団平永会 日下診療所(東京都荒川区南千住5丁目21-7 1F:JR常磐線(上野~取手) 南千住 西口 徒歩5分)の病院ページ。
内科、小児科、糖尿病内科
東京都荒川区南千住5丁目21-7 1F
JR常磐線(上野~取手)「南千住」西口 徒歩5分
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