インタビュー

高血圧の治療――生活習慣の改善が大切

高血圧の治療――生活習慣の改善が大切
上條 由佳 先生

医療法人社団善仁会 中田駅前泉クリニック 院長、医療法人社団ときわ 理事、横浜市立大学腎臓高血...

上條 由佳 先生

石橋 由孝 先生

日本赤十字社医療センター 腎臓内科部長

石橋 由孝 先生

目次
項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

この記事の最終更新は2015年10月09日です。

日本人の40歳以上の2人に1人が高血圧であるといわれています。まさに、日本の「国民病」とも言える高血圧ですが、高血圧の治療はどのように行えばよいのでしょうか? 日本赤十字医療センターの上條由佳先生にお聞きしました。

高血圧治療の目的は、高血圧が続くことによって起こる脳卒中心筋梗塞腎不全などの合併症を防ぐことです。高血圧の治療法は、主に「生活習慣の修正」と「薬物治療」の2つによって行われます。

まずは、高血圧の原因となっている、塩分の摂りすぎ・肥満・運動不足・喫煙などの生活習慣を改善します。そして、これらの生活習慣の改善では血圧が下がらない場合は、薬物治療を行います。薬物治療では、「降圧薬(こうあつやく)」とよばれる血圧を下げる薬を用いて治療を行います。これらの治療を行うことで、心筋梗塞や脳卒中・腎不全などの合併症を防ぐことが大切です。

治療の目標となる血圧は以下の表の通りです。

診察室血圧の基準
家庭血圧の基準

※診察室血圧と家庭血圧の違いについてはこちらの記事をご参照ください。
参考記事:高血圧とは

高血圧の治療では、まず生活習慣の改善を行います。
具体的には何を行えばいいのでしょうか? 以下にまとめました。

6g/日未満に抑えましょう。

(ただし、野菜・果物の積極的な摂取は、重症の腎障害をお持ちの患者さんには推奨しません。また、果物の積極的摂取は摂取カロリーの増加につながることがあるので、糖尿病患者さんには推奨しません。 )

BMI(体重(kg)÷[身長(m)]2) が25を超えないようにしてください。

脳卒中心筋梗塞腎不全などの心血管病のない方が対象です。毎日30分以上を目標に定期的に有酸素運動を行いましょう。

エタノール量で、男性20~30ml/日以下、女性10~20ml/日以下にして下さい。

受動喫煙の防止も含みます。

このような生活習慣の改善を行います。

その他の注意事項としては、寒いと血圧が上がってしまうので、冬は暖房を使い部屋が寒くならないようにして下さい。特に、トイレ・浴室・脱衣所などに注意しましょう。また、お風呂はお湯が熱すぎないように調整し、冷水浴やサウナなどは避けてください。

上に述べたような生活習慣の改善だけでは目標血圧に達しない場合、薬物治療を行なうことになります。薬物治療では、“降圧薬”(こうあつやく)と呼ばれる血圧を下げる薬を用います。

降圧薬には、以下に挙げるような様々なものがあります。

アンジオテンシンⅡという血圧を上げる物質を作らないようにすることで血圧を下げます。

アンジオテンシンⅡの作用を抑えることで血圧を下げます。

血管を広げることで血圧を下げます。

尿を多く出す作用を持つ薬です。尿を出すことで血管内の水分を減らし、また尿と一緒にNaを排出させることで、血圧を下げます。利尿薬には、サイアザイド系利尿剤、ループ利尿薬、抗アルドステロン薬などの種類があります。

心臓の働きを抑えることで血圧を下げます。

血管の収縮を抑えて血管を広げることで血圧を下げます。

これらの降圧薬を、時には組み合わせて使うことで、目標血圧を目指します。しかし、多数の降圧剤を内服している方は、塩分のとりすぎや水分過多が背景に隠れていることが多く、生活習慣の改善で降圧剤をなくすことができることがほとんどです。

腎不全 本

受診について相談する
  • 医療法人社団善仁会 中田駅前泉クリニック 院長、医療法人社団ときわ 理事、横浜市立大学腎臓高血圧内科 客員研究員

    上條 由佳 先生

  • 日本赤十字社医療センター 腎臓内科部長

    石橋 由孝 先生

「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。
この記事は参考になりましたか?
記事内容の修正すべき点を報告
この記事は参考になりましたか?
この記事や、メディカルノートのサイトについてご意見があればお書きください。今後の記事作りの参考にさせていただきます。

なお、こちらで頂いたご意見への返信はおこなっておりません。医療相談をご要望の方はこちらからどうぞ。

    実績のある医師

    周辺で高血圧症の実績がある医師

    独立行政法人 地域医療機能推進機構東京高輪病院  院長

    きむら けんじろう
    木村先生の医療記事

    1

    内科、外科、神経内科、脳神経外科、腎臓内科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、呼吸器内科、循環器内科、感染症内科、消化器内科、糖尿病内科、代謝内科、血管外科、病理診断科、歯科

    東京都港区高輪3丁目10-11

    都営浅草線「高輪台」A1出口  ちぃばす:高輪ルート(バスナビシステム)東京高輪病院下車2分  都バス:品川93系統(目黒⇔大井競馬場)グランドプリンスホテル新高輪前下車2分 徒歩3分、JR山手線「品川」高輪口 徒歩10分

    東京女子医科大学 内分泌内科学講座 教授・講座主任

    いちはら あつひろ

    内科、血液内科、膠原病リウマチ内科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、消化器内科、内視鏡内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、人工透析内科、脳神経内科、内分泌外科、放射線診断科、精神神経科、総合診療科、病理診断科

    東京都新宿区河田町8-1

    都営大江戸線「若松河田」若松口 徒歩5分、都営大江戸線「牛込柳町」西口 徒歩8分、都営新宿線「曙橋」A2出口 徒歩12分

    医療法人財団順和会 山王病院 副院長、国際医療福祉大学臨床医学センター 教授

    やまおき かずひで
    山沖先生の医療記事

    4

    内科、アレルギー科、血液内科、リウマチ科、心療内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科

    東京都港区赤坂8丁目10-16

    東京メトロ銀座線「青山一丁目」4番(南)出口 徒歩4分、東京メトロ千代田線「乃木坂」3番出口 徒歩4分

    東京医科大学 腎臓内科主任教授

    かんの よしひこ
    菅野先生の医療記事

    2

    内科、血液内科、リウマチ・膠原病内科、外科、心療内科、神経内科、脳神経外科、呼吸器内科、呼吸器外科、消化器内科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、矯正歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、循環器内科、糖尿病内科、代謝内科、内分泌内科

    東京都新宿区西新宿6丁目7-1

    東京メトロ丸ノ内線「西新宿」2番出口またはE5出口 徒歩1分、JR山手線「新宿」西口 その他JR複数線、小田急線小田原線、京王電鉄京王線、都営新宿線なども利用可能 徒歩10分

    池袋はやし胃腸内科外科内視鏡クリニック 院長

    はやし りょうへい

    内科から外科まで幅広く対応、頼れる地域のかかりつけ医に

    池袋はやし胃腸内科外科内視鏡クリニック(東京都豊島区東池袋3丁目1-1 サンシヤイン60ビル7F:東京メトロ有楽町線「東池袋」徒歩3分)の病院ページ。

    Web予約対応

    胃腸科、内科、整形外科、皮膚科、大腸肛門科、発熱外来、漢方外来

    東京都豊島区東池袋3丁目1-1 サンシヤイン60ビル7F

    東京メトロ有楽町線「東池袋」 徒歩3分、JR山手線「池袋」東口 徒歩7分

    関連記事

  • もっと見る

    関連の医療相談が10件あります

    ※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。

    「高血圧症」を登録すると、新着の情報をお知らせします

    処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

    「受診について相談する」とは?

    まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
    現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

    • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
    • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。

    メディカルノートをアプリで使おう

    iPhone版

    App Storeからダウンロード"
    Qr iphone

    Android版

    Google PLayで手に入れよう
    Qr android
    Img app