
食品交換表というものをご存じでしょうか。これは糖尿病の患者さんがどのような食事をすればいいかを考える際に使われる表で、実際に様々な場面で活用されています。食品交換表をどのように使用すればいいのか、横浜労災病院栄養管理部の張 日怜さんにご説明していただきました。
食品交換表とは、糖尿病の患者さんのための食事を組み立てる際に用いる表です。適正な量で栄養バランスの良い献立づくりの手助けとなります。食品交換表では、80kalを1単位として計算します。表は1から6までに分かれています。(下表参照)
たとえば、ご飯は表1の「主食」に分類されます。ご飯は50gで1単位、つまり50gで80kcalです。
体を動かす力の源となる食品です。ご飯やパン、麺類、いも類など、炭水化物を多く含む食品が表1にあたります。1日3食、均等に食べることが大切です。
果物は表2に分類されます。食物繊維やビタミンC、ミネラルなど、体のコンディションを整える成分が多く含まれますが、果糖やブドウ糖も多く含むので摂りすぎには注意しましょう。一日あたり片手に乗る程度の量が目安です。
筋肉や血液のもとになる、身体を作る食品のグループです。肉や魚介、卵、チーズ、大豆製品など、良質なたんぱく質が豊富に含まれています。主菜はビタミンB群やミネラルの供給源でもあります。部位によっては脂質も比較的多く含みます。主菜も1日3食均等に取り入れましょう。
牛乳、ヨーグルトなどの乳製品です。ただし、チーズはここではなく表3の主菜に含まれるので注意しましょう。カルシウムが豊富で、牛乳であれば、1日180ml程度が目安です。
バターやサラダ油、肉の脂身、アボカドなどの油脂類を指します。1gあたりのエネルギー量が多いので、バランスを意識して摂ることが大切です。また、摂るのであれば、LDL(悪玉)コレステロールを増やす動物性(特に肉)の脂ではなく、悪玉コレステロールや中性脂肪を下げる役割を担う植物性の油や、魚に含まれる油を摂取しましょう。揚げ物・炒め物など油を多く使った料理は1日2品が目安になります。(脂質の質についての詳細は『脂質異常症に効く! いい油・悪い油を見極める』を参照してください)
体の調整役を担う食品が表6に分類されます。具体的には野菜やきのこ、海藻類などが代表的です。エネルギー量が少なく、食物繊維やビタミン、ミネラルの供給源になるため、積極的に取り入れたい食品といえます。野菜は1日350g以上の摂取が推奨されています。
1食あたりの副菜量の目安は、生野菜であれば両手に乗る程度、温野菜であれば片手に乗る程度です。
砂糖、味噌、醤油や市販のルウなどの調味料が付録に分類されます。
1日に摂るべきエネルギーの量は、その人の体格や日常の運動量によって異なります。目標摂取エネルギー量については『糖尿病の食事療法。「普通の食事」で血糖コントロール』の記事を参照してみてください。
この目標摂取エネルギー量によって、食品交換表での摂取単位も変わります。また、合計単位以内であっても、バランスが悪くては意味がありません。1日に見合った量が15単位の方が、表1の食材(主食)のみで15単位とってはバランスが偏ってしまいます。
表1の主食、表3の主菜に関しては、それぞれの目標摂取エネルギーに応じた単位を均等に3等分するようにします。5単位など、3食に割り切れない場合には2単位・1.5単位・1.5単位など、なるべく均等にしましょう。間食を加えた配分にする場合は、表2の果物か表4の乳製品から摂ることが推奨されています。補足として、アルコールは1g7kcalと高カロリーですが、栄養素は含まないので、どのグループにも属しません。
1日の総エネルギー量に占める炭水化物の割合が60%、55%、50%の3段階に示されています。配分は病状や合併症の有無、食習慣などにも配慮して、主治医や管理栄養士と相談して決定します。
食品交換表には「交換」という単語が入っています。これはどういった意味でしょうか。
食品交換表の同じ表の中で交換をすることで、栄養バランスがとれる仕組みになっています。たとえば、表1のご飯と表3の豆腐は中に含まれている栄養素が違うため、交換してしまうと、栄養バランスを維持することができなくなってしまいます。しかし表1の中であれば、ご飯の代わりに、パンを交換して食べることができます。このように、同じ表の中で個々の好みに合わせて交換することが出来るようになっています。
食品交換表は日本糖尿病学会が出版している本です。この本の中にはさまざまな食事の1単位あたりの量が示されています。ここでは、主な食品の1単位をご紹介します。
表1 主食
ご飯:50g(小さい茶碗軽く半分)
食パン:30g
うどん(ゆで):80g(1/3玉)
ジャガイモ:110g(中1玉)
西洋かぼちゃ:90g(小1/8)
表2 果物
みかん:200g(2個)
りんご:150g(1/2個)
バナナ:100g(1本)
表3 主菜
鶏もも肉(皮なし):60g
豚肉ロース(厚切り):40g
サケ:60g(2/3切)
アジ(中):60g(中1尾)
鶏卵:50g(1個)
納豆:40g
豆腐(木綿):100g
プロセスチーズ:20g
表4 乳製品
牛乳:120ml
表5 油脂
植物油:10g
マヨネーズ:10g
ピーナッツ(皮なし):15g
豚バラ肉:20g
ベーコン:20g
表6 副菜
わかめ(乾燥・素干しを水で戻したもの):471g
えのき(ゆで):364g
しいたけ(生・ゆで):400g
キャベツ(生):348g
大根(生):444g
トマト:421g
ニンジン(生):216g
ブロッコリー(ゆで):296g
ほうれん草(ゆで):320g
松澤内科・糖尿病クリニック 院長
周辺で糖尿病の実績がある医師
朝日生命成人病研究所 所長
内科、腎臓内科、皮膚科、眼科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、甲状腺内科
東京都中央区日本橋馬喰町2丁目2-6 朝日生命須長ビル2・3・4F
JR中央・総武線「浅草橋」西口 徒歩5分、都営浅草線「浅草橋」A3出口 徒歩7分、JR総武本線「馬喰町」C4出口から徒歩2分 徒歩7分、都営新宿線「馬喰横山」C4出口から徒歩2分 徒歩8分
医療法人社団平永会 日下診療所 理事長、八丁堀3丁目クリニック 院長
コミュニケーションを大切に、地域に根差したかかりつけ医として
医療法人社団平永会 日下診療所(東京都荒川区南千住5丁目21-7 1F:JR常磐線(上野~取手) 南千住 西口 徒歩5分)の病院ページ。
四谷内科・内視鏡クリニック 副院長
内科、消化器内科、内視鏡内科、糖尿病内科、内分泌内科
東京都新宿区四谷2丁目11-6 フォーキャスト四谷6F
東京メトロ丸ノ内線「四谷三丁目」 徒歩5分、JR中央・総武線「四ツ谷」東京メトロ丸ノ内線も利用可 徒歩8分
東京逓信病院 内分泌・代謝内科 部長
内科、血液内科、外科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、感染症内科、消化器内科、内分泌内科、代謝内科、総合診療科、病理診断科
東京都千代田区富士見2丁目14-23
JR中央・総武線「飯田橋」西口 徒歩5分、東京メトロ有楽町線「飯田橋」B2a出口(東京メトロ南北線も同様) 徒歩6分、都営大江戸線「飯田橋」A4出口(東京メトロ東西線も同様) 徒歩9分
武蔵野赤十字病院 内分泌代謝科部長
内科、血液内科、リウマチ科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器科、呼吸器外科、消化器科、腎臓内科、循環器科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、内分泌科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、緩和ケア内科、腫瘍内科、感染症内科、代謝内科、膠原病内科、頭頸部外科、総合診療科、病理診断科
東京都武蔵野市境南町1丁目26-1
JR中央線(快速)「武蔵境」南口 小田急バス、ムーバス(境南東循環):武蔵野赤十字病院下車 徒歩10分
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