現代、糖尿病は非常に多くの方が関心を持たれる病気です。ご自身やご家族が当事者であるという方も多いでしょう。この記事では、これまでの糖尿病薬の進歩について、糖尿病やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病を中心に豊富な臨床経験をもつ、国際医療福祉大学三田病院内科部長の小山一憲先生にお話をうかがいました。
これまでに開発されてきた糖尿病薬(主に経口で投与するもの)を時系列順に並べると、次のようになります。
DPP-4阻害薬以降のお話は関連記事「21世紀の糖尿病新薬ラッシュ―糖尿病薬の進歩(2)」をご参照ください。
20世紀において糖尿病の薬といえばほぼスルホニル尿素(SU)薬しかありませんでした。すでにビグアナイド薬も登場していましたが、乳酸アシドーシス(血中に乳酸が蓄積して著しく酸性に傾くこと)の副作用があったため、一部でしか使われていなかったのです。
スルホニル尿素薬はインスリンの分泌を促進する薬ですが、低血糖を引き起こし、肥満を助長するといった副作用がありました。その後、低血糖を起こさない薬剤が次々に現れたため、スルホニル尿素薬の使用頻度は急減しています。
ビグアナイドについては1995年にメトフォルミン・ルネッサンスとも呼ばれる見直しがなされ、ヨーロッパを中心に、肥満の患者さんには非常によい薬であると評価されるようになりました。その結果、現在欧米では肥満をともなう糖尿病の患者さんにはファーストライン(第一選択薬)となっています。
日本ではビグアナイドについて、必ずしもファーストラインとされているわけではありませんが、肥満をともなう患者さんの割合が増えてきていることもあり、最近ではビグアナイドをファーストラインとする医師も多くなっています。
その後、食後血糖値の上昇をおさえるα-グルコシダーゼ阻害剤が登場しました。糖の吸収をゆるやかにする薬ですが、放屁(おならがたくさん出る)や腹部膨満感(お腹が張る)という副作用があるため、あまり好まれません。特に女性には抵抗があるようです。それほど効果の強い薬ではありませんが、食後の高血糖をおさえるには効果的な薬です。
次に出てきたチアゾリジン薬では、最初に出たトログリタゾンが期待されたのですが、重症の肝障害を起こすという副作用があったため、販売中止になってしまいました。
現在はその後に出てきたピオグリタゾンという薬だけが販売されています。この薬はインスリン抵抗性を改善して動脈硬化にもよいというメリットがありますが、その反面、副作用も多くみられます。
浮腫(むくみ)が出やすい(特に女性)、体重が増加する、高齢で心機能が低下している方では水がたまって心不全を起こしやすい、などの副作用があります。また、膀胱がんとの関連が疑われた時期もありましたが、10年間の調査の結果、関連は否定されています。動脈硬化改善のニーズから、狭心症や心筋梗塞(しんきんこうそく)を併発している患者さんに対してピオグリタゾンを使うケースが比較的多いといえます。
速効型インスリン分泌促進薬は、スルホニル尿素(SU)薬の欠点を補った薬です。SUは強いインスリン分泌促進効果を持ち、長く作用する薬であるため低血糖を起こしやすくなります。また効きはじめが遅いため飲んでもすぐには効かず、食後の血糖値が上がってしまうという欠点もあります。
その点、速効型インスリン分泌促進薬は服用後すぐに効き始めるため、食後の高血糖をおさえることができます。また、短時間で効果が消失するので低血糖を起こしにくい薬です。ただし、毎食前に服用しなければならないので、きちんと服用しない方がいるという問題もあります。
国際医療福祉大学 教授
周辺で糖尿病の実績がある医師
武蔵野赤十字病院 内分泌代謝科部長
内科、血液内科、リウマチ科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器科、呼吸器外科、消化器科、腎臓内科、循環器科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、内分泌科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、緩和ケア内科、腫瘍内科、感染症内科、代謝内科、膠原病内科、頭頸部外科、総合診療科、病理診断科
東京都武蔵野市境南町1丁目26-1
JR中央線(快速)「武蔵境」南口 小田急バス、ムーバス(境南東循環):武蔵野赤十字病院下車 徒歩10分
東京医科大学 名誉教授
内科、血液内科、リウマチ科、外科、精神科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、腫瘍内科、感染症内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、脳神経内科、老年内科、頭頸部外科、総合診療科、病理診断科
東京都八王子市館町1163
JR中央本線(東京~塩尻)「高尾」南口 京王バス 医療センター経由館ケ丘団地行き 医療センター下車 京王電鉄高尾線も利用可能 バス7分、JR横浜線「八王子みなみ野」無料シャトルバス運行 バス
内科、外科、腎臓内科、整形外科、泌尿器科、リハビリテーション科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、人工透析内科、脳神経内科
東京都荒川区南千住5丁目10-1
東京さくらトラム(都電荒川線)「三ノ輪橋」都営バス:草43系統 南千住6丁目下車 徒歩5分、JR常磐線(上野~取手)「南千住」 徒歩7分、東京メトロ日比谷線「三ノ輪」 徒歩7分
山王病院・国際医療福祉大学 内科部長 (糖尿病・代謝)・ 国際医療福祉大学 講師
内科、アレルギー科、血液内科、リウマチ科、心療内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科
東京都港区赤坂8丁目10-16
東京メトロ銀座線「青山一丁目」4番(南)出口 徒歩4分、東京メトロ千代田線「乃木坂」3番出口 徒歩4分
国立国際医療研究センター病院 糖尿病内分泌代謝科 医師
内科、血液内科、リウマチ科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器内科、呼吸器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、乳腺腫瘍内科、膠原病科
東京都新宿区戸山1丁目21-1
都営大江戸線「若松河田」河田口 徒歩5分、東京メトロ東西線「早稲田」2番出口 徒歩15分
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