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糖尿病の大血管障害―心筋梗塞や脳梗塞の危険性
糖尿病の大血管障害とは糖尿病では、細い血管だけでなく太い血管もダメージを受けます。太い血管のダメージを一般的に動脈硬化といいます。動脈硬化を起こした血管は狭くなり、時には閉塞することもあります。...
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糖尿病の大血管障害―心筋梗塞や脳梗塞の危険性

公開日 2015 年 03 月 30 日 | 更新日 2017 年 05 月 07 日

糖尿病の大血管障害―心筋梗塞や脳梗塞の危険性
杉山 徹 先生

武蔵野赤十字病院内分泌代謝科部長

杉山 徹 先生

貴田岡 正史 先生

イムス三芳総合病院 内分泌内分泌(甲状腺)・代謝(糖尿病)センター長

貴田岡 正史 [監修]

菅野 一男 先生

医療法人社団桜一会かんの内科院長

菅野 一男 [監修]

糖尿病の大血管障害とは

糖尿病では、細い血管だけでなく太い血管もダメージを受けます。太い血管のダメージを一般的に動脈硬化といいます。

動脈硬化を起こした血管は狭くなり、時には閉塞することもあります。血流が悪くなったり、完全につまってしまったりすることで様々な病気を引き起こします。

糖尿病の大血管障害の原因

大血管症は、

  • 高血糖
  • 高血圧
  • 脂質異常症
  • 肥満(特に内蔵脂肪の蓄積)

の4つの組み合わせで起こりやすくなります。これはメタボリックシンドロームの4要素です。

その他にも

  • 喫煙
  • 年齢
  • 運動不足
  • ストレス
  • 食生活

などが動脈硬化の原因となります。

したがって、動脈硬化を予防するためには、糖尿病の治療はもちろんのこと、肥満や高血圧、脂質異常症など他の生活習慣病も同時に治療することが重要です。

糖尿病の大血管障害の症状

1. 脳梗塞(脳血管障害)

脳血管がつまってしまい、脳に血流が供給されなくなってしまうのが脳梗塞です。

閉塞する場所により、様々は症状を引き起こします。半身が麻痺(動かなくなる)、言葉が出づらくなるなどの症状が出現します。

2. 狭心症、心筋梗塞(虚血性心疾患)

心臓に栄養を供給する冠動脈の硬化により、狭心症や心筋梗塞がおこります。

通常では狭心症や心筋梗塞が起こると胸が締め付けられるような痛みが症状としてみられたりしますが、糖尿病患者さんの場合、神経障害もきたしている場合もあるために、痛みを感じない場合もあります(無痛性心筋梗塞)。

下図の通り、糖尿病患者さんにおける心筋梗塞発症率は、非糖尿病患者に比べてかなり大きくなります。

2型糖尿病における心筋梗塞発症率

2型糖尿病における心筋梗塞発症率

3. 末梢動脈疾患(閉塞症動脈硬化症)

下肢の動脈硬化により足に酸素や栄養が届かなくなってしまいます。これに加え、易感染性、神経障害が加わると足壊疽につながっていきます。

足壊疽

足壊疽

糖尿病の大血管障害の治療

糖尿病の大血管障害の治療は、疾患により異なります。

  • 脳梗塞:血栓溶解療法、抗凝固療法、抗血小板療法、脳保護療法など
  • 狭心症、心筋梗塞:カテーテル治療、冠動脈バイパス手術、血栓溶解療法など、
  • 末梢動脈疾患:薬物療法、運動療法、カテーテル治療、バイパス手術など

が行われます。

ただし、これらの治療をしても脳梗塞などでは麻痺などの後遺症が残ることがあります。また、心筋梗塞などでは治療が間に合わず、死亡に至ることもあります。そのため、きちんと血糖管理をして、これらの合併症を起こさないことがまずは大切になります。

糖尿病の大血管障害の予防

糖尿病の大血管障害を予防するためには、血糖をコントロールするのはもちろんですが、生活習慣病全般を治療することです。つまり、高血圧や脂質異常症(高コレステロール血症)の治療も重要となります。血圧であれば130/80mmHg未満、LDL-コレステロール濃度120mg/dl未満(すでに心疾患がある場合には100mg/dl未満)を保つのが推奨されています。

参考文献

糖尿病治療の手び引き 改訂第56版, 日本糖尿病学会, (2014)
科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013, 日本糖尿病学会, (2013)

内分泌代謝内科・糖尿病・高血圧それぞれの専門医資格を持つ。糖尿病・内分泌・代謝疾患による血管障害についての基礎・臨床研究の経験を活かし、東京多摩地区の基幹病院にて患者の健康とQOL(生活の質)の両方を高める医療を目指している。若手医師やコメディカルスタッフの指導も担っている。

北多摩地域の中核病院である公立昭和病院の内分泌・代謝内科部長として地域に根差した糖尿病治療を実践。加えて、NPO法人西東京臨床糖尿病研究会理事長として、糖尿病治療情報の共有および治療標準化を目指して、専門医、開業医間のネットワークを構築、専門的知識を持つ人材の育成等の活動を行っている。

2008年4月1日に、三鷹駅南口に、糖尿病・内分泌疾患・内科専門の「かんの内科」を開設。東京医科歯科大学、武蔵野赤十字病院、糖尿病学会、内分泌学会などでの診療・活動を通じて培った経験を、糖尿病・高血圧症・高脂血症・甲状腺疾患・動脈硬化症(脳梗塞、狭心症・心筋梗塞、足壊疽)などで苦しんでいる患者さんの診療に役立てており、メタボリックシンドロームなどで明らかな症状のない方の動脈硬化を進ませないようにするためのアプローチにも重点をおいている。食事療法、運動療法を駆使し、必要に応じて最適な薬の選択を行い、元気に長く豊かな人生を楽しむためのサポートをするために経験豊富な専門医、専門看護師、管理栄養士、運動トレーナー、フットケア専門家が一体となっている。
内分泌専門医として、甲状腺疾患、下垂体・副腎疾患(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、先端巨大症、プロラクチノーマ、尿崩症など)の診断・治療を行う。

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